秒速5センチメートル 感想
![]() | 秒速5センチメートル [Blu-ray] (2008/04/18) 花村怜美近藤好美 商品詳細を見る |
お勧めで貸してもらったので見たのですが素晴らしい作品でした。最近見たものの中で一番感動しました。こういう作品は大好きなので。
「秒速5センチメートル a chain of short stories about their distance」
1.桜花抄 2.コスモナイト 3.秒速5センチメートル の3本の短編、トータル1時間強で構成されています。
あらすじですが、遠野貴樹と篠原明里の物語です。この二人は小学校の時に出会い、お互いの共通点から強く引かれ合いますが、小学校卒業と同時に明里が栃木に引っ越し、二人は離ればなれになります。しかし、中1の終わりに今度は貴樹が鹿児島に転校することに。それで引っ越す前に栃木にいる明里に会いに行くのが桜花抄。
鹿児島の種子島に引っ越した貴樹に思いを寄せる地元の少女の澄田花苗の物語がコスモナウト。
高校卒業後東京に戻った貴樹と明里のすれ違いを描いたのが秒速5センチメートルといったところです。
1.桜花抄
「ねえ、秒速5センチ何だって。桜の花が落ちるスピード」
タイトルの意味が明里の言葉によって説明されるところから物語がスタートします。
小田急線の参宮橋付近の踏切、新宿の二つ前の駅です。わたしは小田急沿線で生まれ育ったので馴染みの場所です。
この踏切の向こう側にいる明里。この作品にとって重要な場面でもあります。
参宮橋付近から新宿の高層ビルを見るカットが何度も出てきます。
中学生になった貴樹が手紙を受け取る場面。
明里からの手紙が読まれる形で物語が展開してゆきます。
貴樹は参宮橋から豪徳寺に通学しているみたいですが、豪徳寺には越境して通うほどの中学は無かったような記憶が……
中1の終わりと共に鹿児島に引っ越すことが決まる貴樹。
その少し前くらいから届くようになる明里からの手紙。
引っ越したら明里に会う機会は無くなってしまう……中1の冬に栃木の岩舟に引っ越した明里に会いに行くことを決心し手紙を送ります。
3/4に会う約束を。
明里からの手紙だと家の近くに大きな桜の木があり、今でも秒速5センチメートルで桜が振っていると。
この画像をPCの壁紙にしましたw
3/4の夜7時に駅の待合室で再会することに。
放課後に豪徳寺から出発する貴樹。その日は午後から雪に。
ここから豪徳寺から岩舟に向かう、ただそれだけの展開が続きます。
電車の中で明里とのことを思い返す貴樹。
貴樹は小3の時に東京に転校。その1年後に明里がクラスに転校してきます。
二人には共通点が多くあり、ごく自然に仲良くなります。
二人のセカイをつくり、この後もずっと一緒だと信じている二人……。
明里に会いに行く途中の新宿駅。再会ということでドキドキしています。
二人が進学することになっていたのは西中。
しかし明里は卒業と同時に転校することに。
子供である二人はこの別離に逆らうことはできません。
栃木という北に向かうことによって激しくなる雪。
電車が遅れるように。大宮の時点で約1時間遅れています。
栃木県の野木の時点で約束の7時が過ぎてしまいます。
明里への手紙。
3/4の再開の日に向けて2週間かけて書いたものです。
伝えなければいけないこと、聞いて欲しいことが詰め込まれています。
二人が最後にあったのは小学校の卒業式。
明里からの最初の手紙が来たのはその半年後。
小山に到着。あと少しなのに電車が止まりたどり着くことができません。外は吹雪です。
電車を待っている間に飛ばしてしまう手紙……
この時の残念そうな貴樹の表情がたまりません。2週間かけて書いた想いが消えてしまいます。
9時から2時間も止まる電車。
とにかく待つしかありません。
11:15に岩舟到着。
もう家に帰っていてくれ。そう電車の中で願っていた貴樹ですが、待合室には明里の姿が!
ついに再会する二人。
明里が持ってきたほうじ茶をおいしい、初めて飲んだと言って喜ぶ貴樹。
明里が作ってきたお弁当を「今まで食べた中で一番おいしい」と言います。
この大げさな言葉から明里に対する貴樹の憧れの気持ち、自分の中で高められた存在となっていることを伺い知ることができます。
11:50に閉まる駅。
二人が向かうのは例の手紙の桜の木。
そこでゆっくりと降る雪を見て、散る秒速5センチメートルの桜の花を「まるで雪みたいじゃない」と言っていた明里の言葉を思い出します。
その桜の木の下でかわすキス。
二人の心が一つになる瞬間です。
そこでカットインされる空を舞い降りる鳥。
二人の間には物理的な大きな距離があり、この関係が続くわけがないという、不吉な予感を象徴しています。
帰る電車が無くなり二人で過ごす夜。
朝になり東京に帰る貴樹。
明里が渡せなかった手紙。
貴樹が手紙を渡したなら、この手紙を受け取ることができたはずです。
ここから二人のすれ違い、届かない心の距離が始まります。
だが、貴樹は晴れ渡る外の景色を見ながら「彼女を守るための力」を強く願います。
貴樹にとっては始まりのキスですが、明里に取っては終わりのキスだったのか。
二人の関係は永遠に続く。そう願いながらも物理的な距離による別れ。それが二人の心の距離が離れることにつながってゆきます。
そして2.コスモナウト。
COSMONAUT 宇宙飛行士を意味する言葉です。
二人で見る夜明けからスタートです。
二章での主人公は澄田花苗。
時期は高三。進路を決めなければならない時です。
貴樹が東京の大学に行こうとしていることで迷っている花苗。
その迷いが趣味のサーフィンで波に乗れないことに現れています。
このままでは卒業までに告白できないと考える花苗。
貴樹を待ち構えて帰るタイミングを合わせようとする花苗。
恋する乙女の気持ちが表れています。
中二の新学期に転校してきた貴樹。
一目で花苗は恋に落ちます。同じ高校に行くために必死に勉強するくらい夢中です。
メールを打っている貴樹を目撃する花苗。そのメールが自分宛のものだったらいいのにと思います。
貴樹にも迷いがあることを知り、自分と同じだと進路調査票を折って紙飛行機を飛ばす花苗。
その上昇てゆく紙飛行機は花苗の前向きな心を象徴しています。
二人の行く手を阻む打ち上げられようとしているHⅡロケット。
踏切の向こう側にいた明里の姿を思い起こさせます。
それを運ぶトレーラーのスピードは時速5キロ。
種子島から宇宙の遠くに向けて打ち上げられるロケットです。
進路に悩む花苗とその姉との関係は耳を澄ませばを思い起こさせます。
ロケットの孤独な旅と明里に対する自分の思いを重ねる貴樹。その不毛な旅と自分の恋路を重ねています。自分たちがたどり着くところを見いだすことができていません。
そのことがこの送られないメールに現されています。
「出す当ての無いメール」と語られ、宛先も未入力になっているので、貴樹は明里のメールアドレスを知らない、二人の関係がこの時には疎遠になっていることがわかります。それでも明里に対する気持ちを失っていない貴樹。
自分も貴樹も将来のことがわかっていない。その共通点が花苗を吹っ切れさせます。できることを一つ一つすればいいと。お姉さんが読んでいる本は村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドのように見えます。
吹っ切れることによって波に乗れるようになる花苗。
半年ぶりに波に乗れたその日、貴樹に告白することを決心します。
告白前に鏡に映る自分を眺める花苗。
明里に会いに行く途中で鏡を見た貴樹と同じアングルでドキドキな気持ちを表しています。
自分の気持ちはまっすぐに貴樹に向いている。
そのことが初めて貴樹と同じ飲み物を選ぶことにも表れています。
だが貴樹の気持ちは……
その不安が告白する勇気を与えません。
空の向こうを見ている貴樹。この二人の視線の違いが興味深いです。二人で歩いている間、重なることはありません。
自分を見てはいないことに気がついてしまいます。
「遠野くんお願い……」
自分を見てくれれば告白できるのに……しかし重ならない視線。泣き出す花苗。
その時、打ち上げられるロケット。
空に昇った紙飛行機と重なりますが、紙飛行機の時とは違い二人の気持ちが違うことを表しています。
気の遠くなるくらい遠くを見つめて飛んでいくロケット。
貴樹が自分ではなく遠くにいる違う人を見ていることを悟ります。
ここで2章の最初のカット、二人で見ている夜明けの相手が明里であることが明らかになります。
距離は離れながらも、すぐ近くにいる存在として明里を見ている貴樹。
しかし、空に見える月はあり得ない大きさでした。この貴樹が思い描いている世界がファンタジーであることを示しています。
自分はその世界に入り込めないことに気がつく花苗。
どうしようもなく好きで忘れることができない存在なのに、かなわないその気持ち。
泣きながら眠る花苗のカットでエンドです。
3.秒速5センチメートル
空から下るカットでスタート。打ち上げられたロケットが届く先を表しています。
季節は2008年春。仕事に追われる貴樹。その窓から入り込む桜の花。
例の踏切ですれ違う二人。
明里に気がつく貴樹。二人は踏切を渡った後に振り返りますが、二人の視線を電車が阻みます。
そこまでの経緯が映像によって明らかになってゆきます。
例の駅にいる明里。雪がちらついています。
両親の元に里帰りしています。
来月は結婚式という話を!その手には指輪が!
実家で見つけた手紙。
あの頃はまだ子供だったと振り返る明里。
貴樹とのことは過去の出来事、思い出となっています。
いま明里が見ているのは来月結婚する恋人です。
しかし、貴樹はまだ明里の姿を追っています。
桜が散る時期に思い出すのは明里のことだけ。
今の恋人からの着信やメールに出ることもできません。
そのため「私たちは1000回メールをやりとりして、たぶん心は1センチくらいしか近づけませんでした」
と別れを切り出されてしまいます。
何かを追いかけている。でも具体的に何を追いかけているのかがわからない。
その前に進む気持ちが失われたことに気がついた時に、貴樹は会社を辞めます。
会社を辞めて入ったコンビニ。
そこでは種子島で打ち上げられたロケットが太陽系外に出たことが雑誌の記事に。
種子島の時が1999年、現在が2008年であることがわかります。
1999年が高三でした。そこから9年、貴樹は26,27歳になっています。
■ JAXA|H-II ロケット
種子島でのHⅡロケットの打ち上げは1999年は失敗しています。
■ ISAS | 火星探査機「のぞみ」PLANET-B / 科学衛星
■ ISAS | 赤外線天文衛星「あかり」ASTRO-F / 科学衛星
デザイン的にはこの2つを合わせたような感じか。一つは「あかり」だし。
貴樹が町で目を留めた場所。
中学の時に明里からの手紙を受け取った場所に似ていますが、ポストの位置が逆なので別の場所です。
貴樹が中1の時の思い出を追い求めていることを示唆しています。
空から振る雪は明里との再会の日を思い起こさせます。
種子島に引っ越した後にも明里からの手紙は届いています。
しかし、やがて届かなくなる手紙。
やがて、隣にはそれぞれ別の人が……
トルーマン・カポーティーを読んでいる明里。
読んでいる本からしても成長していることが伺えます。
新宿で雪の空を見上げる貴樹。
空を飛んで行くロケットに自分を重ねていた貴樹ですが、雪の空を見上げるその目は明里に会いに行った日のことをまだ見ています。
しかし、新宿で明里が待ち合わせていているのは別の男。婚約者ですね。
明里がいたのは南口。その南口ですれ違っているように見えます。
小田急線の経堂駅で本を読んでいる女子校生。
その姿を通過する電車から見て、明里だと思ってしまう貴樹。
東京の町ですれ違う二人を描いた後、踏切のラストシーンに。
長い電車の通過の後、踏切の向こう側には明里の姿はありません。
明里は自分のことを気がついていた。
それなのに待つことなく行ってしまった。
そのことに驚く貴樹。
しかし、その足は明里を追いかけません。
ターンして引き返します。
その時の貴樹の表情はがっかりしたものではなく、吹っ切れたような表情をしています。
このラストシーンはBAD ENDのように見えますが、明里が自分の人生を歩んでいることに気がつき、明里に対する未練から解放されたように見えます。
何かを追いかけていた毎日から解放され、追いかけていたものは存在しなかったことを認識し、自分の人生を歩むことができるようになったように感じます。
ここから解放された貴樹のストーリーが始まるのではないでしょうか。
少し古い作品ですが、感想を書きたいと思わせてくれる作品で少しずつ書いていました。
「秒速5センチメートル a chain of short stories about their distance」というタイトルにあるように、このすれ違い感、心の距離と物理的な距離の二つのDistanceが作品のテーマになっているように感じます。
散る桜とゆっくりと降る雪。その同じような動きは明里と貴樹の小学生から中学生という多感な時期の特別な出来事を結びつき、深く心に刻み込まれます。
しかし、その後の大きく成長する時期を通して、その思い出は次第に薄まってゆきます。
新しい場所での新しい生活。そこでの暮らし、出会い。特別な経験でしたが、それは次第に遠いものとなってゆきます。それが届かなくなる手紙に表れています。
貴樹はその想いを引きずり、明里の面影を追いかけ続けていますが、次第に自分の追いかけているものがわからなくなってゆきます。
明里は早い段階からそのことを過去の思い出としてしまい込むことができたようですが、これは男女の恋愛に対する感覚の違いですね。男の方が過去の恋愛を引きずってしまいます。
自分が追いかけていた明里が昔の明里とは違うことを目の前で見ることによって、貴樹はそれを思い出として生産することができるようになったのではないでしょうか。
この辺の貴樹の想いはスコット・フィッツジェラルドのグレート・ギャツビーを思い起こさせます。
かつて結ばれたギャツビーとデイジーは戦争によって引き裂かれます。
戦争後に帰って来たギャツビーはなりふり構わずデイジーを追いかけます。緑の灯火(あかり)を信じていたギャツビー。その昔のデイジーの姿を見続けていました。しかし、再開したデイジーは以前とは違います。抱いていた夢は崩れ去ることになります。
明里が追い求める人は貴樹から別の人に変わってしまいますが、本が好きだという二人を結びつけたものは変わっていませんでした。明里はいつも本を読んでいる姿が描かれていました。
しかし、貴樹は引っ越した後、本を読んでいる姿が描かれていません。
人は変わらないものもあれば、どうしても変化してゆくものがあります。
特に二人の場合は出会い、共に過ごしたのが変化の大きい時期でした。
大人になってからの出会いであるなら、距離が離れても何とかやっていけるのですが、あの時期での二人の間を阻む物理的な距離はあまりにも大きかったのでは。
長距離恋愛を経験した人にはよくわかる展開です。
その二人の気持ちを素晴らしい映像美で描いてくれていました。
この切なさ、狂おしい気持ちを映像で見せるその手腕は見事でした。
お互いを深く求めていたのにそれがかなわない切なさ、すれ違い感がたまらなかったです。
自分の中で深く印象に残る作品となりました。
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かなりわかりやすく書かれていてよかったです。
自分は映画を見て中途半端だというのが感想です。
最近になって小説を読み納得いく部分も有りちょっとすっきりした気分です。
しかし小説は貴樹のイケメンストーリーみたいでなんかねぇって感じです。どうせなら手紙が来なくなってからの明里のストーリーがほしかったですね。
映画の中で明里がセーラー服で男性と歩いてるシーンがありますがあれは誰でしょう?将来の婚約者でしょうか。
踏み切りですれ違った女性が明里というのはわかりますが明里は貴樹だとわかったのでしょうか。
貴樹の気持ちがなんとなくわかります。
40歳の自分が20年前に事故で亡くなった彼女を忘れられずに.....。
小説版もあるのですか。
映像ならではの見せ方というのを感じていたのですが、文字にするとまた違ったものが見えてきそうですね。
明里が一緒に歩いていた男性ですが、新しい学校でできた恋人だと思うのですが。
明里は貴樹のことには区切りをつけて、新しい道を歩み出したのだと思います。
その後の明里のことは描かれていないので想像するしかないのですが。
明里は貴樹のことは過去のものとして生きることを決めていましたが、貴樹はまだ明里のことを過去のものにすることができていませんでした。この辺の男女の違いによる過去の恋愛に対する見方のギャップみたいなものが興味深いです。
恐らくすれ違った時にも明里は気がついていないのではと思います。もう見ているのは婚約者のことだけなのではないのでしょうか。
監督の新海さんによる「星を追う子供」が11年5月に公開ということなのでこれも楽しみです。
非常に小説的な語り口だなと思いながら見ていましたが、この清涼感は絶対的にアニメだから生み出せたものですね。
ストーリー自体は平凡で、無言劇でもアリだったのではと思うくらいですが、なによりも細かい「絵」による描写の積み重ねが共感を煽り、切な心地いいですね。
MONO消しゴムのケースの後ろが凹んでるところとか、小学校のリノリウムの床が水晶のように反射する描写、光やライトのハレーション、田舎で運行不良になった電車のもどかしさといったワンシーンずつの凝縮された細かさ、丁寧さ。
大人になってから少年時代の光景をくっきりリアルに再現できる人って天然記念物並に貴重だと思っています。この監督と比べると、もうジブリでさえタジタジなのではないでしょうか。
素朴さと繊細さのクローズアップに手間隙をかけ、この長さを埋めるというのは天才的な職人技ですね。
詩的感性を持つ者なら目を離せなくなる魅力に溢れています。
秒速5センチメートルは本当によい作品ですよね。
これから雪の季節になるのでまた見たくなってしまいます。
定期的に見たくなる作品ですが、見る度に何かしらの発見があるような気がします。
春には新作の「星を追う子ども」が上演されるので楽しみにしています。
なんであの頃観なかったのか。
どうして今になって観てしまったのか。
ちっぽけなたった一つの選択、その繋がりが今のぼくらの全てだと、
知らずに今日に行き着いた。
想い出になってしまったあの人の声が、すぐ傍でぼくをなじっているみたいに感じた。
映像とか、音楽とか、演出とか、ぼくには上手い具合にものを語ることができないけれど、
いくつもの言葉や表情や風景――紙に描かれただけのはずのものたちが、
ぼくの薄っぺらい心みたいなものに、どこまでも鮮やかに、その輪郭を留めている。
気づけば一人で、自分だけのための道を歩き始める選択を重ねていたぼくには、
どうしようもなくつらい作品で、
それでも未だに忘れられず、だけど取り戻すことを諦めた時間を抱えたぼくには、
どうしようもなく優しいお話で。
勧めてくれたH.S.くんにはいつか、ぼくから彼になにか、だいじなものを届けたい。
目指す道のどこかに、そんななにかに出会えるときがいてほしい。
そう思った。
わたしも友達から貸してもらって見たのですが、もっと早く見ておけば良かったとおもいました。
わたしはハルヒからアニメに入り、深夜アニメを見るようになったのですが、そうした作品とは一味違う魅力がつまっていました。
映像、演出的に美しいですが、登場人物の考えていること、気持ちの動きが心に突き刺さってきます。
また見たくなってきました。
今の時期、雪が積もっているこの季節に見るとまた感慨深いものがありそうです。
・3/4(金)が現実の曜日と一緒
・>>11:50に閉まる駅。
最初に見た時12:50かと思ってました・・。俺も小田急沿線で生まれ育ったんですが
そんな遅くまでやってるはずないですよね。
・>>種子島に引っ越した後にも明里からの手紙は届いています。
手紙続いてたんですね・・見落としてました。
他の手紙は届いたのに明里の手紙はなくて落胆してるとおもってました。
・>>小田急線の経堂駅で本を読んでいる女子校生。
最初は明里かと思ったんですが関係ないキャラなんですかね?
2回見ても未だに見落としてる部分もあると思いますが楽しかったです。最初見た時より鬱気味になって涙を流してしまいました。
ちょうど今年、主人公達と同じ歳で少し似たような境遇だったので尚更共感してしまいました。
漫画は少し映画と外れていましたが小説は新海さんが書き映画の補完ができるそうなので読んでみようと思います。
最後にTARI TARIの紗羽は嫁、秒速は名作!!
東京に行ってからできた恋人の水野理沙との別れ話のところが詳しく描かれていたので、映画版よりさらに悲しく感じてしまいました。
それにしても解説が上手ですね^^
とってもわかりやすかったです。