アニメ CLANNAD AFTERT STORY 第18話 「大地の果て」 感想

京アニの皆さん,声優の皆さん,関係者の皆さん,ありがとう。
本当に素晴らしい回でした。最高の仕事を見せてくれました。これまでにも素晴らしい回があったのですが,それらを上回っているのではないでしょうか。
全俺が泣いた。これを涙せずに見るのは無理だろうJK。タフなクールガイにも涙する時があるんだぜ。さあ,俺の胸の中で泣きな・・・(自称Tough&Cool Guy な奴らのJ.H.さん談)
・・・・・・。・・・・・・。・・・少し気分を落ち着かせて,最初からレビューしていきます。
舞台はまず幻想世界から始まります。
空を飛ぶ道具を完成させることができなかったため,雪の振る中,ロボットと少女は手をつないで歩いてゆきます。
この描写が21話とリンクしていることを思うと・・・
旅立った親子は電車の中に。
このときに流れる曲がPat Metheny Group の Last Train Home に似ているんですよね。
狙ってやっているような気もするのですが。
汐は朋也に遊んでと。
早苗さんには本を読んでもらっているようですが,本はありません。
アッキーとは野球をしていると。
駒田!!って一発芸です。横浜のいいバッターで一塁手でしたが,孫の教育を間違えていると思います。面白くないといわれて落ち込む汐・・・
電車の中で騒ぐ子供が。朋也はうるせぇ!!とぶちきれます。
これは単にうるさいというよりも,子供がママ!ママ!!と言っていたことが,心の傷に触れたからですね。
しかし,汐にとっては父のそうした姿はショックでした。
いつの間にか姿を消す汐。
汐はトイレに行ってました。泣いていた汐,可愛すぎます。
早苗さんは泣いたらダメと汐に教育していました。
「でも,泣いていいところがあるって。」
「ふ~ん,どこだよ」
「・・・おトイレ」。汐は顔を伏せてそう答えます。他にも言いたいことがあったはずですが,今の朋也の前では伝えることができません。
「泣きたい時は泣いた方がいいんじゃないか。泣きたくても泣けないことが大きくなったらたくさんあるんだから・・・」
途中で乗り換えです。どうやら新幹線を降りような感じが。鉄道に詳しい人なら二人が向かった場所がわかるのではないでしょうか。
遊んでといっていた汐のために朋也はおもちゃを買ってあげようと。
朋也が汐のために選んであげたのはロボットでした。
そのチョイスはと多くの人が突っ込んだと思いますが,そのおもちゃでよかったのか,もっと女の子向けの方がという朋也に汐はこれ好き!と答えます。
これが幻想世界で少女がつくったロボットとリンクしているのですね。この場面を見て気がつきました。
旅館で休む親子。寝顔も可愛いです。
寝ている時にトイレにゆく汐に朋也は付き添ってあげます。先回とは違いますね。
トイレの帰りに目にする蛍。その姿は光の玉と関係しているのでは。
何か言いたそうなことがある汐。
朋也は「もう怒鳴ったりはしないから何でも言ってみろ」と。
「・・・ママのことを教えて」
「早苗さんに聞けよ」
「聞いても教えてくれないから」。さすが早苗さんです。親子の関係が戻ることを信じていたので,自分の口からは伝えなかったんですね。
そして目的地に到着。
目の前にはお花畑が広がっています。
もっと良く見えるように肩車してあげる朋也。
「ほら,もっと足開けよ」。「わっ,わっ,わぁぁあー」。これがHな台詞に聞こえてしまった人は反省が必要です。
「軽いなお前」。初めての親子のふれあいの時です。
はしゃぐ汐。それを見た朋也も「いちおう来て良かったということか」
汐は遊んでいるうちにロボットを失くしてしまいます。
二人で探しますが見つかりません。
「汐,あきらめよう。帰りに同じものを買えばいいよ,なっ」
「あれがいい」
探すのをあきらめない汐。
汐の探す姿を見て,朋也は昔のことを思い出します。
ここでの演出が素晴らしかったです。
原作では早苗さんが置いていったメモを見ながら旅行していた気がするのですが,アニメではそのメモが出てきませんでした。ここでの演出のためだったんですね。朋也が自分で思い出すと。
ここには来たことがあるような気が。朋也は記憶を頼りに歩き出します。「何だろう,覚えがある」
その先には一人の女性が。
「岡崎朋也さんですね」
「わたしは岡崎史乃と申します」
「あなたのお父さん,岡崎直幸の母です」。「わたしはお前の父さんだ」よりも衝撃的でした。
ここでBパートに。
早苗さんから連絡があってここで待っていたのでした。
早苗さん,策士です。この作戦で朋也が立ち直ると信じて,朋也と汐を送り出したんですね。
朋也は史乃さんに会ったことがあったのです。
ここで語られる父の話。
「昔はあんなバカな子じゃ無かったんです」
アツコさんと直幸は学生結婚で周りから反対されていました。それを押し切っての結婚です。
「それでも,愛する人を守って生きてゆく・・・それだけであの子は幸せだったのです」
「やがてアツコさんはお腹に子供を宿し,ささやかな祝福の中であなたが生まれてきたんです」
「でもこの幸せは長くは続きませんでした。アツコさんは事故で亡くなって・・・」
「それはあの子にとって立ち直れないほどの悲しい出来事でした」
「でもねぇ,まだ絶望するわけにはいかなかったのですよ」
「 ・・・朋也さん、まだ幼いあなたが残されていたからです」
「この子だけは自分の力で育て上げるからと」
「あなたはその日,ここから直幸と手をつないで歩いていったのですよ」
「覚えていませんか。それからの日々があのこの人生の中で一番頑張った日でした」
最愛の妻を無くしても、仕事で行き詰まっても、息子の手を離さなかった“父”。
自分の運や機会もすべて犠牲にして・・・
「全てはあなたを無事に育て上げるためだったのですよ・・・」
「それは直幸にとってとても大変なことでした・・・・」。無理をしすぎてアルコールに走るようになったのでした。
「それでもあなたと生きることをあの子は選んだのです」
「あなたが自分で生きられるようになった時,直幸はすべてを失っていました」
「今のあなたも直幸と同じ境遇のようですね」
「でも,だからこそわたしはこの話をあなたにお聞かせしたかった」
「直幸がどんな父親だったかを知って欲しくて」
「あの子もそうなんです。弱くて情けなくて不器用で。それでも子供であるあなたには,できる限りのことをしました」
「わたしはあの子をほこりに思いたいのです。人間としてはダメなところもあったが,父親としては立派だったと・・・」
「俺も,俺も・・・そう思います」
「ありがとうございます・・・ほっとしました」
「朋也さん,あの子は頑張りすぎました。そろそろ休んでもいいころでしょう」
「直幸に伝えてください,もう・・・帰ってくるようにと」
「わたしはこの土地であの子を待っていますから」
史乃さんと一緒に汐のところに行くと,汐はまだロボットを探していました。
「あれが,あなたの・・・」
「はい,汐です」
「ずっと探していたのか」。ここで朋也は父親の接し方を思い出し,汐と子供目線で向き合います。
「汐・・・あのロボット・・・見つからないかもしれない」「仕方ないんだ。また,新しいのを買おう」
「あれ・・・一つだけだから・・・選んでくれて買ってくれたものだから・・・」
「初めて,パパが・・・」。ここで初めて汐は朋也のことを呼んでくれます。それもパパと・・・
「汐・・さびしくなかったか・・俺なんかと旅行できて楽しかったか・・」
「汐・・・俺,側にいていいかな。ずっと長い間ダメパパだったけどさ・・・これからは汐のために頑張るからさ。だから側にいてもいいかな・・」
「うん」
「本当か」
「いて欲しい」
その親子の姿を見守る史乃さん。
「パパ・・・あのね・・・もうねっ・・・我慢しなくて・・・いい?」
「早苗さんが言ってた・・・泣いていいのは,おトイレか・・・パパの胸の中だって・・・」。ここで明かされるもう一つの泣いていい場所。
そして抱き合い号泣する親子・・・俺も号泣です・・・
そして帰りの電車の中で母の渚について語る朋也・・・
「ママの話聞きたいか?」
「うん」
「そうか,じゃあ,こっち来い」
汐のために語ろうとするとする朋也。
しかし,語っているうちに渚のことを思いだし,語ることができなくなります。涙が落ちてきます。
そこで,渚との想い出がフラッシュバック・・・
「渚・・・渚・・・渚・・・」
それを見た汐も「パパ・・・」と涙・・・
今まで他人も同然だった親子が家族になりました・・・
「・・・渚,やっと見つけたんだ。俺にしか守れないものを。俺にしか守れないかけがいの無いものを」
「それは・・・ここにあった」
今まで渚との思い出をすべてなかったことにし,現実から目を背けていた朋也がついに立ち直ります。
汐と向き合い,親子としての関係を培うことができるように。
史乃さんと会い,話を聞くことによって,直幸も自分と同じ想いをしてきたこと,自分を育てるためぬ全力をつくしてきたことを知り,父親を理解し,向き合う決心がつきます。
これで本当の意味で汐と家族,渚のためにも汐を守ってゆきたい。本当に大事なことを朋也は気づくことができました。
渚を失った喪失感は相当なものだったと思います。
深く愛していたゆえに失った時のダメージも大きかったのです。
それを癒すため,気持ちを整理するためにはある程度の時間が必要だったと思われます。
その時期を見計らっての,早苗さんの作戦でした。
5年という歳月を考えると最後のチャンスだったのではないでしょうか。
これであたらしいCLANNAD家族が始まります。
次回ではその家族の輪に直幸さんが。
朝から見てしまったせいで仕事になりませんでした。早く帰って来ました。
しばらくは暗い展開は無いからと油断していたらやられました。
P.S.
相互リンク先の「日常と紙一重のせかい」さんが旅行先に対しての考察を書いてくれていました。
以下はその転用です。詳しい説明をありがとうございます。
CLANNAD ~AFTER STORY~ 第18話「大地の果て」-日常と紙一重のせかい
そういえばどこに旅行に行ったのかと思っていましたが、789系電車が登場してたので北海道だと思います。Kanon1話でも721系電車が出ていたのを思い出しました。うぐぅ…
今回の旅路は、東北新幹線→スーパー白鳥→普通(or快速)列車→ワンマンな感じで。
調べたら、新幹線から降りた後の映像がそのまま八戸駅だったので、これで間違いないと思います。
流石に旅館がどこかまでは分かりませんが、八戸市内のどこかなんでしょう。
キハ150っぽいのも出ていましたね。とりあえず配色がオリジナルであることは確定ですが、ディテールには詳しくないので間違いありましたら指摘していただけると幸いです。
気になる終着点ですが、北海道で車止めのあり、尚且つ単線で田舎にある終着駅は案外数少なくて、新十津川、増毛、様似くらいなものです。牧場の周りでしたので、様似駅かな。ちょっと実際の景色とは違うけれども。
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テーマ : CLANNAD -AFTER STORY-
ジャンル : アニメ・コミック
今回、考察記事を取り上げていただいた所大変恐縮なのですが、今回の二人の旅路は
八戸→野辺地→陸奥横浜
と、青森県を出ずに下北半島を北上しているとコメントにて指摘がありましたので、ここに訂正させていただきます。「陸奥横浜駅」で調べると該当の画像が出てきますので、納得していただけると思います。
誤解を与えて申し訳ありませんでした。
わたしは電車や地理関係に詳しくないので他サイトさんの記事に頼りきりでした。
同じ時期に聖地巡礼に行きたくなりますね。
今回は感動回でしたね

ここのところ毎回ですがw
汐の可愛さには癒されます(*´ω`*)
2人の旅行先って、北の方なんですね!
すごく綺麗なところでしたよね。
あのお花畑もあるんでしょうか?
私も行ってみたいです(≧∇≦)
駒田情報もありがとうございました♪
18話は超感動でした。何十回も見ました。
旅行先は調べたら青森県の陸奥横浜駅付近でした。
画像を見ていたら行きたくなりました。