Anime/Book/Game/Music/Sports/のMixture系Blog

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- : スポンサー広告 :
Pagetop

どうすればラノベ作家になれるのですか!教えてください!

7 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 00:56:06.58 ID:MusgXLNn0 [3/26]
教えてください!ここにいる皆さんなら知っているとうかがいました!早く!

12 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:59:09.86 ID:IM5t6dHU0 [1/3]
よく可愛い女の子が沢山出るだけのラノベって……って意見があるけど、俺は
いろんなバリエーションの女の子を色んな方法で助けてはフラグ立てる主人公の
活劇ノベルが書きたい。というか多分それしかかけない。

16 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:02:58.20 ID:Z62qXIWh0 [2/30]
わかったから!お題!お題早くお題!

19 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 01:03:46.90 ID:Ng1mbOqU0 [1/10]
おっしゃ、書こうw
お題でもいいし、場面設定・キャラ設定を指定してくれるのでもいい
掌編として完結させるのか、長編の中のワンシーンとして書いた方がいいのか
も指定してくれたらうれしい

20 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:04:43.81 ID:MusgXLNn0 [7/26]
じゃあ、
星空 季節 少女

24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:07:55.25 ID:iQheDKa8P [1/2]
敵対する女の子と、一緒に行動することに

23 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:06:49.03 ID:MusgXLNn0 [8/26]
>>19
長さは60行(2レス程度)前後で、
長編という設定で物語のラスト一行まで書いていただきたい

25 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 01:10:34.29 ID:Ng1mbOqU0 [2/10]
>>23
 ええwww
 長編の最終章だけ書けってことか!
 これは楽しそう。
 やりますよ。
 ありがとう

>>24も取り込むことにしよう……>>24の設定で展開した物語の結末、ということで。


27 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:12:57.17 ID:MusgXLNn0 [9/26]
戦い 秘密 密室

28 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:13:10.10 ID:iQheDKa8P [2/2]
皆からダメな奴だとバカにされる主人公
だけど本当は実力者
長さは60行(2レス程度)前後で、
長編という設定で物語のラスト一行まで書いていただきたい

32 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:18:33.12 ID:IGt6t9OY0 [3/5]
>>26
そうだな、そしたら…

『東大を目指してる主人公が、どういうわけかワンキーだらけの底辺校に編入してしまい、
 ヤンキーだが密かに保母さんを目指すかわいいヒロインや、主人公の生き様にあこがれるヘタレと共に
 青春を謳歌するバトルもの』

ってのはどうだ?


1 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 06:43:59.38 ID:D18e4VeM0
1.問題作れ
2.質問に答えろ
3.解答貼れ

【問題例】
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。
何故でしょう?

http://umigamesoup.at.infoseek.co.jp/000/001.html

【ルール】
全員参加型の「物語推理」ゲームである。クイズではない。
司会者が問題を出し、ゲームの参加者の質問に受け答えていく。
ただし、司会者は「Yes」or「No」でしか答えられない。補足は最小限に!
そのため参加者は、司会者がYes・Noで答えることの出来る質問をしよう。
少しずつ明らかになっていく真相を解明し、問題の答えを導こう。
基本はまとめwikiをみるべし。

まとめサイト
http://wikiwiki.jp/umigamevip/


こんな感じでお題があがり、ストーリーが作られてゆきました。



あげられていた題に基づいて作られていったものです。
外部にあげられていたものはイタリックにして引用しました。


68 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:51:19.06 ID:XYsSCvB00 [5/18]
老人は寝食にも事欠くほど貧しく、金を得る当ても無いので
毒入りの酒を飲んで自殺することにした。
遺書を書こうとすると突然2人の見知らぬ男が部屋に押し掛け
老人を殴りつけ気絶させた。
この2人はかつて強盗をはたらき、奪った金をこの部屋の地下に隠して時効成立を待っていた。
老人はそのことを知らずにこの部屋に住んでいたのだ。
男達は大金を掘り出し、そばにあった酒で祝杯をあげた。
2人は金の使い道を楽しそうに語り合いながら死んでいった。
しばらくして老人は目を覚まし、状況を把握すると
2人の死体を穴に埋め、床板を元通りに貼り付けた。
翌日、老人は滞納していた家賃を払い、アパートを後にした。

ウミガメのスープinVIP
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278711839/517より

84 名前:>>68 適当に書いたら意味不明な駄文が誕生した件 [sage] 投稿日:2010/07/11(日) 02:21:37.50 ID:hJHqixHw0 [2/6]
ふと思う、私はこの歳まで生きたが生きている意味があるのかと。
ただ堕落なまでに年齢を重ねる事幾十年、鏡を見てみれば其処には皺だらけの翁が映っている。
現在私は金に困り、寝食にも困窮している状態だ。
どうしてこうなったか、理由を思い出そうとしても意味の無い人生を送ってきた私には皆目検討も付かない。
痴呆でも始まったのだろうと結論付けた時には財布の中身、預金残高は全て空になっていた。

もう死のう。 この歳まで生きたのだ、どうせ大して寿命も残っていない。
それならば自らこの命を絶つというのもまた乙な物だ。

最後の金で買った酒に毒を入れ、傍らで遺書を書きはじめる。
書き出しをどうするかと悩んでいると私の目の前に二人の男が佇んでいた。
そこで私の意識は途絶えた。

「まさかこの部屋にこんな爺が住んでるとはな」
「だが今日で俺達は億万長者だ、こんな爺に構っている暇は無い、そうだろ兄弟?」
「そうだな、とっとと金を掘り出そう」
「お、丁度良い、ここに酒もあるし祝杯でも上げようぜ」

私は朦朧とした頭で二人の男の話に耳を傾けていた。
二人は気絶した私を傍に祝杯を挙げている。
どうやらこの男達は私の部屋の地下に金を隠していたらしい。
そして私が毒を入れた酒で乾杯をした。
これは天の導きだろうか。
二人の男は掘り出した金を握り締めながら息絶えている。
残ったのは地下の穴と二人の亡骸に億を越えているだろう金。
意識が戻ってきた私は男達の亡骸を穴に放り投げ、元通りに床板を閉めた。
気絶していた時に聞こえた声によるとこの大量の金は男達が昔強盗で手に入れた金らしい。
そして時効が成立したのが今日という事だ。
つまりこの金は既に自由に使える。
翌日、私はこの金で滞納していた家賃を払い、アパートを後にしたのは言うまでも無い。

96 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:38:47.00 ID:FBh3yUq00
 老人は貧しかった。日々の暮らしが、まるで茨のように痛々しく巻き付いていた。
ついに痛みに耐えきれず、毒入りの酒を用意し死ぬことにしたのである。死ぬこと
は怖かったが、これ以上生きることに対して苦痛を感じるよりはましだと思ったのだ。
 毒入り酒を用意し、テーブルにつく。何か忘れている。そうだ、遺書だ。誰も残す
必要がある人などいなかったが、これまで生きた証として何か残したかった。否、
そうではない。生きた証など必要ない。遺書を書く本当の理由は、自分を納得させる
ためだった。貧しさのために死を選ぶ自分の惨めさ。社会への不満。ペンを取り、
いざ書き始めようとするとドタドタという品の悪い足音がこちらに向かってきた。
 二人の男が部屋に入ってくる。男は何も言わず鈍器を老人に向かって振りかざした。
老人にとってはもう、どうでもいいことだったので抵抗はしなかった。ドサリと倒れる
老人。二人の男は老人がピクリとも動かなくなったのを見てニタニタと笑うと床板を
剥がし始めた。床板のしたには大穴とはしごが隠されていて、地下へと通じている
のだった。二人は地下へ潜り、大金を手にして部屋に戻ってきた。この金の出所は、
さる金持ちの金庫である。しかし彼らはまっとうに働いて金持ちから賃金を得たのでは
ない。つまり、彼らは強盗を働いたのだ。時効成立を待って、この老人の部屋にやって
きた所在である。
 二人はこの仕事の成功を祝い、祝杯を上げることにした。手始めに、この酒を開けよう
じゃないか。俺は、この金を使ってずっと欲しかった車を買うんだ。そんなつまらないこと
に使うのか、俺はもっと有意義に使うぞ。そうだな、店でも始めよう。これを資本にでかい
店を作るんだ。云々……。
 老人が気づくと傍らには二人の男が冷たくなってテーブルに臥せっていた。テーブルの
上の酒は空っぽである。そして目の前にある大穴と大金。老人はびっくりしたものの、
すぐに状況を把握した。そして大金は、彼の茨を取り去ってくれるだろう。二人の死体を
大穴に投げ込み、土で埋めて床板を元に戻すと老人は久々に満ち足りた気分で眠りについた。
 翌日、老人は滞納していた家賃を払うと、長年住み慣れたアパートを引き払った。

97 名前:>>68[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 02:48:24.51 ID:XYsSCvB00 [8/18]
 部屋には老人特有のすえた臭いが漂っていた。
どうせ生きてはいけない。今ここで死ななければ明日にでも
この家を追い出され、結局のたれ死ぬのだ。
ならばいっそ屋根の下で死ねる間に、死んだほうがましというものだ。
 最後に風呂に入ったのはいつだったろう。
そんなことを考えながら、老人は酒瓶を色あせた畳に置いた。
男はヤニの染み付いた戸棚を開け、隅にへばりついていた団子をとりだした。
団子を小さくちぎり、瓶に落としかき混ぜる。それだけのことでも、
くたびれた老人にはひどく時間のかかるものだった。

頭が痛い。まぶたがひどく重い。
ようやく目を開けた老人が見たのは、泡から口を吹いて倒れ伏す二人組だった。
畳は剥がされ床下のカビの臭いが老人の鼻を刺激した。
老人は床下の空間を見た。老人は目を見開き、
男達の死に際に撒き散らしたのだろう吐瀉物にもかまわず、
床下の空間に隠されていたものを掴み出した。
それは老人が短い余生を不自由なく暮らすには多すぎるほどの金の束であった。
改めて男達を眺めた。痛む頭をさすり、老人は男達の口に耳を当てた。死んでいる。
それからの老人はすばやかった。
救急車を呼べば助かるかもなどという考えは老人の頭にはなかった。

翌日、部屋には老人の姿はなかった。
代わりにあったのは滞納した家賃分の札束と、床下の二つの死体だけだった。

105 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:10:57.53 ID:+kEmIh5X0 [4/10]
>>68
一応書いてみたけど、酷いなコレwww
ってかちゃんと下調べしろよ俺wwwwwwworz


「これで思い残しは無くなった、か」
 と、老人は嘆息した。ここ最近は食うや食わずの生活が続き、家賃すら滞納が続いていたので自殺を企てていた……今はその途中と云ったところである。
 彼は手許にある大きめの水温計を、自らが怪我を負わないように叩き壊した。底にある水銀を飲んで死のう、と考えてのことである。
 ほぼ唯一今まで残していたもの――捨て切れなかった、と云えるが――であった故か、その瞬間にはある種の感情が籠っていたように思えた。
「ふむ、いくら私でも感傷的になれるものなのだな」
 自らの独り言に苦笑しつつ、水銀を擂り粉木で擂り潰していく。
 家庭で使用するような水槽に対して大きすぎる水温計の中に入っているそれは、致死量としては十分過ぎるほどであると云えるだろう。
 終わると、老人は酒の入ったビンの中へと紙を使って水銀を流し込んだ。これで準備は完了……とはいかず、遺書がまだ残っている。
 その内容を考え始めた瞬間、老人は後頭部に強い衝撃を覚え、意識を失った。

「ここに住んでたのが爺で助かったな」
「まったくだ。ええと、確かここに……と。あったぜ、俺たちの戦利品」
 経年劣化が激しい印象を受けるが、床下には彼らが強盗の罪を犯したときに使った図太袋が置いてあった。
 流石に時効が過ぎるまで待つと仕方の無いこととは云えるし、中身さえ無事ならどうでも良いとも思っている節さえある。
「オーケー、オーケー。金は大丈夫みたいだな、引き払うとするか……ん? 何してるんだ?」
「いや、酒を見つけてな。丁度良い、祝杯でも挙げるとするか!」
 片割れのその台詞に同調し、二人して酒が無くなるまで飲み明かし、互いに金の使い道や夢を語り合った。

 老人に意識が戻ったとき、そこには大の男が二人倒れていた。幸せそうな表情をしたまま身体が冷たくなっていると云うのもある種異様である。
 大方あの酒でも飲んだのだろうと推測すると、彼は慎重に床を戻した。そして『戦利品』を掴み取り、その場を後にする。
 翌日には滞納していた家賃を払うと、着の身着のままに老人は歩き出す。
 子供の頃に飼っていた金魚の思い出と一緒に死ねたら幸せだったのだろうか――なんて、薄ぼんやりと考えながら。

106 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 03:11:41.95 ID:XYsSCvB00 [12/18]
>>98
(毒で口から泡を吹くって不自然なのかな?)
>>100
(もう一度読み直そう。ああ、二人組みはゲロ吐いてたな。
ゲロ吐いた後に泡吹いてることになるな。そういうことか)
>>103
(ん?なんか違うっぽいな・・・・とりあえず>>104って書いとこう)

泡 か ら 口 を 吹 く    ←いまここ(//////////////////)

107 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:23:59.66 ID:1AM6njKC0 [4/7]
夕暮れの中、二つの瓶を抱え、外を歩く老人がいた。足取りは軽く、久しぶりの酒が待ち遠しい。しかしその中の片方は、毒薬である。老人はまもなく、死ぬ気であった。
財産と呼べるものはなく、身よりもいない。寒々とした狭いアパートで、食うや食わずを繰り返している。老いさらばえた身でなくとも、堪える生活であった。老人が自殺を思い立つのも、当然とも言えた。
しかし老人は、苦しんで死ぬのは嫌だった。何が悲しくて、死の間際まで苦しまねばならぬのか。
せめて最後くらいはと考え、老人はなけなしの金をはたいて、少々値の張る酒を買った。入れる毒も、なるだけ楽に死ねるように選んだ。

全財産となった酒瓶から、直に酒を煽る。胃の腑に流れ込むアルコールを楽しみ、形だけの遺書を書く。
老人は安堵していた。
こんなあばら家で凍えて眠るのも、これが最後。酒の中に毒を入れながら、そう考える。そうすると老人は、どこか心が落ち着くのだった。
そのとき、老人の背後では、二人の男が部屋の窓を乗り越えようとしていた。
久しぶりに酒をしこたま飲んでいるせいだろう。老人の反応は鈍く、気がついていない。男達はゆっくりと老人に近寄り、持っていた工具で後頭部を打ち据えた。机に顔面を叩きつけながら、老人は崩れ落ちる。
彼らは、物取りではない。物取りならば、もっと高そうな場所へ向かうだろう。しかしある意味では、男達は物取りである。
男達は息を荒げつつ、万年床をひっぺがす。その下の畳を引き剥がし、地面を掘った。すると、バッグが二、三出てくるではないか。それを見て男達は、互いに笑みをこぼした。
チャックを開けると、金の束があふれんばかりに詰まっている。この札束は何年も前、男達が盗んだものであった。時効まで逃げのび、ついに手にした大金。恋焦がれ続けたものを手に入れた今、男達は笑いをこらえきれるわけがない。
おあつらえ向きに、酒まで転がっていた。男達はそれを回し飲みし、数分後に倒れ、死んだ。

老人が目覚めたのは、それから三十分も経ったころだろうか。
日は沈み、部屋は荒れている。後頭部の痛みを堪えつつ、二つの死体に驚く。なぜ自分が殴られたのかさえ、すぐには理解できない。
しかし死体のそばに転がっているバッグを見て、老人は全てを悟った。
無念に歪んだ顔を二つ埋め、畳を敷きなおし、布団を元に戻す。そしてそこに寝転ぶと、老人は泥のように眠った。

あくる日、老人が去った部屋はがらんとしていた。「ご迷惑をお掛けします」との置手紙に、溜め込んでいたぶんの家賃が、机に置かれているだけである。
それを大家が目にするのは、一月後のことであった。



24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:07:55.25 ID:iQheDKa8P [1/2]
敵対する女の子と、一緒に行動することに

23 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 01:06:49.03 ID:MusgXLNn0 [8/26]
>>19
長さは60行(2レス程度)前後で、
長編という設定で物語のラスト一行まで書いていただきたい

94 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 02:36:21.99 ID:Ng1mbOqU0 [4/10]
>>23>>24のお題ででけた。眠い…

 船が来たのは三日後だった。
 デンマーク籍の商船で、上海からロサンジェルスまでの定期便ということになっていた。
 「塀の中に逆戻り、か」
 起き上がったアレクシオは残っていた弾丸を全て銃に込めた。
 まだ少し微震の続く砂浜を踏みしめて、島の奥を振り返った。
 原生林の中へと、銃を構える。
 でたらめに引き金を引く。
 誰も彼も……くそったれだ。
 世界はでたらめすぎる。
「うああああああああああああっ」
 アレクシオは咆吼した。
 自分が生き残ったことに怒りすら覚える。
 残響が消えるころ、船からのボートが着いた。
「気はお済みですか? ミスター……ミスター・テンコウジ」
 ボートの一団の長はマードックだった。
 アメリカ人特有の大仰な身振りで肩をすくめ、葉巻を取り出した。アレクシオにはすすめようともしない。
「さっさと乗ってください。あなた一人回収するためにいくら掛かったと思ってるんですか?」
「お釣りが来るだろ……この島で」
 マードックは首を振った。
「残念ながら」
 そして、哀れむように微笑んだ。
「取引は成立しました。合衆国政府は手を引きました」

95 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 02:38:32.76 ID:Ng1mbOqU0 [5/10]
 馬鹿な。
 喉まででかかった声を飲み込む。
 風が止んだ。
 あなたはきっと無駄なことをしている。
 クラリッサはそう言った。
 だが、彼女の死もまた、全く無意味だった。
「さあ、帰りましょうか。あなたの終の棲家へ」
「また脱獄してやるさ」
「ご自由に。合衆国がある限り……この世界全てがあなたの牢獄です。どこへ行こうとも……」
 空になった銃を投げ捨て、アレクシオはボートへと歩き出した。
 砂浜を踏みしめ、波の中へ。
 マードックは軽く十字を切り、後に続いた。
 海鳥の影が頭上を過ぎていった。
 岩塊の中に消えた彼女は最後の瞬間までアレクシオをにらみつけていた。
 勝ったのは彼女だったはずだ。
 遠くに船影が見えた。
 急ぎましょう、とマードックが促す。
 ボートに乗り込んだアレクシオは、空を見上げた。船に着くまでずっと見上げていた。
 太陽まで飛んでやる。
 きっといつか。
 日本語でつぶやきを繰り返す。
 マードックが舌打ちする。だが止めようとはしなかった。
 ついにアレクシオの望んだ罰は訪れなかった。〈了〉


110 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 03:53:25.03 ID:rvWpRAk70 [3/11]
>>32
『東大を目指してる主人公が、どういうわけかワンキーだらけの底辺校に編入してしまい、
 ヤンキーだが密かに保母さんを目指すかわいいヒロインや、主人公の生き様にあこがれるヘタレと共に
 青春を謳歌するバトルもの』
お題のほとんどが消化できていないが転校初日分は書けた。
かわいいヒロインや主人公にあこがれるヘタレはこれから出てくるものと思ってください。
バトルものにもそのうちなるんだ、きっと。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1020390.txt.html

僕の名前は集塵 孝、孝はタカシではなくコウと読む。東大現役合格を目指して日々勉強に励んでいる。

高校一年生で、今まではバリバリの進学校に通っていたが、母親の仕事の都合で引越しをすることになった。
当然、転校を余儀なくされ、引越し先から通える唯一の学校である、超ド級高等学校、通称ドキュ高に編入することとなった。
せっかく入った難関の高校だったのに転校しなければならないとは、
親を恨む気持ちが無いこともなかったが、決して裕福とはいえない母子家庭だ、仕方ないと思うようにしていた。
勉強なんて何処でもできる、学校の授業レベルなんてものに頼っていては東大なんて目指せない。

新しく通うドキュ高だが、なにしろ電車も通っておらず、バスは一日一本しかないオラこんな村嫌だを地で行く田舎町である。
この街に住む中学生が落ちてしまったら他に受け皿がないという理由から、入試を白紙で出しても合格するという学校となったらしい。
もらったパンフレットの1ページ目には「我がドキュ高は誰でもウェルカム」という謳い文句が誇らしげに印刷されている。

引越しも無事に済み、いよいよ今日から僕もドキュ高生だ。
転入初日だ気合を入れていこうと、校門をくぐると、スキンヘッドにサングラスでジャージ姿という大変気合の入った中年男性がいた。
なんだ間違えたか、とUターンすると、後ろから肩をつかまれた。
「見ないツラだな、どこのモンだ?」
「いえ、お気になさらず、超ド級高校に行こうとしてただけで」
「おう、ドキュ校ならここだ」
あぁ、やっぱり、そうですよね校門ですからね。
スキンヘッドに案内され、職員室に入る。まさか教師全員がこうなのか? と思ったが、無論そんなことはなく、
ノイローゼ気味に見える人も数名見られたが大半が至って普通の教師だった。
「私があなたの担任になります、よろしく」
眼鏡をかけた若い女教師が言った。

簡単な挨拶を済ませると、先生と連れ立って今日から加わることとなるクラスの教室へと向かった。
騒々しい教室に入り、生徒達を見回すと、大方予想通りではあった。
申し訳ないが見た目で判断させてもらうと、不良とオタクとどちらでもない生徒がおよそ7対2対1の割合で混在していた。
中でも目立つのが中央最後尾の席で机に足を乗せ、タバコをくわえた男子学生、たわわに実ったリーゼントがよく似合う。

「開成高校から編入してきました、集塵 孝です、よろしくお願いします」
教壇に立ってそう言うと教室中がざわめいた。
「カイセイぃ?聞いたことないの、どこじゃそれ」
「アホゥ、業界用語じゃ、正解のことじゃろ」
「セイカイってなんじゃ?」
「アホゥ、業界用語じゃ、開成のことじゃろ」

「席は、門倉君の周囲が空いてるわね、そこでいいわ」
と女教師は言った。
「あ、門倉君はそこの……」
「大丈夫です、わかります」
『周囲』が空いているのなんて一人しかいない。リーゼントの隣へと歩いた。
「集塵です、よろしく」
僕がそう言うと、門倉君はギロリという音がしそうな目線をこちらに向けて言った。
「おう、まぁ座れ、お茶でも飲んで、話でもしようや」
そう言うと、キティちゃんの絵が入った水筒を取り出し、コップを兼ねるフタに中身をなみなみと注いだ。
「いただきます」
そう言ってコップを口元に近づけ、体を硬直させた。この匂いは。
ウイスキーだそれもストレート、だが予想よりは遥かにマシと言える。
なんと言っても僕は東大を目指す身だ、このぐらい飲めなくてどうする。僕はそれを一気に飲み干した。
「……自分、行ける口やの」
門倉君は満足そうに言った。


門倉君に認められたせいか、クラスの皆は友好的に接してくれた、見た目が多少怖い連中も話してみればなかなかいい奴等だ。
昼休み、少しだけ仲良くなった高橋君に案内され食堂に向かった。高橋君は一割の『どちらでもない』に属する生徒だ。
ちなみに門倉君は一時限目の最中に既に早退している。
転校生の話は広がっているらしく、僕が入ると食堂中の生徒が好奇の視線を向けた。
高橋君と並んでカレーを食べていると、他クラスの、それもガラの良くない部類の生徒が、僕らが食事を取っているテーブルに足を乗せてきた。
「集塵ってのはお前か」
たしかこれは漫画ではやられ役の顔立ちだ。
「あつめてミナゴロシと書くらしいの、生意気な苗字だなオイ」
「似てるけどちょっと違います」
ふと隣を見ると高橋君は律儀にカレーの皿を持ったまま後ずさりしている。
「お前片親だってな」
「……そうですけど」
視線をを合わさず、黙々とカレーを食べながら答えた。
「お袋さんの仕事で引っ越してきたって?」
「えぇ、その通りです」
「へぇ、お前……」
見ると、絡んできた生徒は、ニヤニヤと品の無い笑いを浮かべていた。
この手の輩は放っておくに限る、飽きたらすぐに見向きもしなくなるものだ。


転校初日は母親と一緒に帰路につくこととなった。
仕事先に連絡があったらしく、母はすぐに学校にやってきた。
門番のスキンヘッドは生活指導担当だったらしい。
「転校初日からというのは……、なんでこんなことをしたのか何も喋らないし……」
面談は終始スキンヘッドが小言を言い、母はすみませんすみませんと頭を下げ、僕は黙秘するばかりだった。
「まぁ、ウチは見ての通りの学校で、こんなこと珍しくもないですからね、特に罰則のようなものはありません。今日はもうお帰りください」
こうして三者面談は終わった。

学校を出ると、母は傷は大丈夫かと訊いてきた。
「大丈夫」
相手のほうが怪我は大きいはずだから。とは思っても言わない。
それからしばらく、二人並んで無言で歩いた。
なんとも居心地の悪い空気に耐え切れず僕は口を開いた。
「……何も言わないね」
「訊いても答えないでしょうに」
当たり前でしょう、とばかりに母は言った。
「それに、訊かなくてもわかるよ」
「なんで?」
「昔から、孝が自分から先に手を出すのは、母さんのこと馬鹿にされたときだけじゃない」

幼い頃の情景が浮かんだ。
小学校、どうして殴ったんだと詰め寄る教師と、泣きながら言いたくないとだけ繰り返す自分。

その日の夕飯は、小学生のあの時と同じ、俺の好きなハンバーグだった。


148 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 08:41:09.76 ID:MusgXLNn0 [21/26]
投下ばっかりでレス少ないなw
みんな書いててその間に誰もいなくなたクチかw

>>110
やばい面白い。
どうしてこれにレスがついてないんだってくらい面白そう
文章とかが全体的に改善できそうなのは置いておいて
ネタとしてのポテンシャルは間違いなく賞取れるレベルに思える
不良の書き方もいい。こういうのはやりつくされていようとウケると思う。集めてミナゴロシがまたw
主人公にもちゃんと主人公らしさがあって母親との絆も強くて、
事件が起こっても安心して見られるという気がする
受験や東大という目標とどう合わせていくかが一番の難関だと思うけど、そこをうまく解決すれば
この方向のままどこかの賞を充分以上に狙えると思った
それくらい面白い

転校二日目(New!)
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1021724.txt

転校初日から暴力沙汰を起こした身としては学校に行くのが気が重い。
かと言って早々に登校拒否するわけにもいかないので、僕は学校に向けてのんびりと歩を進めていた。

ふと見ると、通学途中にある公園で金髪の女子高生と小学生くらいの男の子が見えた。金髪は同じクラスの女子だ、
おはよう、と声をかけると、金髪の女子高生は凄まじい勢いで後ずさりし、顔の前でブンブンと手を振った。
「ち……ちがうの、これは子供が転んでヒザすりむいてたから、手当てをしていただけで!」
「すごい正直だね」
あわてた彼女は何も聞いていないのにありのままに起こったことを話し始めた。
「あぁ、よく見たら転校生」
「集塵だよ、葉山さんだよね?」
ありがとー、という声が聞こえて目を向けると、ヒザに絆創膏を貼った小学生が、こちらに手を振りながら元気に駆け出していた。
あの分だと、遠くないうちにまた転ぶだろう。
「ルナ」
「ん?」
向き直ると、葉山さんは不満そうに眉を寄せていた。
「ルナ」
もう一度そう繰り返した。
「あぁ、ルナ……さん、ね」
苗字で呼ばれるのが嫌いなタイプだろうか。
葉山さんはまだ何か気に入らない様子だったが、まぁ仕方ないかという表情になって鞄を拾った。
「喧嘩、したんだってね」
「そうだね」
目立つほどではないが、僕の顔はちょっとした腫れと、擦り傷が少しあった。
「私、喧嘩は嫌いだな」
「僕も、嫌いだな」
そう言うと、葉山さんは不思議そうな物でも見るような顔を僕に向けた。

目的地も同じなので、僕と葉山さんは適当な雑談を交わしながら並んで歩き出した。
葉山さんは金髪のロングヘアーで、スカートは絶妙に短く、学校指定のブレザーは着ずに、やけに裾の長いセーターを羽織っていた。
どうしてそういう格好をするのか、と訊いたら、デフォルトの制服はあまりにクソダサいのでとても着れたもんじゃない、と答えた。
ともあれ、スカートが短いことは良いことだ。と僕は思った。

そうこうしている間に学校に付いた。教室に入ると、僕は瞬く間に取り囲まれた。転校初日の話が広まっているらしい。
そんな僕を尻目に、葉山さんは人込みの中をスルスルと泳ぐように自分の席へ行ってしまった。
取り囲んだクラスメイトたちは、皆が同時に喋るのでよく聞き取れないが、大方はよくやったと称えてくれているようだった。
その一方で、リーゼントの門倉君は不機嫌そうにしていた。
「なんじゃ……ワシのおらんうちに面白いことやりおって」
席に着くと、隣からそんな声が聞こえた。
「門倉君が帰っちゃってたんでしょうが」
僕は苦笑しながらそう言い返した。
転校初日に聞いたことだが、門倉君は遅刻早退欠席が多いが、学年で一番頭が良いという。
授業のレベルが低すぎてやってられん、というのが理由だそうだ。人は見かけによらない。

授業が始まる少し前、見知らぬ生徒が教室に入ってきた。
注目を浴びる中、僕の方へ歩み寄ってくると、僕の机の上に一枚の封筒を置いた。
「鎌瀬からじゃ」
「鎌瀬?」
「お前が殴り倒したやつじゃ」
「あぁ……」
そんな名前だったのか、と思いながら中の手紙を読み進めていく。
放課後……校舎裏……これは世に聞く果たし状、流石は田舎町、なんと古風な。
すると後ろから肩にポンと手を置かれた。
ふり返るとそこには、何とも形容しがたい門倉君の笑顔があった。


「葉山は、いつも一人だね。仲のいい友達とかいないのかな」
授業の合間の休み時間、高橋にそう尋ねてみた。
「あぁ、葉山はフリーだからね、女子の間で力関係が弱いんだよ」
「どういうこと?」
「この学校には、ちょっと変わった風習があるんだ」

高橋が言う風習とは、このようなものだった。
互いに気に食わないと思っている女子同士が争うとき、
それぞれの男を代理に立て、喧嘩で決着をつける。通称スタンド・バトルと言う。
「最低だ」
女同士で殴り合えばいいだろうに。
「まぁ……とにかくそういうのがあるんだよ。もめごとになったら最終的にはスタンド・バトルになる。
ということはつまり、より強いスタンドを持っているほど自分の意見を通しやすい」
「そして、仲良くしておけば都合がいいと周りからご機嫌取りをされる。かたやスタンドのいない女子は……というわけか」
どうにも気に食わない。喧嘩で決着というのもさることながら、その勝敗に関わらず自分達は傷つかないというシステムが。
「葉山は、この風習が嫌いでスタンドを作らないって話だね、噂だけど」
「……スタンドは、付き合ってる男でないといけないのか?」
ふと気になった。この風習で有利に進めたいならば、女子は恋人を喧嘩の強さだけで選ぶことになる。
「いや、明確に定められてるわけじゃないけど、ほとんどがそうなっているね。
中には恋人とスタンドを別々に持っている女子もいるけど、男側としてはそれはとても不名誉なことだから、片方だけとなると男のほうが断る」
喧嘩は強いけど付き合うには値しない男と、自分の女も守れない男、というわけだ。
「ふぅん、なるほど」


放課後になった。果たし状のことはずっと考えていたが、僕は行くことにした。
逃げたところで遺恨がなくなるわけでもない。同じ学校にいる限り向こうはいつでも突っかかってこれる。
これで気が済むのなら、受けて立つのが一番簡単だと思った。
なにより、この程度の困難から逃げているようじゃ東大合格なんて夢のまた夢である。

指定された校舎裏に向かうと、門倉君と舎弟たちが、教室から持ち出したと思われる机を並べ、その前に多くの生徒達が群がっている。
明らかに賭けをしている。並んだ人々がお金を出し、引き換えに勝者予想と賭け金の書かれたカードを渡していた。
しかし、いささか規模が大きすぎるようにも思える。ちょっとしたお祭り騒ぎだ。
こんなおおっぴらにやったら学校サイドにバレるんじゃないか、と思ったら教師陣も当然のように並んでいる。これは学校公認と見ていいのだろうか。
僕に気付くと、担任の女教師が近付いてきて、僕の手を両手で握った。
「集塵君、がんばって、あなたにかかってるのよ!」
賭かってるんでしょうね、結構な金額が。
列を見ると、スキンヘッドがこちらに顔を向け、白い歯をキラリと光らせながら親指を突き立てていた。

「よし、締め切りじゃ!最終オッズは集塵1.5倍、鎌瀬2.25倍じゃあ!」
門倉君の声が響いた。
先日、僕が勝ったことが知れ渡ってるのか、僕の方が人気となっているようだ。

その場で聞いたことによると、これは公式戦のような形となり、審判がいる、これ以降の再戦を禁ずるなどの決まりがつくとのことだった。
ありがたい、と思ったのは再戦の禁止という項目だ。これからもずっと付け狙われたんじゃたまらない。
勝負のルールは、素手であることとサシであることの二つというシンプルなものだった。審判は適当に頃合を見てストップさせるだけのものらしい。


審判役が開戦の合図をする。
鎌瀬は、いかにもにわかボクシングといった構えで、シャドーボクシングの真似事をしながら近付いてきた。
僕は自分にひとつのルールを決めた。
こちらから手を出すことはしない。必ず一撃もらってから反撃に出る。
鎌瀬の右拳がぼくの頬を捉えた。観客から怒号のような歓声があがる。

転校初日でわかったことがある、こいつは、弱い。
僕は右手を握り締め、大きく一歩踏み出した。


鎌瀬に馬乗りになっていた僕を審判が引き剥がした。
荒く息をつきながら立ち上がると、門倉君が僕の右手を上げた。勝負ありということらしい。
「ようやったの!オノレが勝つと信じとったぞ!今日はワシのオゴリじゃあ!」
門倉君は豪快な笑みを見せ、周囲に聞こえるような大声で言った。
するとクラスメイトたちが喜びの声をあげ、門倉コールが巻き起こった。
「最終オッズは1.5倍と2.25倍、どちらが勝っても1割が胴元の収益ですね」
息を整えながらそう言うと、門倉君のこめかみから一滴の汗が流れた。
「なんのことじゃ……」
「良心的だと思いますよ、比較的」
公営ギャンブルや宝くじと比べれば遥かに割がいい。
とはいえ、日常的に行われていれば結構な収入になるはずだ。今日はお言葉に甘えて奢ってもらうとしよう。

ふと群集を見渡すと、心配そうにこちらを見ていた葉山さんと目が合った。
と思ったのもほんの一瞬で、彼女はすぐに顔をそむけ、走り去ってしまった。
喧嘩が嫌いだと言ってたっけな。
門倉君が開いてくれた祝勝会はクラスのほとんどの生徒が参加していたが、その中に葉山さんの姿はなかった。
今ひとつ晴れない気分のまま帰宅した僕は、軽くシャワーを浴び、早々に床についた。


その日僕は夢を見た。
緑の生い茂る公園で子供の頭をなでる女の子、守護霊のようにそばに立つ自分。
その後ろでは、目の前に札束を積み上げた門倉君が必死に電卓を叩いていた。


112 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:05:06.98 ID:Z62qXIWh0 [5/30]
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1020406.txt
やっと書けた……
お題の 星空 四季 少女 のうちの星空を入れるためにこんなに長くなってしまった
正直、中身からっぽだけど読んで批評とかくれると俺がうれしい

【お題】星空 季節 少女
【題名】あいにくる四季天文部

 日本の四季は? と問われると、大抵の人は変化に富んで美しい、風流だと答える。
まれに、「春と夏と秋と冬です!」と答える子もいるが、それは彼女の愛嬌だということで。
とにかく、四季は四つの季節。特に日本のものはそれぞれが様々な顔を持ち、過ぎゆく年月を美しく飾り立てる。
ただ僕は、実際のところ『日本の四季』とはどういったものかというのは知らない。単に彼女達から伝え聞いて、そういう物だと知っているに過ぎない。
そう。僕は四季の変化を体で感じ取ることができない。
最高気温が摂氏三十度だろうと零度だろうと、暑くも寒くもない。世間が桜の花見にてんやわんやでも、僕は桜の花の色すら知らない。なぜなら桜の花は、僕の視界の中では咲いてくれないから。他の人には咲いているように見えても、僕にはそうは見えない。もりもりと葉っぱをつけた木がそこにあるだけ。この木なんの木、なわけだ。
ここのところの説明は、僕の知人だって理解していないから、分からなくてもいい。ちょっとした特異体質であって、とりたてて気にすることでもない。
問題はここからだ。
さて、こんな特異体質を持つ僕でも、日常生活にはあまり支障がなくて、すんなり高校生になるまで生きてきた。
けれども、高校生になった途端だ。入学式のその日だ。ついに僕の特異体質は、平穏な日常生活にすら、その魔手を伸ばしてきた。
「あの、春です」
「そうらしいですね」
「いえ、そうではなくて。春なんです」
「知っていますよ。四月は春。僕も高校生ですから」
「ですから、私が春なんです! 春夏秋冬の春! 三月にやってくる!」
 踏み込んではいけない領域だった。自らを『四季の』春だと言い張る少女。確かに僕は四季が見たかった。けれどもまさか、こんな幻影を作り出して四季を見た気になろうとは。我ながら浅ましい。
「そうか、君が春なんですね」
「はい! 季無(きなし)さんに会いに来ました!」
 なるほど、初々しい話しぶり。綺麗な制服に、かすかに紅潮する頬。どことなく僕のイメージする春っぽいかもしれない。
「そうですか、春さん。会えて嬉しいです」
 とりあえず話を合わせてみる。春の着ていた制服は、僕が今日から通い始める、私立星ノ丘高校のものだ。おまけに新品と見える。つまり彼女も、ちょっと疑わしいが僕と同じ立場――今日からこの高校に通う仲間だということだ。
「春さんは」
「春でいいですよ。それから、『私の仲間』も呼び捨てでいいですから」
「……春は、幻影なの?」
 聞き捨てならないワードが飛び出したが、やっぱり一旦聞き捨てておく。
「いえ、私は現実ですよ。えっと……触ってみますか?」
「それはいいや。流石に気安いし。そんなことより、ほら。クラス分けが掲示されてる」
「あっ、本当ですね!」
 言葉巧みに彼女の意識をクラス分けのほうに向けて、周囲の様子を探る。
 どうやら、僕に注目している者はいないようだ。となると、春はちゃんとそこに存在していて、僕は空気に話しかけてなんかいないということになる。つまり、僕は正常だ。
 ――安心した。
「あっ、季無さん! 私たち、おんなじクラスですよ! 夏も秋も冬も一緒です!」
「そうなんだ。僕はその人たち、知らないんだけどね」
「みんな良い人達ですよー。後で紹介しますね」
「そうか、よろしく頼むよ」
 僕はふと、そばに立っていた木を見上げてみる。やっぱり、誰も知らない木だ。もりもりと葉っぱの生い茂る、漠然とした『木』。木に属する物体だとは分かるが、それ以上は何も分からない。
「季無さん、では行きましょう」
 と、春が僕の手を取った。その瞬間、目の前がぱっと明るくなった。何かが、春の手から僕の手へ。そして僕の全身へと、走ってくる。
春だ――春が僕に会いにきた。
 見たこともない、甘く淡いピンク色。視界はパステルカラーで一杯になり、花弁の匂いが鼻腔をくすぐる。僕が漠然と想像していたよりも、春はずっと美しくて、和やかで、楽しかった。
「季無さん?」
 春の声がする。
「……泣いているんですか?」
「そうかもしれない。……ごめん、もう行こうか」
「季無さんの気が済むまで、私は待ちますよ?」
「大丈夫だよ、春。君が会いに来てくれたんだから」
 春は、一瞬だけ不思議そうな顔をしたが、
「……はいっ」
 僕の言葉の意味を解したか、輝くような笑顔になった。
 桜の花びらが舞う。
「さて、行こうか。結局、僕らは何組なんだ?」
「あ、四組でしたよ。階は二階のはずです」
「そっか。じゃあ、早速行こう」
 あふれ出る喜びからか、僕はつい走り出そうとした。
「あっと! その前に……季無さん、ちょっとお時間よろしいですか?」
 しかし、春が僕の手を掴んでいた。ぐいっと腕を引っ張られ、肩が抜けそうになった。見かけによらず、春は意外と力があるらしい。
「な、何?」
「夏たちに会ってもらえませんか? あの、まだホームルームまで時間もありますし」
「……だから今、教室に行って会いに行くんじゃないの?」
 さっき春は、夏も秋も冬も同じクラスだと言っていた。ならば教室に行けば、順当に会えることになるはずだが。
「いえ、夏たちは教室に来れないんです。なにしろ、今は春なので」
「……そういうものなの?」
 この人たち、どうやってここを卒業するつもりなんだろう。などという、瑣末な疑問は脇に置いといて。
「はい。あの、それで……」
「会うよ、ぜひ会いたい。その人たちも、季節なんでしょ?」
 僕の失くした季節がそこにいるというのなら、会いに行かない手はない。
「ありがとうございます! では、ちょっと春風になりますから……しっかり手を握って、目を閉じていてくださいね」
「ああ、わかった」
 それにしても、突如として春風になる少女を目撃してしまった、僕と同じく今日から高校生の面々は、どのような感想を抱くのだろう。それが気になって、僕はちょっと薄眼を開いた。
 とかいうのはたぶん、ウソか口実か方便か、そういう奴だったのだろう。何故なら僕は、足元から巻き起こった風に脊髄反射して、春の腰の辺りしか見ていなかったのだから。
(桜色だな……)
 先刻のような強い感動であった。それでいて全く低次元な感動に打ち震えていると、いつの間にか周囲の様子が変わっていた。
「……屋上?」
 速い風が抜ける。横からの風は、春の匂いをダイレクトに運んできた。
「……なんか、変な小屋があるけど」
 僕はサーカスのテントのような形をしたそれを指差す。
「あれが天文部の部室ですよ。夏たちはあそこにいます」
「天文部?」
 入学式も済まないうちに、もう部活に入っているのか。四季の方々は結構な学園生活を送っているらしい。
「行きましょう、行きましょう」
 春が僕の背中を押した。天文部の部室だという、ドーム状の建物がずんずん近づいてくる。やっぱり、やたら力が強い。足が止まらず、ずんずん前に行ってしまう。
 仕方なく、僕はドアノブを捻った。そのままでは扉をぶち抜く危険性があった。
「みんな! 季無さん、連れてきたよ!」
 春が元気に声を張ると、中にいた三人の少女が、一斉にこっちを振り向いた。
「は……初めまして」
 そんな派手な登場をさせられると、さすがにバツが悪いというものだ。僕は少しどもってしまった。
「君が季無くんかー」
 三人のうち、最初に声を出したのは、驚異的な服装をした少女だった。フワフワの耳あて、毛糸のマフラー。モコモコの白いオーバーコートのせいで、ずいぶん体が大きく見える。
「私は冬よ。よろしくね」
「あ、はい……よろしく」
 赤い手袋と握手をして、冬の顔をうかがい見る。屈託ない笑顔だ。汗一つかいていない。
「んで、ボクは夏ね!」
 続いて、横からもう一人の少女が手を挙げた。小柄な彼女もまた、結構な服装だ。キャミソールとホットパンツでは、この時期に出歩くにしては薄着すぎる。
「夏か。よろしく」
 そして、最後の一人。ちょっとした希望のようなものを抱えて、僕は彼女の方を見た。
「わたくし、秋と申します。季無さん、よろしくお願いしますね」
 黄葉のイチョウを思わせる金色の髪。紅葉のモミジを思わせる赤い着物。秋は僕の手をきゅっと握り、美しく微笑んだ。
「あ、よろしく。ところで……ねえ、春。質問していい?」
「はい、なんでしょう?」
「なんでこの人たち、制服着ないの?」
「それは……まあ、自分の季節が来るまでは彼女達もヒマですから、自由にしたいんですよ」
 なんてフリーダムな。暇とか言ってないで一緒に授業を受けませんかと言いたかったがその勇気がない。
 彼女たちは、僕がずっと求めていた四季なのだから。余計な口出しでもして、「じゃあ帰る」なんて話になったら目も当てられない。
「それで……自由に過ごすっていう究極目的が、この天文部なわけ?」
「いやあ、違うよそれは」
 夏がとっさに否定した。
「この天文部は、季無のために作ったんだよ。季無、星を見たこと無いだろ?」
「あ……」
 確かにそうだ。星空も自然であり、季節によってその顔を変える。それゆえ、季節の変化がわからない僕には、一切の星が見えなかった。
「ですから」
 秋が説明を引き継ぐ。
「わたくしたち四季が、季無さんに星空を見せてあげようと思いまして」
「星が……見れるのか?」
 僕は今度こそ、涙をごまかせそうになかった。
「ええ。オリオン座も」
「さそり座も!」
「北斗七星もです」
「カシオペア座もですよ。みなさま、季無さんのために集まってくださったんです」
「僕のために……どうして、そんな?」
 それだけが不思議だった。
「季無くんは、いままで奪われていたものを、取り返した。それだけですよ」
「そんな幸せそうにするなって! トーゼンのケンリってやつだよ!」
 その優しさが、不思議でならなかった。
「季無さん……?」
 分からなくて、それなのに嬉しさばかりが風船のように膨らんで。僕は子供のように泣き出してしまった。
 ふと、春の日差しのような暖かさが、僕の体を包んだ。
「もう、大丈夫です」
 やさしい春の声に、僕はそっと目を閉じた。
「私たちが、会いに来ましたから」
 また胸に響く言葉を聞きながら、僕は懸命に嗚咽をこらえて、言葉を紡いだ。
「……ありがとう……」


204 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:29:07.34 ID:v6pUoO4x0 [6/7]
>>202
お?
連載化か?www

205 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:36:19.70 ID:Z62qXIWh0 [17/30]
>>202
面白いなww
ちょっと主人公のキャラが弱いけど、すいすい読めるわ



116 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 04:15:44.64 ID:9AMXSGvu0 [7/11]
いい夢見させてもらったよプロはすげえな
長編書こうとしてむちゃくちゃなった
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1020419.txt

 歌に集中しようとしても誰かの言葉が浮かんでくる。

 「お前ってさ、歌もギターも中途半端だよな。才能ねーんじゃねえの?」

 「ごめん、もうサトルくんとはつきあえない」

 「いい加減、働いたらどうだ。もう結婚した同級生だっているだろ」

 「お前の好きなようにすればいいよ、お前の人生さ」

 「一発逆転なんて無理無理、早く楽になりなよ、今じゃあネットで検索すれば簡単だぜ、楽に死ねる方法なんてのはさ」

 …わかってるさ、わかってる。

 俺はギターを乱暴にケースにしまうと、足早に歩き出した。
夏の風はみょうに生温かく不快感がまとわりついてくる、すれ違う人達はみんな楽しそうに見えて俺だけが取り残されてるみたいだ。
どこで間違ったんだろうか?
 気がつくと俺はいつもの公園に来ていた、今は俺ひとりが来るだけの公園。
昔のことばかり思い出すのは今が幸せじゃないから、どこかで聞いた台詞だ。
 ベンチに寝転びぼんやりと月を眺める。

 (ああ、もう俺は終わったんだな…)

 「もしもし」

 急に声をかけられて俺はベンチから落ちてしまった。
ゆっくりと顔を上げるとそこには銀髪の少女が立っていた。
俺が返事をする間もなく、少女が続ける。
 「よかった、この世界の人に出会えて」
そう言って俺の手とギターケースを握った。
 「すこし痛いかもしれませんが…」
 いきなり女の子に手を握られ気が動転してる俺は「はひ?」などと間抜けな声を発しつつこの世界から消えた。

 「…ないな。これでは…」
 「しかし…」
 「…から…一人で」
 体が爆発したみたいだった、ぼんやりする頭に数人の話し声が聞こえる。
 「気が付きましたか?」
 さっきの少女の声だ。
 「ふん、一生寝てても問題なかったんだがな」
 高圧的な女性の声だ。
 「しかたがない、ゲートはもう開けん、この方でいくしかないだろう」
 中年の男性の声。
 俺の下にあるのは土の地面じゃなくて屋内の床。
 「ようこそ、終末を告げる者に魅入られし世界エーダへ」

 状況を把握するのに少し手間取ったがどうやら俺は別世界へと連れてこられたらしい。
夢かと疑ったが、感覚は紛れもなく現実だ。
 終末を告げるものってのが世界を滅ぼすらしいので、それを阻止するために他の世界の人間を呼んでこようって呼ばれたのが俺だったみたいだ。
他の世界の人間がエーダにくると特殊な力が使えるようになるらしい。300年前はそれで世界を救ったとか。
 しかし、
 「しかしだ、サトル」
 中年の男性、この作戦の指揮官ガルドは神妙な顔で続ける。
 「君の魔力はあまりにも小さすぎる」
 この世界の人々はそれぞれ体内に魔力を宿している、魔力が大きいければ大きいほど強い魔法を使うことができる。
他の世界からエーダにやってきた人間は尋常じゃない程の魔力を有してるのが普通だった。その強大な魔力で世界を救ってきた。
 (この世界でも俺は何も持ってないのか…)
 「君を帰したいところだが、もうゲートを開くことはできない、終末を告げるものを倒さない限り」
 「…どうでもいいですよ、俺は何もないですから」
 俺は吐き捨てるようにつぶやいた。
 「どうしてそんなこと言うの?」
 銀髪の少女、フリーゼは悲しそうな目で俺を見つめた。
 そのまなざしがあの子に似ていて胸が苦しくなった。
 「誰もテメエなんかアテにしてねーよ」
 高圧的な女性、アマンダはそう言って背を向けて歩き出した。
 「アマンダ、どこへいく?」
 「剣の稽古にきまってんだろ、フリーゼとあたしだけで十分さ」
 アマンダが出て行き重たい空気が場を支配する。
 「サトル、君には部屋を用意してある。今後のことは明日考えよう」

 俺はフリーゼに部屋へと案内された。
 「サトル…何があったのかは知らないけど、何もないなんて言っちゃ駄目だよ。私とアマンダで終末を告げるものを倒したら元の世界に帰れるから、頑張って精一杯生きてよ」
 「…うん」
 生返事しか返せない。
 「ところで、それ何?」
 ギターケースを指差すフリーゼ。
 「これ?ギターだよ。こっちの世界にも似たような楽器あるのかな」
 「ギター?楽器?」
 俺はどう説明していいかわからずケースを開けてギターを取り出した。
フリーゼは興味津々で俺を見つめている。
 「これがギターなんだけど…」
 「へー、どうやって使うの?」
 「えーと、とりあえずチューニングしてっと」
 俺はチューニングを済ませると有名なギターインストゥルメンタルの「禁じられた遊び」を弾き始めた。
あんまり得意じゃないがそれなりに練習した曲でもあるので滑らかに指が動く。
 弾き終えるとフリーゼが目を輝かせながら拍手をした。
 「すごーい、すごい綺麗な音だね」
 「こっちにはこういう楽器ってないのかな?」
 「楽器っていうのは初めて聞いた言葉だね、みんな歌は歌うんだけど」

 


145 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 07:38:17.87 ID:MusgXLNn0 [20/26]
時間かかったけど>>68を書いてみた
お題というわけではないんだけど、読んでみてください。短編です。
何か改善点などあったら指摘いただけるとうれしいです
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1020536.txt

これから死のうとしている男がいた。

顔面そこかしこに刻まれた皺も、使い古された金だわしのように薄くちぢれた白髪も妻に洗濯されることもなくなったシャツも、何もかもが

くたびれ果てている。

老人はそう思った。そんな自分自身を冷めた心地で見つめていた。

場所はアパートメントの一室。朽ちかけのレンガ造りに蔦植物ががっちりと張り付いたような、このあたりで一番家賃の低い建物だ。自室だ。

ずっとひとりきりで時間と顔の皺だけを重ねてきた――。

妻は早くに先立ち、息子は女と家を出た。当時の自分にはどうしても女を認めることができなかったのだ。

老人の目の前のテーブルには、ささやかな大きさの酒の瓶と、それを注いだグラスがふたつ。

ひとつは自分の分。もうひとつは、妻の分だ。

毒も入っている。毒は路地裏でヤクザに憧れているような子供から買い取った。これが老人の全財産だった。

こうやって死のうと決めていた。

毎度毎度と同じカルテを書かせた場末医者には、最後には死因の欄に、こう記させてやるのがいいと思ったのだ。酒と毒。

あとは簡単な遺書でもあればいいだろう。それで身寄りもなく金も悲しむ人間もないどうしようもない老人の遺体は、さっと片付けられ、また次のみじめな住人を待つのだ。

そんなときだった。

老人の前に、もうひとりの男が現れた。顔を目だし帽で隠してはいたが、それほど歳を取っていない男だ。そして、老人に知り合いなどいない。

若い男はゴルフクラブを持っていた。強盗。老人は、ああ、そんなことをしなくても、あと十分は遅く来てくれていたならよかったのにと思い

ながら、男がゴルフ棒を振りかぶる様を見つめた。



老人は完全に意識を失いはしなかったが、身動きも声を出すこともできなくなっていた。

朦朧とする中、足を引きずられていると分かった。そこにもうひとつの別の男の声がする。

だれかいたか?

ああ、爺さんひとりだけさ。それより、そっちはどうだ?

今開けるさ……よっと。はっは、ほら見ろ! あったぞ!

老人には理解できなかった。彼らはなにをしている?

ひとしきり歓声をあげたあとに、男たちはテーブルの上の酒に気がつき、老人に感謝の言葉を送り、祝杯をあげようと言い出した。

ああ、待ってくれ。

どうせなら、とどめをさしてからにしてくれないだろうか。

うめき声のひとつでもあげて気がついてもらおうと力をこめたところで。食べ物を詰まらせたような咳をひとつづつして、男たちは、静かになってしまった。

しばらくして『運の悪いことに』動けるようになった老人が見たのは、こじ開けられた床板と、ひと抱えほどもある皮袋に詰められた紙幣の束が

五つほど。まっとうな金では決してありえない。

そして、血の紅が混じった嘔吐物の中に倒れたふたりの中年男――。

お、おお……なんてことだ。神様。神様。なんてことだ。リオ……。

老人は神様、神様、なぜ、なぜ、と繰り返した。

杯を交わそうとした男たちは目だし棒を取っていた。そのうちのひとりは、老人の息子だった。

なぜ、なぜ、幸せな家庭を築いていたんじゃないのか、神様、なぜ。

老人は涙を流し続けた。

このまま死ぬまで泣き続けていよう。そう思った。

「もういいよ、マリアベル。ここまでにしておこう」

「分かった」



そして老人は目を覚ました。

先ほどまでとまったく変わりないはずなのに、まるで地獄の阿鼻叫喚から抜け出したのかと思えるほどに、老人には静寂が痛々しく感じられた。

老人はたしかに涙を流していたが、そこには、もう、死体も、皮袋の姿もなくなっていた。

まるで入れ替わりといったように老人の前には、強盗よりもさらに若いが白髪である男と、その男から肩に手を置かれる形で、小さな少女がたたずんでいた。

「いかがでしたか、ミスター?」

「そんなことはどうでもいい! あんた……俺にあんなものを見せて何のつもりだ!」

つかみかかられた男は腕力で簡単に老人を諌めると、スーツの襟元を正す動作で、心外であることを告げた。

「とんでもないことですよ、ミスター。マリアベルは、あなたが私に依頼した通りのものをお見せしただけなのです」

「あんなものが、あんなものが、俺の……」

「そう――あれが、あなたの未来です」

老人は、死のうと思っていた。

死ぬ前に、死んだ後の自分の、ほんの少しだけの結末を覗いてみたいと思ったのだ。

そう思いついたきっかけが、この、親子とも兄妹ともつかない奇妙なふたり組だった。

酒の入った袋を片手に自室に戻る途中の通りに、生気にあふれた金の髪が揺れなければまるで置物であるかのようにたたずむ少女。少女を見守るように背後で

微小を浮かべる青年。

無表情な娘が持つスケッチブックに、こう記されていたのだ。

『未来、見せます』

と。

「そんな……そんな。ああ、リオ。お前たちは悪魔だ。でたらめを見せて俺をカモったんだろう、ああ……」

「依頼料。もらってない」

マリアベルと呼ばれた少女の短い指摘は届かなかった。老人は再びくずおれて、むせびはじめた。

取り出した懐中時計を見つめていた青年はわざとらしく、心底困った、という表情を作ると、両手を打ち合わせてこう提案した。

「あー……ミスター? それではこういうのはどうでしょう。こうしましょう!」

次にかがみこんで返事も待たずに手をかけたのは、床板だった。

「アリス、何しているの?」

「マリアベルは危ないから下がって――ふん! ぐぐぐぐぐぐ」

床板が外れ、アリスというらしい青年はひっくり返った。

老人は眼を見開いた。青年の無様にではない。

「こ、こいつは……」

「札束」

老人が先ほどの不思議なヴィジョンの中で見たものに間違いがない、紙幣が詰まった皮袋が、床下に掘られた空洞には収められていた。

青年は言葉も出せずにいる老人を素通りすると、皮袋の中から紙幣を、誰が見ても適当としか言えなさそうな手つきでつかみ取った。

「ふう、やれやれ……。ミスター、私たちはこの中からこの通り、依頼された分だけいただいてゆきましょう。どのみち、踏み倒してお死になさるつもりだったんでしょう?」

「泥棒」

「そうだね、マリアベル。さて、ミスター。実はもうすぐ、あなたに先ほどお見せした未来映像の時刻がやってきます。あなたはこれからこのお金を『半分ほど持って』、警察

に向かうといいでしょう。今まさに強盗がやってきていて、自分の部屋を家捜ししている、とでもね」

「なんだと」

「息子さんは捕まってしまうでしょうが、息子さんには、そのまた娘さんがいらっしゃる」

もう一度老人は、なんだと、とつぶやいた。

「マリアベルは未来の映像の中の人物からも未来を読み取ることができるんですよ。正確には『読み取ってしまう』ですが。あ、今の情報の追加料金はこれだけいただいておき

ましょう」

「詐欺」

「そんなことはないよ、マリアベル。さてミスター。私たちは与えた未来映像の時刻現場には立ち会えない……最終的な判断は、あなたにお任せいたしましょう」

「俺は……」

「いこうか、マリアベル」

「そうする」

慇懃な一礼ののちに青年たちが立ち去っても、老人は、俺は、とつぶやき続けた。

やがて老人もその場から立ち去り、そして二度と戻ってくることはなかった。

家賃はしっかりと支払われ、部屋は次なる住人を待つ日々を送りはじめる。



「でもね、マリアベル。物語はきっと、これから先、十何年も、何十年も続くことになるんだよ。そこに僕らが立ち会うことがないだけでね」

鎖を指に引っかけて青年は、懐中時計をくるくると回していた。

まるでコメディ映画の登場人物のように。巡る秒針のように、くるくる。くるくると。

道すがらの先を歩く少女の、人形のような振る舞いとの温度差が、通りすぎる人々をときおり振り向かせる。そんなワンシーンだった。

「アリスは、どうして『これ』を始めたの?」

「もちろん! それが僕の罪滅ぼしだからさ」

たくさんの悲劇や喜劇を君に見せてあげて、君の悲劇を塗りつぶしてあげたいんだよ。

と青年は言った。

「そうして君の中で眠ってしまった不思議の少女が、不思議に飽きてしまうまで旅を続けよう。そうして君は大人になってゆくといい。ロンドンに飽きたらパリにいこう。

パリに飽きたらナポリがいい。その次は日本かな?」

「そのうちのいくつかの悲しいお話を、そうでないものに塗り替えながら?」

私が無限の未来を見つめても、絶望しなくてすむように?

「その通りだよ、マリアベル。僕が連れ込んでしまったふたり目の不思議の少女――未来と引き換えに、歳を取れなくなってしまったマリアベル」

では、いこうか、と。

青年は少女の後ろで静かに礼をした。

「そうする」

どこからか鐘の音が届いた。秋の葉が舞い、鳥が飛び立つ。

針は巡り続け。

少女と青年の話は巡り続ける。




147 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 08:36:01.02 ID:Xf8YZ+gb0 [4/13]
もう、どうしてこうなったのか俺にもわからないまりに長くなりすぎたんで、見るのは本当暇な人だけにしてくれ

お題: 双子 ギャンブル

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1020585.txt

 その双子はとても美しいことで有名であった。
 誰もいないずっと山奥、お城かと見違えるような鮮麗で巨大な洋館。
 そんな洋館にその双子は住んでいる。
 山の麓の村では、ときおり訪れる旅人や酒のつまみに、その双子の噂話が語られていた。

 ****
 
 それは轟々と雨の降る、夕焼けの時刻のこと。
 山に迷い込んだ行商人が、偶然見つけた洋館の入り口に立ち、助けを求めて何度かその扉を大きく叩いていた。
 扉の内側から鍵が外れる音がしたのを確認して、ピタリと行商人は扉を叩く手を止める。
 そして独特の軋む音を発しながら、扉は外側に開かれた。
 開かれた扉から顔を出したのは、燕尾服を着た重厚な機械人形であった。
 ほう、こんな山奥にも機械人形が居るのか、と多少驚きながらも、行商人はその機械人形に事情を説明をする。
 自分が山奥に迷い込んでしまった行商人であること、急に雨が降り出して困っていたら、たまたまこの洋館を見つけたこと。
 最後に、雨宿り代わりに一晩ここに泊めてくれないかと頼み込んだ。
 機械人形は行商人が説明し終えるのを待って、少し待ってくれというジェスチャーをした後、エントランスに伸びる巨大な階段を上って行った。
 あの機械人形に少し違和感を覚えたが、行商人はとりあえず屋敷に人らしき物がいたことに安堵する。
 それから行商人は入り口の前で、荷物入れから取り出した布を使って濡れた体を拭きながら、機械人形が戻ってくるのを待っていた。

 そうして少しの時間が過ぎ、エントランスの階段の上から一人の若い女性が現れる。
 真っ白い気品なドレスに、黒い長髪、透き通った肌に、ガラス細工のような鮮明な目。
 その高名な職人が作り上げた人形のような女性に、行商人はぽかんと口をあけたまま、しばし見惚れていた。
「行商人のお方ですね? 話は伺いました。さぞかし外はつらかったでしょう。どうぞ中へお入りください」
 先に声を放った女性に、行商人は我を取り戻す。
 そして女性に案内されるまま、エントランスに足を踏み入れた。
「いやあ、こんな山奥にこれほどまでに美しい貴婦人が住んでいるなんて驚きました」
 行商人は正直な感想をそのまま伝える。
 そして感想を伝えた後、行商人は深々と頭を下げ、丁寧に言い尽くせないほどの感謝の気持ちを述べた。
「十分に気持ちは伝わりました。どうかお顔を上げてください」
 言われるままに上げた行商人の顔の前には、ゆったりと微笑む女性の姿があった。
「私たちも、あまり人の訪れないこの洋館で退屈していたところなんです。行商人とあれば様々な旅のお話ができますでしょう?」
「それはもちろん。その手の話でしたら、絶対に退屈させない自信はありますよ」
 女性が退屈しのぎのために洋館に招き入れたのだと気づき、行商人は胸をはって答える。
「ところで『私たち』というのは……?」
「ええ、ここの洋館には私と妹の二人で住んでいるのです。妹と言っても双子ですので、歳の違いはないんですけどね」
「ほう……」
 双子の妹、つまりはこの女性と同じように美しい方であるのだろう。
 それを想像して、行商人は小さく感嘆の声を漏らした。
「それでは旅のお方、ここでの立ち話もなんですから、ひとまず部屋へと案内させましょう」
 そう言って女性は先程の機械人形を呼び、客室に案内させるよう命じた。
「とりあえずは部屋で疲れをとってください。私も妹も、夕食の席でのあなたのお話を楽しみに待っていますので……」

 行商人は機械人形に案内されるまま、一階に伸びた廊下の奥の一室にたどり着いた。
 機械人形は丁寧に扉を開き、中に入るよう促す。
 少し違和感を感じながらも、行商人が部屋の中に足を入れると、暗かった部屋は一瞬にして昼間のように明るくなった。
 それを確認して機械人形は静かに扉を閉め、そそくさと廊下を戻っていった。
 荷物を部屋の端、開いたスペースにどかりと置いて、行商人は今一度その広い部屋の中を見渡す。
 壁にかかった風景画、精巧に作られた花瓶、綺麗に塗装された丸テーブル、気品な装飾をあしらった柔軟なベット。
 それらは誰が見ても、一目で高価なものだと分る。
 しかも行商人が入った途端、部屋には明かりが点った。
 つまりはそれなりの魔法がこの部屋には施してあるということだ。
 客室にこれほどの高価なものをおいたり、魔法を施すなんてのはまず、値の張る宿でもありえない。
 はじめ洋館を見つけたとき、ただの廃れた貴族の屋敷だろうと感じていた行商人は、その考えを改めなければならなかった。
 機械人形が入り口で顔を出した時もそうであった。
 機械人形とは、機械でできた体を持ち、その体に刻み込まれた魔法陣によって半永久的に動く人形。
 市場に出回ることは無く、お金持ちが技術者を集め、自らの魔力によって魔法陣を刻みこんで作る。
 半ば道楽的な要素の多い人形である。
 そんな人形がいるということは、この家はそれなりの財力を持ち合わせているということ。
 このような要素から、廃れた貴族ではなく、現役の貴族であると、行商人は判断し直さざるを得なかった。
 ふう、と息を吐き、行商人はベッドの上に倒れこむ。
 そしてシミひとつない真っ白な天井を見つめながら、先程のことを思い返す。
 人形のような美しい女性。
 その女性の妹。
 夕食の席で話すことになるであろう旅の話。
 現役の貴族の家に泊めていただけることになったのは、とてつもない幸運な出来事であった。
 女性たちに気に入れられれば、あとあと高額な取引を行うことができる。
 だから食事の席での話はとても重要なことであるのだと、行商人は頭では分かっていた。
 ただそれ以上に、女性のゆったりと微笑む姿が目の前にちらつき、夕食の席で話す旅の内容をまとめられないでいた。

 そうして意味もなく時間は過ぎ、小さく扉を叩く音がして、行商人は時間が来たのだと覚悟を決める。
 扉を開くと案の定、機械人形がおり、食事の支度ができたのだと分かりやすいジェスチャーで示した。
 予め濡れた服から綺麗な正装に着替え直していた行商人は、そのまま機械人形の後について食堂へと向かう。
 食堂に着くと、そこには大きなテーブルがあり、大小様々、豪勢な食事が用意されていた。
 それ以上に目を惹かれるのは、奥に座る美しい二人の女性であった。
 一人は白いドレスを着た先程の女性。 
 その左隣には、黒ドレスを着、綺麗にそろった短めの黒髪で、顔が瓜二つな女性がきょとんと座っていた。
 それが先程言っていた、女性の妹であるのだろう。
 姉はゆったりと微笑んで、妹はモノ珍しくまじまじと行商人を見つめていた。
 機械人形がその双子の対面にある椅子を引き、行商人にその椅子に座るよう促した。
 椅子に座る前、もう一度行商人は丁寧に感謝の言葉を述べる。
 そして姉のほうが、どうぞお座りください、といったのを合図に行商人は椅子に座るのであった。

 夕食は行商人が想像していた以上に有意義な物となった。
 もともとしゃべることが得意だったこともあり、行商人の話す旅の内容は、誰もが興味を惹かれるものであった。
 旅を始めるキッカケとなった事件、ある街での幽霊騒動とその珍妙な結末、本では語られることのない小さな村での素敵な伝説。
 それらはいずれも旅をした者でないと知り得ない内容であり、双子はその都度様々な反応を見せていた。
 話をしていくうちに、行商人は二人の違いにも気づく。
 姉の方はさまざまな感嘆詞を発し、時折、行商人に質問して内容を掘り下げながら話を聴いていた。
 妹の方は寡黙であったものの、たまに食事に手をつけるのを忘れまじまじと聴き、その感想は表情を見ればすぐにわかるものであった。
 食事を一通り食べ終わったあとも、双子、特に妹の方にせがまれて行商人は話を続けるはめとなる。
 しかし行商人の方も、いつしか取引のことなど忘れ、自然と楽しんで話をしており、それほど苦痛になることはなかった。
 そうして一通り話を終えた頃にはだいぶ時間が過ぎていた。
「あら、もうこんな時間。あまりに面白かったのでつい時間を忘れてしまいました」
「……お姉様、この人にあの話、してみては?」
「あの話?」
「ほら、お父様の遺言のこと。この人なら何かわかるかも……?」
 行商人が話し終わったあと、双子はこのような奇妙な会話をしていた。
「どうかしたのですか?」
 行商人はたまらず双子に声を掛ける。
「ええ、外の者にこのような話をするのは無粋なことなんですけど。少々、私たちには困っていることがあるのです……」
「大丈夫ですよ、些細なことは気にしません。むしろあなた達の力になりたいですから。どうぞお話してみてください」
 行商人の言葉には嘘はなく、それは純粋な気持ちから出たものであった。
 そして双子の姉が説明しだす。
 時折、妹が補足を入れながら説明をしてくれたので、すぐにそのあらましを知ることができた。
 
 すべての発端は双子の父親にあった。
 双子の父親は大のギャンブル好きであり、そして一度もそのギャンブルで負けたことのない、奇妙なほどの幸運の持ち主であった。
 この家も装飾も家具も機械人形も、全てギャンブルで勝ったお金で手に入れたものであり、純粋な貴族ではなかったのだ。
 しかし、その膨大なお金と奇妙な幸運もあり、双子が生まれた頃には貴族と同等の権力を手に入れていたということである。
 ただ父親はとてつもない変わり者であった。
 必要なこと以外では人と会うことを拒み、このような山奥に屋敷を建て、ほとんど部屋に篭りっぱなしで、身の回りの世話は機械人形に任せていた。
 そんな父親であったため、双子はあまり父親が好きになれなかったそうだ。
 母親はまともな人間であったが、父親に付き合うことに疲れ、いつの間にか家を出ていってしまったとのこと。
 そんなある日、父親が急に倒れる事となる。
 なんとか一命は取り留めたものの、医者は一週間も持たないという判断をする。
 床で横になったまま弱りきった父親を見て、双子はなぜかしらとてもかわいそうだと思った。
 そして懸命に看病していたある夜、父親が軽く意識を取り戻してこういったそうだ。
「わたしは生涯をギャンブルと、あることの研究にかけてきた。研究はほぼ完成しているが、わたしは研究の結果を知ることができそうにない。
なので我が娘たちに研究の結果を試してもらいたいものだが、どうもわたしは死ぬ間際までギャンブル癖が治らないようだ。
最後に一つ、おまえたちがこれから言うわたしの謎を解けない方に賭けて、人生を終えるとしよう。
『双子はいつも二人で一人。冷たい心がそれを笑う。双子の最後は二人で二人。温かい心がそれを見守る』
そこには、わたしが長年研究してきたことの成果があり、おまえたちが知っている以上の莫大な財産を隠しておいた。
わたしは生涯負けたことがない。おまえらのどちらかがわたし以上の幸運を持っていれば話は別だが……」
 父親は次の日の朝、亡くなった。
 つまりはその言葉が二人に対する遺言となる。
 そして双子はその遺言を解読できないでおり、ずっとそれに悩まされているとのことである。

「『双子はいつも二人で一人。冷たい心がそれを笑う。双子の最後は二人で二人。温かい心がそれを見守る』ですか……」
 双子が話し終わった後、そこにはなんとも言えない空気が漂っていた。
「ごめんなさい。他所の人にこんな不躾な話をしてしまって」
 姉の方がそんな空気に耐えりきれなかったのか、気まずそうに謝る。
「いえいえ、本当気にしないでください。なかなかに興味深い話でしたから」
 興味深いというのは本当のことであった。
 研究の内容も気にはなるが、行商人にとってはその莫大な財産の方に多くの興味が注がれている。
「『双子』、というのはあなた達のことでしょうが、おそらく何かしらの比喩かもしれませんね」
「ええ、私たちもそうかと思って、身の回りにあるものを集めて何度か試したことがあるんです」
「お姉さまとあたし、それぞれお母様やお父様から頂いたものを集めてみたけど何もわからなかった」
 妹は姉に補足するような形で会話に割り込む。
「えっと、『冷たい心』については大方予想できますが」
「あっ、それなら私たちも分かっていますよ」
「……あの機械人形」
 妹がじっと扉近くに立っていた、例の機械人形の方を指差す。
 姉は妹に台詞を奪われたことが気に入らなかったらしく、むっとした表情で妹を睨んでいた。
「でしょうね。『冷たい心』という単語が合うものはあれ以外、他にないですし。それにあれはお父様が作ったということでしたから」
 ここまでは誰もが考えつく範囲。
 後はあの機械人形についてもっと詳しくわかればいいのだが、と行商人は考える。
「それで、あの機械人形も調べたんですか? なにか分かることがあれば教えていただきたいのですが」
「はい。今着ている燕尾服を脱がして、体中隅から隅まで調たことがあります。特に胸辺りは入念に調べたんですけど、何も変わったものはありませんでした」
 燕尾服を脱がして、機械人形の体をあちこち調べまわる姿を想像して、それがあまりにも今の姿からはかけはなれていたので、行商人は気付かれないように小さく笑う。
 それに気づいた妹は、行商人の方を見つめて、コクリと小首をかしげた。
「なるほど。ですが何かあの機械人形、ここに来た時から違和感を感じるんですよね。……なんだろうか?」
「そうなんですか? 私たちはあれ以外、機械人形は見たことないからわからないんですけど」
 行商人は、そうか、と小さく呟いた。
 機械人形は、先に説明したとおり、お金持ちの道楽である。
 お金持ちが技術者を集め、自分の為に作り上げる。
 だから一般的に知ってはいても、見たことがある者はほんの限られたものであり、その中でも複数体の機械人形を見たことがある者はごくわずかとなる。
 行商人は自らの腕によって複数人のお金持ちと契約を結んでおり、よく機械人形を通して取引をしていた。
 だから、なんとなくその違和感に気づくことができたのである。
 そして他の機械人形をゆっくりと思いだし、あの機械人形との違いを探す。
 そうして行商人は何かに気づいたらしく、ああ、と声をもらした。
「あの機械人形、表情がないんですよ」
「……表情?」
 妹が聞き返す。
「そう、表情です。他の機械人形は、彼? 同様、言葉を発することはありませんでした。それは声を作りだす技術がないからしかたのないことなんです。
けれど機械人形はその声の代わりに様々な表情をするように普通は設計されているんですよ」
「ん? どうして表情なんかが必要なんですか?」
「それは、人を不快にさせないための配慮です。機械人形というのは、主に変わって他人との接待を行う。
もし、あなたが声を発せないと知っている相手と対談したとき、相手が眉一つ動かさず、無表情のままだったらどうですか?」
「なんか、嫌」
 眉を眉間に寄せて、いかにも嫌だとわかる表情をして、妹のほうがそう答えた。
「そう。たいていの人が嫌だと感じます。だから機械人形には、人に嫌な思いをさせないよう、つまりは不快にさせないため表情があるのです」
「ああ、なるほど。納得しました」
 姉はぽんと手を打ち、妹の方は納得したように何度か首を縦に振っていた。
「それで気づいたんですが、一旦、先程の遺言に話を戻します。遺言の中には『笑う』、『見守る』というように表情に関する単語が織り込まれているんです。
そして、あの機械人形には表情がない。つまりあの機械人形に無理やりその表情をしてもらえばいいんですよ」

 行商人は思い立って、扉付近に立っている機械人形に近づいた。
 そうして一通り顔付近を調べた後、思い切って口の中に指を突っ込んだ。
 双子が声を漏らして驚くのを無視して、行商人は口の中に入れた指をおもいっきり両側に引っ張る。
 思った通り口は形を変え、誰が見ても笑っているといえる表情となった。
 『笑う』表情となったのは良いものの、しんとした虚しい空気が漂うだけで、何も起こることはなかった。
 困った表情をした行商人は、とりあえずそのまま機械人形の口を大きく開け、中を見渡す。
 そこで意外なものを発見することとなる。
 口の端、その両側に形はそれぞれ違うものの、列記とした魔法陣が刻んであったのである。
 それを見て行商人は、背筋に冷たい氷が走ったような感覚を覚え、鳥肌を立てて、小さく身震いした。
 一連の流れをあっけに取られて見ていた双子に振り返り、行商人は今ひらめいたことを話し始めた。
「あっているのかわかりませんが、大まかなことはわかりました。今この機械人形の口の中を覗き込んだら、口の内側に二つの魔法陣が刻んであったのです。
魔法陣は両側で刻んである形が違っており、おそらくそれはあなた達双子のものでしょう」
 魔力を持つものは、それぞれ固有の形をした魔法陣を持っており、その形をした魔方陣しか扱えないようになっている。
 魔法陣は物や生き物にそれを刻みこんで様々な効力を発揮させる。
 自動で発生するものもあれば、術者が触れて初めて効力を発揮するものもあるのだ。
 しかし、魔法陣を刻む際に必要となる石は希少なものであり、普段はあまり多様されることはない。
「ちょっと待ってください。あの、私たち物覚えついた頃から魔力なんてないんですけど」
「あたしたち魔法、使えない」
 そう魔力がなければ魔法陣はもつことができない。
 しかし、行商人には考えがあった。
「たぶん、それはあなた達のお父様のせいでしょう。お父様は何かしらの研究を行っていたと言っていました。それが関係してくるはずです。
おそらく幼少の頃のあなた達から、何かしら方法で魔力を取り上げたり、封印したんだと思いますが」
「あっ……」
 なにか心あたりがあるのだろう、二人は声を揃えて声を発した。
 ただここに来て一つ、行商人には気になる問題があった。
「でも、ここで一つ大きな問題があるのです。どちらの魔法陣が、あなた方のどちらに対応しているのかわからないのです。
その様子だと、あなた達も自分の魔法陣を知らないようですし。そしてお父様は大のギャンブル好きだとおっしゃっていましたよね……?」
 姉の方はもう何かに感づいたように、ゆっくりと重々しく首を縦に落とした。
「おそらくこれが本当の、お父様が最後に残したギャンブルなのでしょう。ここからは知恵はもう必要ないはずです。お父様とあなた達、どちらが幸運が強いのか、残るのはそれだけ。
あなた達がちゃんと自分に対応した魔法陣に触れないと、あなた達の負けとなり、何かしらのペナルティが下るはずです」
 目を見開いてまじまじと聞いていた妹も、行商人と目が合うと、静かに首を縦に振った。
「最悪、あなた達が死ぬことも……」
 そこまで行商人が言ううと、辺りは重苦しい沈黙に包まれた。
 無理もない。
 ここまで来て、あとは運だのみなんて馬鹿げている。
「……お姉さま、やってみましょう」
 そんな重苦しい沈黙を破ったのは、意外にも妹の方であった。
「ええ、そうね。私たちはずっとお父様に苦しめられてきた。けれど、これはある意味そんなお父様に対する報復になるかもしれません。
死ぬまで一度も負けたことのないギャンブルでお父様を負かす。あの世にいるお父様に、これほど屈辱になることはないはずです」
 姉も覚悟を決め、双子は一度お互いをやさしく抱き合った。
 そして、双子は手をつないだまま行商人と機械人形へと近づく。
「二人ともいいのですか? 行商人である僕が言うのもおかしいですが、これほどの事をしても手に入るのはお金とワケの分からない研究成果だけ。
下手をすれば死んでしまうこともあるかもしれないのに……」
 その言葉に、姉の方はゆったりと微笑んで、妹の方はしっかりとした眼差しで、行商人を見つめた。
「あなたには、本当いくら感謝しても足りません。長年の謎をようやくもう少しで解決することができるというのだから。
けれど私たちの信念は揺らぐことはありません。ようやくお父様に一矢報いることができるのですから」
「お父様を絶対に負かす」
 行商人は、説得することを諦めた。
 この双子に宿った信念は、確かなものであると、その目を見れば疑う余地もない。
 そうして双子はしっかりとお互いの手を握って機械人形の前に立つ。
 姉は人形の左手に。
 妹は人形の右手に。
 ゆっくりとタイミングを合わせて、双子は人差し指を機械人形の口へと運ぶ。
 双子の人差し指は、それぞれ機械人形の口の両端に触れて、口の中へと侵入する。
「いくよ!」
「うん!」
 その掛け声と共に、双子の人差し指はそれぞれの魔法陣へと触れた。


 一瞬にして辺りはまばゆい光に包まれた。
 双子の真横にいて様子を見ていた行商人であったが、その光のせいで視界がぼやけ双子の状況を確認できなかった。
 光はすぐに収まったが、行商人の目はまだ白く霞んでいた。
 ゆっくりとその霞が取れて、視界がはっきりとしていく。
 ――行商人の目の前には、ぎゅっと目をつぶった双子の姿があった――。
 双子はゆっくりとまぶたを開けると、相手と自分が無事であることを確認して、泣きながらお互いに抱きつき合うのだった。


 しばらくして機械人形が動き出す。
 それに気がついて、行商人と双子は急いでその後を追い始めた。
 機械人形がどこかへと向かう間に行商人は一度、機械人形の胸をさわり、あることを確認する。
 行商人が思っていたとおり、機械人形の胸の辺りは温かく熱を発していた。
 そのことを行商人は双子に説明する。
 双子が魔法陣にちゃんと触れたことにより、機械人形の胸の部分に刻まれているであろう魔法陣が発動して、熱を発していることを。
 そして、これが遺言の中にあった『温かい心』であることを。
 それから機械人形は二階の奥、綺麗に装飾された扉の部屋へと入っていった。
 姉がここはお母様の部屋であることを行商人に教え、三人は部屋の中に入る。
 機械人形はしばらく部屋の中を歩いた後、扉からからは対角の位置に設置された本棚の前で立ち止まった。
 行商人は機械人形の前に立ちその顔を確認する。
 つられて双子も、機械人形の顔を覗き込む。
 機械人形の表情は、優しい笑を含んだものに変わっていた。
 それはまさしく、母親が子供を優しく『見守る』ような、そんな笑みである。
 機械人形の瞳の先の本棚には、それぞれ双子の魔法陣が浮かび上がっていた。
『双子はいつも二人で一人。冷たい心がそれを笑う。双子の最後は二人で二人。温かい心がそれを見守る』
 口の魔法陣に触れるときは、お互いの覚悟の上、二人は一人でなければならなかった。
 しかし魔法陣の形が分かった今、二人はそれぞれ自分の確固たる信念でその魔法陣に触れることができる。
 お互いを信じ覚悟を決め、同じ壁を乗り越えた二人は、半人前からようやく一人前に成長した。
 そんな父親の粋な計らいでもあったのだろう。
 機械人形が母親のように温かく見守る中、双子はそれぞれの魔法陣に触れる。
 そして本棚はゆっくりと横へと動き、地下に向かう階段が現れるのであった。

 
 行商人が洋館の謎を解いた次の日、空は綺麗に晴れ渡っていた。
 昨日あった全てのことが、夢でのの出来事であったのかのように思われる。
 けれど朝食の席で双子と機械人形を見たとき、行商人は昨日のことが夢ではなかったのだと、改めて認識した。
 本棚の裏、地下へ伸びる隠し通路の先には、想像以上の財宝あり、それを上回る研究内容が記されていた。
 けれど、それはすべて終わったのだ。
「こんなにもらってもいいのですか? あの研究が成功していたのは確かに事故でした。
けれど、あなた方双子はこれからもっと幸せになる権利があるはずなんです。それにはお金が必要では……」
 荷物をまとめ、玄関にたった行商人に、双子はお礼にと先十年は遊んで暮らせるほどの大金を渡した。
 しかし、行商人はお金を貰うつもりは全くなかったのである。
「いえ、いいんです。私たちはおそらくこれからもここに住んでいくはずですから。そんなに多くのお金は必要ないのです」
「大丈夫、お姉様と一緒だから」
 そんな双子の言葉に、行商人は深くため息を付いた。
「わかりました、今はこのお金をもらっておきます。ですけど、今行っている取引が終わったら、また此処に来ますからね。
そしてその時はあなた達双子に、世界はとても広くて素晴らしいものだと教えてあげます」
「はい、楽しみに待ってます」
「……うん、ずっと待ってる」
 そのやりとりを皮切りに、お互いに別れの言葉を告げた後、行商人は山の麓の街を目指して歩き始める。
 双子は行商人の姿が見えなくなるまで大きく手を振っていた。


 ****

 今日もまた山の麓の村では、着いたばかりの行商人相手にいつもの噂話が語られる。

「山の奥の鮮麗で巨大な洋館には、それはそれは美しい不老不死の双子の娘が住んでいて、既に百年以上は同じ姿でいるそうだ。
それは昔、変わり者の父親が不老不死の研究をしていて、娘を実験体にしちまったからだと言われている。
しかし、双子は不老不死になった代わりに、洋館から一歩も外に出られなくなってしまった。
これはありがちな話だが、双子は洋館に迷い込んだ人を優しい言葉で招き入れ、自分たちの不老不死を解くための実験体にするらしい。
だから決して森で洋館を見かけても、近づいてはならんぞ」


185 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:08:28.41 ID:Xf8YZ+gb0 [7/13]
話題ねえ
今更ながら、だれか>>147の感想をくれたりしないだろうか
まあ、感想がないのも感想なんだろうけど…
でもやはり、気になるもんだ

187 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 17:39:29.71 ID:Ng1mbOqU0 [6/10]
>>185
力作ですしねw

うーん、感想か……文章表現に関しては問題はない。
魅力的、でもないけど普通だと思う。強いてあげつらうほどの欠点があるわけじゃない
読み進める上で邪魔にはならない。
問題点は、
①大枠のストーリーがつまらん(双子の姉妹の伝説? が続いていく……それがどーしたの?)
②エピソードの数と文章量のサイズが合致していない、処理が失敗している

特に②が気になった。エピソード数が多い割に、それが読み進めさせる推進力にならない
暗号を提示して、解いて、の流れが何ら効果をもたらさないよね。
掌編としてまとめるなら、この下りはもっと説明的でもいいだろう。それが全体を通じて言える。
もう少し俯瞰的な視点で、場面数を減らして少ない文字数で書いた方がいいかなと。
これは、個々の展開に魅力がないなら(何ら読者の予想外なことが起こらず、だらだら流れていくだけなら)
いっそ書かない方がまし、ということです。

190 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 17:54:12.91 ID:Xf8YZ+gb0 [8/13]
>>187
ありがとさん
確かに力作だが、自分でもあまりいい出来だとは思えないんだよな
そういう風に、こうしたらいいという意見をもらえると、ほんと助かる

書いていくうちに、たいぶ初期のイメージからかけ離れてしまったんだよな
初めは、プロローグとエピローグが思いつき、
噂通り旅人は死んでしまう、ホラー的なイメージで作ろうとしたんだが、
いつの間にやら機械人形や魔方陣やらが出てきてgdgdになってしまった

短編だから、勢い任せに書いてしまったが
やっぱりプロットは大切だなと思うわ

192 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 19:00:14.96 ID:Ng1mbOqU0 [9/10]
>>190
うん、ホラーっぽい雰囲気を目指してるのは、最初は感じたw
一昨日見た屍鬼のアニメ第一話を連想したりw

だったらなおさら、中途半端にミステリチックな展開はいらないんじゃないかな
暗号とその解読の部分。
(ここは書き方も中途半端。この展開のままにするとしても分量の問題で。がっつり普通の小説並の量を書くか、vip掌編と割り切って短縮するか)

それより、もっと不思議なことが起こって欲しい
この入り方で読者が期待するのは、そういう方向ではないか
ギャンブルで不敗だった男、その美人姉妹
イメージの設定はいいと思う。だが展開に活用されていないかなと

例えば、だけど、日本の狐狸譚のように、一夜明けたら屋敷も姉妹も消え失せていて
語り手だけが森の中に忽然と寝転んでいた、とか
そういう落とし方に行けば、ホラー風味にはなったような
(安直な案ですのであまり気にせずに…)

192 名前:ショウセツカシボウノオトコ ◆2InxPOkubY [] 投稿日:2010/07/11(日) 19:00:14.96 ID:Ng1mbOqU0 [9/10]
>>190
うん、ホラーっぽい雰囲気を目指してるのは、最初は感じたw
一昨日見た屍鬼のアニメ第一話を連想したりw

だったらなおさら、中途半端にミステリチックな展開はいらないんじゃないかな
暗号とその解読の部分。
(ここは書き方も中途半端。この展開のままにするとしても分量の問題で。がっつり普通の小説並の量を書くか、vip掌編と割り切って短縮するか)

それより、もっと不思議なことが起こって欲しい
この入り方で読者が期待するのは、そういう方向ではないか
ギャンブルで不敗だった男、その美人姉妹
イメージの設定はいいと思う。だが展開に活用されていないかなと

例えば、だけど、日本の狐狸譚のように、一夜明けたら屋敷も姉妹も消え失せていて
語り手だけが森の中に忽然と寝転んでいた、とか
そういう落とし方に行けば、ホラー風味にはなったような
(安直な案ですのであまり気にせずに…)

193 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:12:53.28 ID:rI2aujRJ0
>>147
始めの方、機械人形の登場以外どこかで見たパターンの場面とキャラが延々と続くから読むのが苦痛。
魔方陣のくだりも理論の説明をさせるためだけに台詞があるようで、キャラの魅力が感じられない。
あと、機械人形を表情云々の下りまでは燕尾服着たC-3POみたいに思っていて(描写少なくて)表情? ってなった。
そういう反応も期待してのことなら別にいいけど。

オチに関してはよくわからんかった。他の二人は分かってるみたいだからこれは俺の読解力不足なんだろう、ごめんなさい。
結局どっかで見たような話を平坦な文体で特徴のないキャラ達が進めていくのに長いからレスがつかなかったんじゃないかな?
辛口だけど感想おわり

194 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:50:33.79 ID:Xf8YZ+gb0 [9/13]
>>192
ミステリてか、謎解きの部分は確かに要らなかったかも
短編にするには尺が短すぎるし、あまり重要な要素でもない
ただ一番悩まされたのが、ギャンブルのお題だったからな
ギャンブル好きの父親がいた、というだけではあまりに後付けすぎるかなと感じて
なるべくギャンブルの部分が前に出るようにしようとしたのがいけなかった

一晩寝て何もなかったというのは、考えたがあまりにベタだったんで却下した
もっと不思議なことを起こすというのが、良かったかもしれない

>>193
初め、機械人形はロボットという単語にしようと思ったが
表情が絡んでいるので、あえて機械”人形”と表現して、顔があるようイメージしてもらいたかったが、わかりずらかったか

キャラと場面描画の方法は、俺の腕がまだ未熟だからしょうがねえ
お題の双子とギャンブルから、なるべくかけ離れた設定を持ってきたかったというのもある
双子、ギャンブルと聞いたら、カジノや酒場での双子を使ったかさま、というのが普通は思いつくんじゃないかなと感じたんだよな

落ちに関しては、最後の別れの部分と、噂話をよく見てもらえれば分かるかと
ただ、噂話もあからさまに嘘の部分があるように、多くの嘘の中にいくつかの真実を混ぜて
どれが真実なのかは読者の想像に任せる、というギミックにしようとしたんだが、あまりうまくいってないかも

195 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:59:16.50 ID:Z62qXIWh0 [14/30]
>>147
なんだろうなぁ……
物語にはなってるけど、面白味がないというか。創作はまだ不慣れ?
不死の時間がありながら、機械人形の口の中すら調べないということに疑問が残る。
おかしい点が多いし、>>193も言ってたけど、機械人形に関する描写がほとんどないから、俺もC-3POを想像してしまったw
あと、「食事の支度ができたのだと分かりやすいジェスチャーで示した」と機械人形の動きを表現しているけど、それは一体どんな動きなのやら全くわからない。俺の頭の中で、機械人形がわたわた慌ててたよ。
とにかく全編を通して、「文章からでは想像しにくい」。まあ、自分で読むんじゃ気付きにくいことなんだけどさ。

まあ、きちんと物語を完結させてはいるし、これから書いていけば伸びていきそうな気配もある。
辛口の上に指摘ばっかになっちゃったけど、感想以上。


180 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 15:50:49.74 ID:xaD0YLH8P
いつだったか書いたリアルタイム地震もの

 宿題を終わらせ、息抜きがてらソファに身を預けてテレビを見ていると、緊急地震速報と言う文字が画面上部にチカチカと出現した。
 どうやら東北辺りで地震が発生したらしい。震源地は福島県沖で、マグニチュードは6.6。津波の心配も無さそうだし、僕はほっと胸を撫で下ろした。
「昨日に引き続き今日もまた地震か。さすが地震大国日本ね。ま、私らには関係無いけどさ」
 僕の隣に座っていた姉貴が人事のように言った。その口調があまりにも軽かったので僕は咎めた方が良いのかと思ったが、止めた。
 彼女も大規模地震の被害者なのだ。正式名称兵庫県南部地震。両親が僕達を守ってくれなかったら姉貴も僕も助からなかったであろう天災。
 もう15年も前の出来事になるけど、あの時の恐怖は忘れない。僕はまだ幼児だったから記憶に無いけれど、姉貴は既に物心が付いていたからその目で惨状を見ていたはずなのだ。そう言う意味では僕よりも地震の怖さを知っていると言える。
 その証拠に、口調こそ軽いものの、姉貴の瞳には心配の色が浮かんでいる。心配なら声に出せば良いのに、相変わらず素直じゃない。見ず知らずの人間を心配できるのは良い所なのだけど。
「心配しなくても被害はそんなに大きくないって。日本人って地震に鈍感な節があるし元気に遊んでるんじゃないの? フィギュアが倒れたとかで嘆いてる人は居るだろうけどさ。逆に言えばその程度の被害でしょ?」
「理屈では解ってるのよ。でも、実際に見てみないと解らないじゃない。……って違うわよ! 別に私は心配とかしてる訳じゃないんだから勘違いしないでよね!?」
 ……こう言うのもツンデレって言うのか? 僕には解らない。解らないけれど、姉貴が素直になるのはまだまだ先だと言うことだけは解った。
 テレビでは芸人が寒いギャグを言っている。隣では姉貴が顔を真っ赤にして意味の成さない言葉を途切れ途切れに叫んでいる。
 僕はため息を吐くと、それらの喧騒から逃れるように家を出た。ついでに買い物でもしておこう。
 とりあえず、地震があったからおかずはコロッケに決定だ。さて他はどうしようか。
 まだ見ぬ今日の夕食を夢想しながら、僕は夕日に照らされる街中を歩く。



229 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:29:16.50 ID:i85ZMNLk0 [4/8]
描写だけなら、
「なんか重いと思って目が覚めたら、幼なじみが馬乗りになって起こしに来てた」
とかのシーンを書きくらべとかじゃね。
シーン設定を具体的にしないと発散しそう。

238 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 21:50:41.13 ID:lhyle4YW0 [3/9]
>>229 書いてみた

暑い。
何故か砂漠のど真ん中に立っていた。既に水はない。
太陽がぎらぎらと照りつける、苦しい。
一体どうしてこんなことになったのか、思い当たる節は無かった。

見渡す限り、一面の砂。
死を予感させるには条件が揃っている。ああ、ここで終わりなのだろう。
肩にかけてある一枚の毛布を、熱射を遮るようにしっかりと被った。
もはや未来はない。いっそこのまま苦しむくらいなら、鉄球に潰されて死んでしまいたい。

砂ぼこりと共に、大きな鉄球が目の前に現れた。
ああ、なんという幸運か……。思わず言葉に漏れる程に、運が良い。

当然のように、鉄球は俺に向かってのろのろと転がり出す。
いいぞ、そのままだ。
そのまま押しつぶしてくれ、楽にしてくれ!
「――押しつぶしてくれ!」
「押しつぶすって……失礼だろ!」
「はっ! 鉛のように重い……?」

強烈な平手打ちを受けたところではっきりと目が覚めた。
「いつまでうんうん唸ってるのよ! 早く支度しなさい、遅刻するわよ!」
「ああ。いつもすまない」
学校へ向かった。ちゃんちゃん

つまらん!ど素人なので内容はともかくとして
文章として有り無しか、指摘していただける場所があればお願いします。


248 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 22:31:04.53 ID:h9tyZiZJ0 [1/2]
暑い。
何故か砂漠のど真ん中に立っていた。既に水はない。 (最初は水はあったの?)
太陽がぎらぎらと照りつける、苦しい。 (最初に暑いといったけど今度は苦しいのは何故?)
一体どうしてこんなことになったのか、思い当たる節は無かった。 (何故か砂漠~の時に説明せずに間をおいたのは?)

見渡す限り、一面の砂。 (ど真ん中と被る。意図して二度描写したのでなければ不要)
死を予感させるには条件が揃っている。ああ、 (このああはどういう意図でいれたの?) ここで終わりなのだろう。
肩にかけてある一枚の毛布 (水がなくなるまで彷徨ったようだけど何でまだ持ってるの?) を、熱射を遮るようにしっかりと被った。(何で今更?)
もはや未来はない。 (くどいいらない) いっそこのまま苦しむくらいなら、鉄球に潰されて死んでしまいたい。

砂ぼこりと共に、大きな鉄球が目の前に現れた。 (転がってきたの? 音がしたの? 毛布被ってたんじゃないの?)
ああ、 (このああはどういう意図?) なんという幸運か……。思わず言葉に(が)漏れる程に、運が良い。(漏れるから運が良いの?)

当然のように 何故当然なの?) 、鉄球は俺に向かってのろのろと転がり出す。
いいぞ、そのままだ。
そのまま押しつぶしてくれ、楽にしてくれ!
「――押しつぶしてくれ!」
「押しつぶすって……失礼だろ!」
「はっ! (スペースは全角が好ましい )鉛のように重い……?」

強烈な平手打ちを受けたところではっきりと目が覚めた。
「いつまでうんうん唸ってるのよ! 早く支度しなさい、遅刻するわよ!」
「ああ。いつもすまない」
学校へ向かった。ちゃんちゃん

前半部分の意味不明部分は夢の世界ということを意識して書いたなら悪くないんじゃないでしょうか。
何を書きたいのか意味不明。平手打ちをした人は女性のようですが、分かりにくいです。
前半は無意味な丁寧さがあったのに後半はあっさりしすぎ。全体的に思いつきで書いていませんか?
約物が多い。

250 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 22:44:38.48 ID:lhyle4YW0 [6/9]
>>248
前半部分は、夢の中で意識が朦朧とし、不思議な現象が起こるということを想像しました。
毛布ってのも、熱を遮る名目ですが
寝ている時にかけている布団を、現実で押し付けられているので
夢の中では、暑いといいながら更に被った。そんなイメージです。
出した割に情報も少なく、全然活かせていませんねorz
全体的に無駄な描写は多い癖に、必要な描写が抜けているってところでしょうか。
参考にさせて頂きます、ありがとうございました。

253 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 22:49:56.52 ID:PKOaplzT0 [7/8]
>>248
添削に対する横槍で申し訳ないんだが、ちょっと()内の添削の仕方が不親切だと思う
俺でも何回か読み返してようやく言いたいことを理解できたくらいだわ
明らかに初心者だと分かっている場合は、たとえ長くなってももっと丁寧に指摘してやってくれ
これで()内の言いたいことを理解できるとは思えない
添削の内容自体はおおむね、的外れということはない。ただ理解できないだけ。
俺自治厨乙なんだが、
せっかく指摘してくれてるんだから伝わらなかったらもったいないよ


256 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:55:40.14 ID:i85ZMNLk0 [5/8]
>>229

 さっきまでシベリアの大地に転がっていたハズなのに、どうも足下から暖かくなってきたような気がする。
 限界を超えると神経が変になるってやつか。
 八甲田山で突如裸になって踊り出した、なんて話を聞いたことがあるような気がする。
 ということは、俺もこれから裸になるような熱さとかかゆさを感じるのか。
 そう思って首を起こして足下の方を見ようとしたら、カナデと目があった。
 不思議そうな顔でこちらを覗き込んでくるその涼しげな目元、柔らかそうな唇、長い黒髪がこちらの方に垂れてきていて、実に魅力的だ。
 そうか、死ぬ間際には一番みたいモノが見えるって言うしなあ。
「なんかシベリアとか言ってたぞ?そうか、無意識下でシベリア送りになるような罪悪感を感じているわけだな?」
 そう、カナデはいつもこういう調子で俺の言葉を凄い結論に結びつけたあげく一切聞かずに暴走するんだよな。
「だから私がいつも言っているようにだな、まず体を鍛えて精神を引き締めることが必要なわけだ。
 いや、私はユウイチの体が引き締まっていないとはいっていないぞ?その、文系にしてはけっこうしまっていると思うし、
 いやわざとではないのだがパジャマから腹が結構締まっているのがその見るとも無しにだな」
 そうそう、説教くさいのにどっか抜けてて、今日もパジャマだなんて……パジャマ?

 そこで一発で目が覚めた。

 よく見るといつもの部屋のいつものベットの上で、いつもと違うのはカナデが自分の上にのっていて
 顔から目線を下に下げるとスカートから真っ白なふとももが覗いていて実にこうむっちりとしていて、
「おい、動くな。こそばゆいぞなんか」
 カナデの言葉で正気に返る。いや、正気のタガが若干外れかけるというかなんというかこれは非常に宜しくない。
 まったくもって宜しくない。
「いや、カナデさんなにしてんですか」
「ん?いや、起こしに来たのだが」
「普通に起こせって!いつもは竹刀で叩いたり竹刀で突いたり竹刀を投げつけたりして起こしてるだろーが!」
「いやな、剣道部に誘っても入らないおまえのことだから、竹刀は嫌なんじゃないかと思ってな」
「竹刀は嫌だが剣道部に入らない件とは関係ない!なんなんだいったい!こだいだから変だぞおまえは」
「試合でもそうだが、持てるアドバンテージは最大限に生かすべきだと昨日思い至ってだな」


266 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:13:19.42 ID:rvWpRAk70 [10/11]
>>229

重い。
腰の辺りに、まるで幼なじみの女の子が馬乗りになっているかのような重みを感じる。
昨夜は眠るのが遅かった。溜まった疲労が、このような錯覚を起こしているのだろうか。
薄く目を開くと、そこには、先程考えた通りの情景があった。
なるほど、夢か。いわゆる明晰夢というやつだ。
俺は右腕を伸ばし、幼馴染の形をしたものの後頭部に手を当て、引き寄せた。
幼馴染の形をしたものは前方に倒れこみ、横たわる俺とぴったりと重なり合った。
数拍の後、幼馴染の形をしたものは弾かれたように飛びすさり、顔を真っ赤にしてバタバタと音を立てて出ていった。
夢の中でも騒がしいやつ。
意識が遠のく、夢の中で眠いというのも不思議なものだ。

おやすみ。


271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 23:33:01.36 ID:c0BnSpgP0 [2/2]
>>229
 眠りから覚めようとしていると気づいたのは、何分前からだったろう。
 男はぼんやりと、そんな事を考えていた。
 もっと眠っていたいという思いと、目を覚ませという思いが、意識の扉を互いに押し合い、均衡を保っている。
体は重く、痺れているように動かない。俗に言う金縛りという形を取って、この喧嘩を観戦しているようだ。
 一瞬か一分か一時間か、時間の感覚もあやふやなこの静かな争いが永遠に続くかと感じた時、
何かが強力に後押しして、男の意識を覚醒させた。
 開いた瞳がぼんやりと周囲を眺め、数度瞬いた。
「……なるほど」
 普通交わされる目覚めの挨拶には相応しくない言葉が、男の口から漏れた。
 馬乗りになり、自分を睨み付けている女。
 金縛りと思っていたものの原因が、自分が覚醒した原因が、目の前にいた。


273 名前:>>229[sage] 投稿日:2010/07/11(日) 23:46:48.81 ID:XYsSCvB00 [18/18]
 目覚ましが鳴っている。うざったい。だが布団から手を出すのも億劫だ。
それをやってしまえば起きなきゃいけなくなる。それはいやだ。
どうせそのうちあいつがやってきて止めるんだ。いまはこの安寧の時間をむさぼろう。
 何かが変だ。いつもなら目覚ましの音を聞いて階段を昇ってくるあいつの足音が
聞こえてくる頃だ。今日に限ってあいつの、床板を踏み割らんばかりに勢いのある足音と、
おれの名を呼ぶ声が聞こえてこない。
 少しだけ覚醒したおれの頭はいつもより重い布団に気づいた。
おれは安寧のときに別れを告げ、その重みの正体を見た。
「おい。なんでお前が寝てるんだ。起きろ」
「ん……おはよ」
 なぜかおれの布団の上で寝ているそいつはまぶたをこすった。
「どうでもいいけど制服に皺つくぞ」
「うおっ!ちょいまち、それはイヤ!」
そいつは布団から飛び上がり制服のすそをいじいじと整えた。
「まぁ、なんだ。おはよう」
おれは目覚ましを叩いた。こんな日も悪くない。


277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:56:22.01 ID:Z62qXIWh0 [30/30]
>>229

 なにかクサいものが、さっきから鼻をついていた。目を閉じたまま、僕は眉をひそめる。
 濃い汗のにおいだ。それに、喉の奥から発せられる熱い吐息のにおいも混じっている。僕の腹の辺りを覆うように、控えめな重み。そして、胸の辺りに置かれた両手。
「……う、うーん……あみな……」
 僕は寝言を装い、そこに居るであろう幼馴染の名を呟いた。
「えっ、何ですか、ツバサさま?」
 案の定、彼女の声が胸元あたりから聞こえてくる。やけに嬉しそうなのがまた癪に障る。僕は目を剥き、彼女を睨んだ。
「重い。退け」
「あららら、そんなことを仰って。いやですわ」
「冗談じゃないんだよ。さっさと降りないか」
「ですがツバサさま。私もなんだか眠くなってまいりまして。……ああ、そういえば姫は王子の口付けで目を醒ますといいますわね……さて、それでは」
「それでは、じゃねえよ」
 降ってきた彼女の顔をなんとか押し退けて、僕は体を翻してマウントポジションを取り返した。
「まあ、女らしくないのは認めるが、王子呼ばわりはちょっとキタな。殴らせろ」
「そういう所、とても素敵です、ツバサさま……さあ、お願いします!」
 アミナはそう言って目を閉じ、軽く唇を突き出す。
 ――殴らせろっつってんのに、こいつは。
 僕はなんだかやる気が失せて、固めた右拳を枕の横に置いて、肘を曲げた。体が前のめりに傾き、彼女に覆いかぶさる。そしてもって、唇を合わせた。
「ちょっとは僕の気持ちが分かったか?」
 皮肉っぽく言おうと思ったが、僕は彼女の目を見れなかった。


279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:01:47.13 ID:UQywvXsZ0 [1/4]
>>229 
 まぶたの裏が薄明るく感じる。そして、腰のあたりにしっかりとした重みがある。
 遠いところで誰かが呼んでいる。
 よく知っている声。ミカの声。
 意識がはっきりとしてくる。
 目を開けると、期待した通り、ミカだった。仰向けになった俺の身体に、足を広げてまたがっている。
 栗色の瞳と目が合ったとたん、制服に包まれた小柄な身体がためらいなく覆い被さってきた。
 ボタンを外したブラウスから白い肌と胸の谷間がのぞく
「おっはよ……ケイちゃん」
「おは、よ。ミカ」
 俺の頭を両腕で抱きしめる。ほのかな柑橘系の匂いと共に、ミカの髪がふわりと俺の顔に落ちかかってくる。
「へへ……だめだよ……起きないと……遅刻しちゃう」
 甘ったるい声はまったく俺をとがめていない。
 俺も知っている。ミカがわざわざ、八時より早くうちに上がり込むことを。
 家を出る限界ラインは八時二十分。着替えて、飯を食う時間をいれると、ベッドの中に入られるのは八時ちょうどまでだ。
 細い腰に手を回して引き寄せつつ、ちらりと時計を見る。
 八時、十五分前。
 昨日は十分前だった。一昨日は、五分前。だんだんと、ベッドの中で過ごせる時間が長くなっている。
「おばさん達がぁ、旅行から帰って来るまで、だよ? 起こしに来てあげるのは……」
「母さんたちが帰ってきたら、もう来ないの?」
 ミカは顔を俺の額に押しつけてきて、吐息とともにささやいた。
「来て欲しい、のかな? 」
「困るな……そのうち、ほんとに遅刻しちゃいそうじゃん」
「そう、だね……昨日もぎりぎりだったし……今日こそ……遅刻しちゃう……かもね」
 俺たちの息は自然と荒くなっていた。
 もし今日間に合っても。明日は必ず遅刻することになるだろうな、と俺はほとんど確信していた。


284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/12(月) 00:14:58.15 ID:2YpfNU8D0 [1/3]
趣旨と少し違う気がするが

>>229
「ケンちゃん、もう朝よ。起きて」
 息苦しさに覚めた俺の意識が、その綺麗な声を聞き取った。
 俺は直ぐに目を開かずに、聞き慣れて尚美しいと思えるその声に耳を傾ける。叶う事なら何時までも聴き続けて、夢だか幻想だかに浸っていたい。そんなことを思わせる声。
 俺の上に乗っているのは、隣の家に住むの幼馴染だ。もう十数年来の付き合いになるだろうか。彼女は毎日、朝に弱い俺を起こしに来てくれる。
「起きてったら!」
「うぐ」
 贅沢を言うなら、その声だけで優しく起こして欲しいものだが。
 中々起きない俺が悪いと言えばそれまでだが、、馬乗りになって身体を揺すぶるなどと言う暴挙に出るようになったのはいただけない。
 いい加減限界がやってきたので、仕方なしにゆっくりと目を開ける。
 そこには七〇キロは裕に超えているだろう贅肉の塊が鎮座していた。もう一度、ゆっくりと目を閉じる。
「ケンちゃん、朝だってば。二度寝しちゃダメだよ!」
「ぐふっ。や、やめろ! 起きる、起きるから!!」
 声だけなら、理想の美少女なのになぁ。
 夢は所詮夢であり、現実とは非情なものである

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:21:51.66 ID:8wKbu2yI0 [1/6]
 数年前に死んだ飼い猫が、腹の上で香箱を組んでいた。黒い体毛を撫でると、彼女は気持ちよさそうに目を細める。どうやら俺は、夢を見ているらしい。それにしては、やけに現実感があった。
せっかく出てきてくれたのだ。目が覚めるまでの間、しばらく思い出に浸ることにする。
 適度な重みがかかった布団は、温かみを増していた。寒い夜はよく、こうやって互いに暖めあって過ごしていた。懐かしさとともに、ほんの少しだけ寂しさを感じた。名残を惜しむよう、ゆっ
くりと頭を触ってやる。
「ん?」
 不意に、妙な違和感を覚えた。今触っているものは、どうも猫ではないような気がする。毛が妙に長いのだ。それに、獣特有の柔らかさもない。そう思った瞬間、猫の体重がずんと増した。意
識が覚醒するにつれ、重みはどんどん増してゆく。どうやら現実でも、何かが自分に乗っかっているらしい。起き上がろうとするが、そのころには腹の上の何かは、かなり重たくなっていた。
 まぶたを開けると、朝日の眩しさに目がくらんだ。細めた視界に、何かの影が見える。
「おはよう」
 影の正体がわかった瞬間、俺はベッドから転げ落ちそうになった。
「なにやってんだお前!?」
 上に乗っていたのは、幼馴染だった。俺の体を挟んでひじをつき、つまらなそうな顔をして、俺をじっと見つめている。
「急に飛び起きないで。危ないじゃないの」
 互いの顔は、三十センチ程度の距離しか離れていない。幼馴染の長くつややかな黒髪が、布団の上に広がっていた。あまりの至近距離に、心臓が跳ね上がる。 
「観察。変な顔してたよ、君」
 意味がわからない。他人の寝顔など見ていて、おもしろいわけがないだろうに。
「……とりあえず起きるから、どいてくれないかな。あと着替えるから後ろ向いててくれ」
「いいわよー」
 幼馴染は俺の体から、あっさりどいてくれた。それにしたって朝っぱらから、こいつは何をやっているんだ。
「ところであなた、猫の夢見てたでしょ」
 制服に着替えている俺の背中に、幼馴染は言葉を投げかけてきた。
「あ、ああ。けど何でそれを知ってるんだ?」
「あなた、ずっと私の頭撫でてたからね。猫ー猫ーって言いながら」
 だからだったのか、撫でてて違和感があったのは。考えてみれば、髪の毛そっくりだったような気がする。気恥ずかしさで気が狂いそうになりそうで、違和感の正体に意識をそらし続けた。


296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/12(月) 01:02:29.16 ID:ZK0Qr4rU0 [1/5]
 暑い。
 一体どういう事か、気が付けば俺は砂漠のど真ん中に立っていた。思い当たる節も無い。
 太陽がぎらぎらと照りつけ、体中の水分を限界まで絞り取っていくが、持っていた水はとうに底をついている。
 地平線まで見渡したところで未だ何も見えず、未来を予感させるには十分な条件が揃っている。
 このまま苦しんで果てるのならば、いっそ鉄球にでも潰されてしまえば楽なのに。

 砂ぼこりと共に巨大な鉄球が突如として目の前に現れ、当然のように俺に向かってのろのろと転がり出す。
 まるで夢みたいに都合の良い事ばかりが起こるが、願ってもない幸運だ。
 いいぞ、そのままだ。
 そのまま押しつぶしてくれ、楽にしてくれ
「――押しつぶしてくれ!」
「押しつぶすって……失礼だろ!」
「はっ、鉛のように重い……?」
 強烈な平手打ちを受けたところで目が覚めた、なんだやはり夢か。日々繰り返される幼馴染との恒例行事は、ブラックコーヒーよりも刺激的で寝覚めが良い。
「いつまでうんうん唸ってるのよ! 早く支度しなさい、遅刻するわよ」
 花子は俺の体から脚を退かし、納得のいかない様子で睨みつけながら俺を急かす。
「ああ。いつもすまない」
 じゃれ合いながら学校へと向かった。

同じものを投稿してしまって申し訳ないのだけど
ゆっくり考えて自分なりに訂正してみた、いかにまともな文章に近づけるだろうかなと
恐らく伝えたかったことの半分も出来ていないと思うが……
うーむ、そもそも話自体を作り直すべきなんだろうなぁ。


325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 05:07:32.72 ID:FmAPEljoO
>>229
 目に浮かぶのとは違う。
 思い起こすというのが近い。彼女はがんとしてへその上を動かなくて、
 意外にしっかりした重みがあるのに、その制圧はひどくやわい。
 あひる座りで器用にバランスをとりながら、腕だけを伸ばして、
 俺のまぶたをつまんでみたり。鼻の頭をなぞってみたり。胸板の上で指を踊らせて、リズムをとってみたり。
 起こすつもりがあるのかないのか、それとも今だけいい気になっているのか。
 中学生の肢体のまま、じかに笑うでもなく、とがめるでもない。あまり見る機会のなかった無表情で、俺の喉元を見下ろしている。だが、無為に酌量を要求していた。
 またふいに、俺の顔に手を伸ばす。
 そこまでで俺は目を覚ました。むくっと、上体だけを起こす。
 分厚いカーテン越しからの街灯がすべてで、後はなべて闇を放っていた。
 滝の内側にいるような雨の音も、勢いをゆるめてはいなかった。
 腹部を中心とした胴の圧迫感は消えない。
 今年も忘れていた。この時期がきたのか。
 俺はすべてに合点を覚えながらも、まだ寝息のままのような、浅い呼吸を繰り返していた。
 わかった、わかったよ。今の彼女とも別れるよ。だから今は寝かしてくれ。明日も通常出勤なんだ。
 もう一度毛布を被り直して、うるさそうにため息をついてやると、胸の加圧は消えていた。
 空が、白み始める前だった。


こうやって読んでゆくと面白いですね。
題に従って書くのは、文章力を上げるのに役立ちそうです。
わたしも書いているものとしてとても参考になりました。
VIPから将来のラノベ作家が誕生することになるのでしょうか。

関連記事
スポンサーサイト

2010-07-12 11:39 : Book : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

Profile

ジュンク

Author:ジュンク
「放置したり 忘れられたり あとは時々更新したり」

Calendar

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

Search

Counter

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。