Anime/Book/Game/Music/Sports/のMixture系Blog

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- : スポンサー広告 :
Pagetop

俺妹SSスレ:桐乃・黒猫「え?嘘でしょ」

kunka01.jpgkunka02.jpg

381 名前:101[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06:02:02.97 ID:sp5jAbs0 [1/3]
ちょっと長いけど、投稿します。3行じゃなくてごめん。

最終回?俺の家族がくんかくんかな種族な訳がない

あたし、兄貴と初えっちしちゃった。すごい痛かったけど、超きもちよかった。
兄貴の匂いがあたしを包み込んで、一瞬、森羅万象を感じちゃった。宇宙のすべてがあたしって感じ。
そして昇天、天にも昇る気持ちっていうのかな。初めてのあたしは初めての兄貴にイかされました。ていうか、愛妾最高wwwwww
ブーーーーーーーー
やばっ、思いだしただけで、鼻血が出た。トントン。
「おい、高坂、大丈夫か?」
「ひゃい」
不意に先生に呼ばれて、あたしはすっとんきょうな返事をして、鼻血をだらっと出しながら立ち上がった。
やばっ、今は授業中でした。クラスは大爆笑、但し、あやせ以外。あやせは瞳孔がイっちゃっているんですけど。これって、死亡フラグ?もしかして、
「あたし、この授業が終わったら、結婚するんだ」
って宣言しちゃった?な訳ないかwwwwww

放課後、あやせにゲハイメ・シュターツ・ポリツァイ・アムトなみに詰問された。あやせの「くんくん、お兄さんのにおいがする」には焦った。
さすが、あたしの親友にしてSSクラスクンカーのあやせ。仕方ないから、あたしの秘蔵の兄貴のせーえきティッシュをやったわ。だって、あたしにはもういらないもん。
本当は、友達にも初体験を自慢したいけど、これだけはあたしと兄貴の2人だけの大切な秘密。
そのはずだったんだけど……



82 名前:101[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06:05:48.54 ID:sp5jAbs0 [2/3]
「ただいま」
あたしがリビングに入るとお父さん、お母さん、それに兄貴が坐っていた。お母さんはニコニコしているんだけど、お父さんは怖い。兄貴は、ばつが悪そうにしていた。もしかして、なんか嫌な予感。
「桐乃も坐りなさい」
「は、はい」
お父さんに促されて、あたしは兄貴のそばにぴたっとくっついて坐った。
「き、桐乃、離れなさい」
「あら、いいじゃないですか、お父さん」
「くっ」
なんか、お父さん、悔しそうなんですけど?ナニコレ?ていうか、お母さんニコニコしていて、おかしくなイカ?
「だって、二人は結ばれたんですから。あんなに激しくしたら、私でも感じちゃうわ」ポッ
ええええええぇぇぇぇええええぇええええええぇえぇぇえぇえええええぇえええぇええええぇえええええぇええ
あたし、終わった。こんなことなら学校で処女喪失宣言しておけばよかった。
さよなら兄貴。きっとあたしは函館の修道院に放り込まれて一生を過ごすのだ。でも、シスターがいっぱいいるからいいかwwwwww
て、なんか、お母さんの表現がおかしくなイカ?
「今から高坂家の秘密を話すわ。実は、私とお父さんは夫婦でなくて、兄妹なのよ」
「えー」x1000、と、あたしと兄貴のコーラス。
お母さん、それってニコニコしながら、さらっと話す秘密じゃないよ。そーいうのは墓場まで持っていくもんだよ。今だって、あたしはそう思っているんだし。
「でも、あなたたちは私とお父さんの本当の子供よ」
「えーーーーーーーー」と、あたしだけ。
なんだ、あたしがかすかに期待していた義理エンド消えた。なんで兄貴はほっとしているんだよ。バカ兄貴。
「今のは、大したことではないのだけど」
そーなんですか?



383 名前:101[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06:08:12.46 ID:sp5jAbs0 [3/3]
「高坂家は”かぎびと”の純血種なの」
「かみびと?」と兄貴が聞きかえす。

お母さんは狂言回しのように喋りだした。
「はっさくで有名な常蛾町とかでは”かみびと”というみたいだけど、高坂家、蘇我では”嗅ぎ人(かぎびと)”。
蜜と呼ばれる男のフェロモンをくんかくんかすることによって、年下の女、特に妹は超人的な力を発揮できるのよ。それが嗅ぎ人、真のクンカー。
真のクンカーなら、蜜の力によっては、原子を組み変えることも可能よ。
高坂家は親近婚を続けることにより嗅ぎ人の血を伝えてきたわ。
だから、私は、貴方たちがそうしたいのなら反対はしない。
けれども、京介は1000年に一人の強力な蜜。蜜に引かれ、狂う者も多いわ。

でも、桐乃は京介によって森羅万象に目覚めた。

桐乃なら、今、ものすごい勢いで迫る気配を感じられるはずよ。真のクンカーの力で」

そう言われてみれば、何かが、近づいている気がする。なんだろ。こ、これは、まさか、あ、や……
どっかーーーーーーーーん
黒い弾丸のようなものが家に突っ込んできた。土煙から現れたのは、タナトス・エロス?
「すごいよ、桐乃。お兄さんのせーえきの匂い」
やっぱりあやせだ。あやせが何故かタナトス・エロス(アニメ版)の格好をして、はあはあと興奮している。
「お兄さんのせーえき嗅いでいたら、こんな恥ずかしい格好に変身して、空も飛べるの。だから」
「だから?」
「お兄さんは貰っていくね、えへっ。私たちは親友だから、いいよねww」
あやせは、いつのまにか気絶した兄貴を抱えていた。そして、そのまま来た時の穴から飛んでいった。
「京介」とお父さんが叫ぶ。
「桐乃、あなたも変身して京介を追いかけなさい、早くっ」とお母さん。
「へ、変身と言われても……」
「出来るから、お約束だから」とお母さんがすごむので、
えいっ、と思ったら、お約束どおりリボンくるくるの中でまっ裸になってメルルの格好になっていたのさ。きらっ☆ミ

「兄貴、かならず助けてみせるからね」

おわり?




387 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 08:24:17.17 ID:Ctx83I6o
ひどすぎるwww


389 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 10:19:38.15 ID:sQzkZVoo
真面目に読んだ俺が馬鹿みたいじゃないか


390 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 11:02:24.83 ID:RWIp3ZQ0 [2/2]
これは斬新だなww
シリアスだと思っていたが笑ったわww


391 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 12:04:25.60 ID:J8x0bvg0
どう考えても、最終回というよりは、第一話wwwwww


392 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 13:26:45.62 ID:vrH6CnAo
もし真面目に書いていたんなら本当にご愁傷様レベル





401 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 21:19:25.56 ID:BJwiz8Qo [1/3]
じゃあ、俺も何か書くか
ネタ援助かもん


403 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:26:03.84 ID:HInqcgDO [1/2]
>>401

あやせ(もしくは桐乃)の反応(近づかないで下さい等)に京介が本気で真に受けて京介があやせ(もしくはry)を避けるようになるけど今度はあやせ(もしくはry)が京介に避けられて半泣きになる系のSSがもっと読みたいです


417 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:00:11.52 ID:XvKveT.o [1/14]
>>403書けたから投下
思ったより泣き成分が少なくなっちまった
どこで√を間違えたのか…


418 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:02:12.90 ID:XvKveT.o [2/14]
桐乃と再び冷戦状態に突入してから、一週間が経った。
冷戦状態と言っても以前のようにお互いに無視を決め込んでいるような状況とは少し違う。

こんなことになった原因はというと、我が家が抱える構造的欠陥が原因だった。

「きゃあっ!」
「うおっ!」

いつものように階段を下りてすぐ、玄関付近で桐乃とぶつかった。
ここまでなら以前もあったし、そう騒ぐことでもなかったのだが、今日は少し運がなかった。

「いてぇ……だ、大丈夫か?」
「いったぁ……何すんのよ!」

どこがどうなってこんな体勢になったのかはわからないが、俺達は、今からまさに合体しかからんとするカップルのような体勢になっていた。
ぶっちゃけると、騎乗位だ。

「桐乃~、なんかすごい音がしたけど…だいじょう…ぶ……」

不運なことに今日はあやせが遊びに来ていたようで、俺達の見られてはいけない場面を目撃したあやせは手に持っていた雑誌をバサッと落とし、そのまま固まってしまう。

「こ、これは違うの!」

必死に誤解を解こうとする桐乃。
俺も普段なら全力でそうするところだったのだが、この日の俺はどこかおかしかったらしい。
以前、似たような場面を目撃されたこともあってか、変に余裕があったのもまずかったんだと思う。
ちょっと桐乃をからかってやろうかという気になっちまったんだ。
今思えばなんであんなこと言ったのか、俺でもわからねえよ。

「はっはっは、何が違うんだ?お前の初めての人生相談の時も、この体勢だったじゃないか。
そうだ、今度はあやせも俺に人生相談するか?」


419 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:03:55.17 ID:XvKveT.o
一瞬、桐乃は大きく目を見開いたかと思うと、すぐさま怒りをあらわにする。

「あんた、いきなり何言ってんの!?こんなときにふざけんな!!」
「う…なにもそんなに怒ることねえだろ……事実じゃねえか」
「き、桐乃……う、嘘だよね?」

あやせに事の真偽を問われ、言葉を失ってしまう桐乃。
それも当然か。
この場合、どちらの答えを選んでもあやせの機嫌を損ねてしまう危険がある。
仮に桐乃が、「嘘だ」と言えばそれこそが嘘であり、ばれた時が怖すぎる。
反対に、本当だと言えば、それこそ問答無用でアウトである。
我ながら素晴らしい切り替えしだな。
普段虐げられている分、小さな仕返しくらいは許されてもいいよね。
……ちょっとやりすぎた感じもするけどさ。

「うん?どうした桐乃。返事しないのか?」

俺はにやけながら桐乃の顔を見上げ……そして、ぎょっとした。
桐乃はその瞳に涙を浮かべ、今にも泣きだしそうになってしまっていたからだ。

「あ…」

やっちまった。
ちょっとおふざけが過ぎた。
しかし、一度口に出した言葉を取り消すことなどできるはずもなく、今さら後悔したところで遅かった。

「あんたなんかに相談したあたしが馬鹿だった!!もう話しかけないで![ピーーー]っ!!」

そう叫んで階段を駆け上り自分の部屋に戻ってしまう。
俺は桐乃を追いかけることもできず、あやせにさっきのは冗談だったんだと説明するのが精いっぱいだった。

それからというもの、桐乃とは話すことができずにいた。
せめて一言謝らなくてはいけないと思うものの、話しかけるなと言われた手前中々話しかけづらい。
それに、どことなくではあるがさけられているような気がする。
桐乃の方も俺を許す気がないようで、桐乃から話かけてくるなんてことはなかった。



420 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:04:55.62 ID:XvKveT.o
_________________________________________

「やばい………言い過ぎたかも」

あの一件以来、兄貴に元気がない。
あれだけ世話になった兄貴に、いくらからかわれたからとはいえ、あんな言い草はないだろう。
せめて一言謝らなくてはいけないと思うものの、話しかけるなと言ってしまった手前中々話しかけづらい。
それに、どことなくではあるがさけられているような気がする。
兄貴の方もあたしに関わりたくないようで、兄貴から話かけてくるなんてことはなかった。

しかし、あんな状況でもあやせにはしっかり事情を説明していてくれたようで、翌日あやせに問い詰められるなんてことはなかった。

「どんだけお人好しなのよ…」

自分の沸点の低さに辟易し、ついつい壁を殴ってしまう。

「どうしたら仲直りできるかなぁ…」



421 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:05:45.10 ID:XvKveT.o
_____________________

「やべぇ………超怒ってらっしゃる」

俺がなんとかして仲直りする方法を模索していると、それを察したかのように壁を叩く音が響いた。
こういう時、沙織なら、どうすればいいかの答えを簡単に教えてくれる気もしたが、俺は聞かずにいた。
たかが兄妹喧嘩で沙織に泣きついたら、今度会った時になんと言ってからかわれるかわかったもんじゃない。

「いっそ土下座でもするか?………駄目だな、多分スルーされて終わりだ」

俺が半ば絶望していると、不意に携帯が鳴った。

「うおおおおう!?」

勢いが付きすぎて、盛大に頭を壁にぶつけてしまう。
携帯の着信音程度でもビビっちまうほどに衰弱しているのか、俺は。
自分でもびっくりだ…。

「いてぇ……ったく、誰だよ」

携帯の画面には沙織と表示されていた。

「これは…もう四の五の言ってられないか……こうなったらからかわれるくらいなんでもねえよ」


422 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:06:27.27 ID:XvKveT.o
__________________________

「ひっ!?……やばい…ちょー怒ってんじゃん」

完全に無意識とはいえ、結果的に壁ドンをしてしまったわけだが、その返事が兄貴にしては珍しいものだった。
妙な奇声を発しつつ、しかも思い切り壁を殴りつけたようで、やたらと大きな音が響いた。
いつもなら、小言の一つや二つを言いながらなのだが、今回はそうではない。

兄貴を怒らせてしまった現実を、改めて突き付けられたことで涙が溢れそうになる。

「やば……あたし、こんなブラコンじゃないはずなのに……」

ちょっとケンカしたくらいで泣きそうになるほどブラコンだったなんて。
このまま昔みたいになるのは絶対いや。
もっといっぱい人生相談したい。

「……あの黒いのに相談するのは癪だけど……仕方ないか……」

確か、妹がいるって言ってたし、いい仲直りの方法も知っているだろう。
あたしは意を決して、黒いのに電話をかけた。


423 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:07:38.09 ID:XvKveT.o
___________________________________________________

『事情はわかりました』
「で、俺はどうしたらいいんだ?」

今の俺なら何でもやってやるぜ。
まさか、桐乃とケンカしただけでこんな寂しくなるなんて思わなかった。
これじゃあ、シスコンと言われても全く反論できないな。

『簡単です。きりりん氏を信じてあげてください』
「えっ?」
『京介氏ときりりん氏の絆はそう簡単には壊れません。だから、勇気をだして一言声をかければ全て上手くいきますよ』

まるで全てを知っているかのような沙織の言い分。

「しかしなぁ…」
『では、言い方を変えましょう。私を信じてくださいませんか?』

ぐ…それは卑怯というものだろう。
沙織にそう言われたら信じないわけにはいかない。

「…わかったよ。今から桐乃に会ってくる。ありがとな、沙織」
『いえいえ。では京介氏、御武運を!』

沙織に礼を言って電話を切り、桐乃の部屋へと向かう。
きっと電話の向こうで沙織はこんな口ωしてニヤニヤと笑っていたに違いない。



424 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:09:10.29 ID:XvKveT.o
_____________________

『事情はわかったわ』
「ならさっさといい方法教えなさいよ」

今なら多少のことは我慢できる。
この邪気眼電波女に相談する以上の屈辱がそうそうあるとは思えないし。

『あなた、いままで何を見てきたの?』
「えっ?」
『あなたの兄はその程度のことで怒るような人間だったの?優柔不断でにぶくて、でもいつも優しくて、お人好し……それがあなたの兄ではなかったの?』

黒いのに言われてハッとする。
黒いのが兄貴をべた褒めしているのが妙にむかつくけど今はそんなことはどうでもいい。

『少しは自分の兄を信じてあげなさい』

そう言われて、決心する。
兄貴に謝ろう。

『まぁ、邪眼を持たな…』

ピッ。
なんて言って謝るかなんて、後で考えればいい。
黒いのとの電話もそこそこに、急いで部屋のドアを開け、兄貴の部屋へ向か…

ガンッ

「いってえ!」
「え?」



425 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:10:20.01 ID:XvKveT.o
_________________________

桐乃の部屋の前まで来たのはいいものの、俺は悩んでいた。

「いったいどうやって切り出そう」

中々いい言葉がうかばず、いよいよもって土下座が現実味を帯びてきた所に、急に桐乃の部屋のドアが開く。

ガンッ

「いってえ!」
「え?」

ドアの目の前で棒立ちしていた俺は不測の事態に対応できず、顔面でもろにうけてしまった。

「ぐう……」

俺がまいた種とはいえ、なんという仕打ち。
だが、これくらいでへこたれてはいられない。
なぜなら俺はシスコンなのだから。

「あ…き、桐乃」

俺が桐乃を引き留めるために、何とかして言葉を発しようとすると、桐乃がそれを遮った。

「ご、ごめんねっ!」
「えっ……」
「あぁ、もう、どこか怪我とかしてない?大丈夫?」

あれ?なにこれ?最後の晩餐的なイベント?
桐乃が俺の心配をするなんて…俺は明日処刑でもされちゃうの?

「…よかった。赤くなってるけど、大丈夫みたい」



426 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:12:33.61 ID:XvKveT.o
桐乃の言う通り、大事には至らなかったようで、次第に痛みも引いてきた。
そこでようやく目を開き、桐乃の顔を見る。
桐乃は目に涙を浮かべて、今にも泣きだしてしまうそうな表情で俺のことをまっすぐ見つめていた。

その顔は肉親の俺でさえ、虜になってしまいそうな、とてもかわいいものだった。
泣きそうな女の子を見てこんなことを思ってしまう俺は、性癖に問題があるのかもしれない。

「桐乃…俺が悪かった」
「えっ?」

桐乃も、まさか俺がこんな素直に謝ってくるとは思わなかったようで、いまいち事態を把握しきれていないようだった。

「俺は冗談のつもりだったんだが…いや、これは言い訳だな。悪かったよ。この通りだ」
「えっ?」
「えっ?」

え?ここまで言ってわかんないの?
あれ?ひょっとして怒ってたわけじゃないの?

「あ、あんた何言ってんの?」
「だ、だって、俺があやせにいらねぇ冗談言ったから怒ってたんじゃないの?」
「ち、違うって。い、いや違わないけど、怒ってたのはそこじゃなくて!」

もう、わけがわからん。

「…一体どういうことなんだ?俺にはさっぱりわからん」
「……わかんなくていい」

桐乃はそこまで言うといきなり俺を突き飛ばし、即座に馬乗りになる。

「いてっ!やっぱりおまえ、おこっ……」
「やっぱり、何事も初心が大切だよね」

桐乃はわけのわからないことを言いながら、涙を俺の服で乱暴に拭う。
そして、どことなく懐かしさを感じさせる笑顔でこう言った

「怒ってないって言ってるでしょ。それよりも、また人生相談があるの。聞いてくれるよね兄貴!」



おわり




427 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:14:22.03 ID:XvKveT.o
ノープラン万歳
また書きに来るよ
おやすみ


429 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:20:57.67 ID:YB.de46o
乙です!
泣き成分少なめなのもマイルドでいいと思う!
なんか読んでて安心した!ww


430 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:23:46.56 ID:vvfXfXUo

で、俺のリヴァイアサンの処理はどうすればいいの?


431 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 01:27:21.31 ID:1mDsgoDO
ヤンデレ成分が足らないと思うのは俺だけなのか…orz


432 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 01:27:45.97 ID:Nr69zcDO
おっつ!
きりりん氏かわいすぎ萌え尽きた
次はもっと胸がキュンキュンするものを頼む!


482 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 23:06:17.76 ID:YB.de46o [16/17]
高三の大事な時期を恋愛&部活&夏コミにかまけてた京介は見事に受験失敗。
浪人になり都内の有名予備校に通うために下宿、家を出ることに。
全国模試でいい成績を取るまで誰とも連絡とらないという誓いの下勉学に励む京介
&急にいなくなった上に連絡が取れなくてオロオロする桐乃

ある日、久しぶりに京介からメールが届く。そこには意外なことが書かれていた

「ベッドの下の俺のコレクション、全部捨ててくれ」

「……あいつがメガネ娘コレクションを――捨てろなんて言うわけがない!」
たまらず下宿先にを訪問する桐乃


……みたいな5巻の逆パターンみたいなのは考えたことある
でもうまく落ちなかったのでやめたw


483 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 23:09:01.93 ID:ZwLIQAMo [2/2]
>>482
「兄貴!」
バタン!
「れろ、んむ、お兄さん、決心、つきました?」
「くっ、あやせ、うっ…………あっ」
「もう、まだエッチな本捨てる気に、れろ、なれないんですか?
 それに、これはお仕置きなのに、んむ、ちゅぱ、気持ちよくなっちゃうなんて」
「だから、うっ、捨てるように、頼んだって……!」

ってのが浮かんだ


484 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 23:11:26.75 ID:YB.de46o [17/17]
その発想はなかったw


487 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 23:18:17.95 ID:KL1JigSO [2/2]
>>482-483
ワロタ
合作しろww





837 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:35:29.18 ID:.ShKSPso
書いたから投下してく
相変わらず力技だけど気にしない


838 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:36:03.21 ID:.ShKSPso
「あんたさ、また私の彼氏になってよ」

以前ならドキリとさせられたこのセリフも、2回目ともなると桐乃の真意にはある程度予想がつく。

「……今度はどんな理由だよ」
「前と一緒。美咲さんがあたしのこと諦められないって」

ふふん、と鼻をならし上機嫌な様子の桐乃。
厄介事が飛び込んできたというのになんで上機嫌なんだ?
そりゃ自分の才能や人気を再確認できるような出来事だけどさ。

「それなんだけどさ、俺とおまえが恋人じゃないってこと、美咲さんには最初からばれてたらしいぞ?」
「えっ?だ、誰からそんなこと聞いたの?」
「御鏡から」

そう、あの時あいつは確かにこう言った。

「お二人が兄妹だってことは、美咲さん、とっくに気づいてたみたいなんですよ」

御鏡が言っていたことが本当なら、もはやこの偽装デートに意味はない。
ようやく彼氏役なんて馬鹿な真似をさせられることもなくなると安心したところだったのだ。

「だから偽装デートの意味はなくなっちまったんだよ」

無意識にではあるが、少し残念な感じのニュアンスになってしまったことが悲しい。
おかしいな。確かにシスコンであるのは認めるが、あんなデートはこりごりだと思ってたってのに。



839 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:36:52.14 ID:.ShKSPso
「そ、それも油断させるための嘘かもしんないじゃん!」
「俺には御鏡は嘘をつくような奴には見えなかったけどなぁ」
「な、なんでもいいでしょ!で、やるの?やらないの!?」

正直かなり怪しいが、ここでこれ以上桐乃の神経を逆なでしても俺にメリットなど存在しない。

それにしても、頼み事をしているのは向こうのはずなのに、相変わらずの上から目線である。
チッ、こいつには礼儀というものを教えてやらねばなるまい。
俺は桐乃に向き直ると、こう言い放ってやった。

「やるよ!やらせていただきます!」

別にへたれたわけでも、桐乃とのデートが楽しみなわけじゃないよ?
ちょっと御鏡の一件での出来事を思い出しただけなんだから、勘違いしないでよね。

そう、俺はあの時、あろうことか
「桐乃と付き合いたいってんなら、てめえ!この俺に認めさせてみろ!」
「おまえより俺の方が桐乃を大切にする!ぜってーだ!だからおまえに桐乃はやらん!」
なんてことを大声で叫んでしまったのだ。

あぁ…今思い出しても恥ずかしい。
なんであんなことしちゃったんだろ俺。
忌まわしい記憶をさっさと頭から排除すべく、新たな話題を求めて桐乃に声をかける。

「…ひょっとして美咲さんまた監視にくんの?」
「当たり前じゃん。じゃなきゃこんなこと頼まないっての」

それもそうか。
でも、そのわりに前回はそれらしき人なんて全然見なかったぞ?
ほんとに監視してんのか?仮にも社長だろうに。

「み、見つけられなかったのはあんたが鈍いからでしょ!?」
「いきなり怒鳴るなよ!?」

一体今のどこにキレる要素があったんだ……
あたしに意見すんなってこと?



840 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:37:44.88 ID:.ShKSPso
「わ、わかったわかった。だからちょっと落ち着けって」
「ふ、ふん…わかったならいいケド」

そう言ってホッと一息をつく桐乃。
気のせいか少し顔が赤くなっている。
ホッとしたいのはこっちだ。

「デ、デートは今度の日曜日だから。前みたいなことにならないように気をつけてよね」

桐乃はそう言い残しリビングを出ていった。
恥ずかしがるくらいならデートなんて単語使うなよ…
くっ…なんだかこっちまで意識しちまうだろうが。

前回みたいにならないようにとは、以前の偽装デートで挙げられた不満点を反省しとけってことだろう。

「チッ……何て言ってたかな、あいつ」

もはや、妹の頼みだから渋々……
という体面は御鏡の一件で既に崩れ去っているが、中々そう簡単に割り切れるものじゃあない。
それでも俺は、妹の頼みごとの下調べを行うべく渋々自室のPCを立ち上げに行くのだった。



「お、おまたせっ」

前回同様早く着きすぎた俺が時計を見ながらぼやいていると、これまた前回と全く同じセリフで桐乃が声をかけてきた。

「別に待ってねえよ。―――行くか」
「うん」

嬉しそうに頷いて、自然に腕をからめてくるところまでいっしょだ。

グーグル先生によると、デートプランってのはマニュアル通りのものよりも相手が、もっと言えばお互いが喜びそうなデートプランを考えた方がいいそうだ。
だから俺は、桐乃の質問にもさらっと答えることができた。

「今日は……どこ行こっか」
「そうだな、今日はまずは秋葉でも行くか」
「は?」

桐乃も、まさか俺がまともなデートプランを提示してくるとは思っていなかったようで、驚き固まっている。
ふっ、俺が本気を出せばこんなもんさ。


841 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:39:13.30 ID:.ShKSPso
「いってえ!」

唐突に悲鳴をあげる俺。
なんのことはない、いつも通り足を踏まれただけさ。
…ちくしょう、一体何が不満だったんだ。

「あんた、本気で言ってんの?馬鹿じゃないの!?」
「本気で悪かったな………だっておまえは秋葉が一番喜びそうだと思ったからさ……」

俺はこいつが『表』の友達と普段どんなことをしてすごしているのかわからない。
まぁ、それでなくてももっとお洒落なところに連れて行けという気持ちはわかる。
美咲さんに監視もされてるわけだからな。

だけど、こいつが一番喜びそうな場所は秋葉じゃないかなって思ったんだ。
俺が桐乃の彼氏だってのは嘘だけど、二人で出かけるのは嘘じゃない。
だから、俺達が二人で楽しめるような場所にしたかったんだよ。

「……わかった。そこでいい」

俺の心中を察したのか、単に諦めたのか桐乃は意外と簡単に了承し、ぷいっと向こうを向いてしまう。
兄妹間でのアイコンタクトが伝わらないことは経験済みなので、恐らく後者だろうけどな。
しかしそれでも桐乃は俺の腕を離すことはなく、むしろ絡められた手にはより力が込められているようだった。




「くぅ…これ………やっぱり買っちゃおうかな………」

読モ兼作家様も海外留学の費用を自力で捻出したということもあってか、さすがに台所事情は少々厳しいようだった。
いつもは悩むまでもなく即決で買ってしまうわけだが、今日に限っては30分ほどフィギュアとのにらめっこを続けていた。

「いつまで悩んでんだ?」
「……う~ん……でも……しかし」

聞いちゃいねえ。


842 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:40:01.27 ID:.ShKSPso
「お~い、そんなに悩んで何を買う気なんだ?」

しびれを切らした俺は桐乃の頭にぽんっと、手を置きつつそう尋ねた。

「えっ?…あ…ちょ、ちょっと何勝手に触ってんの!?」
「なんだ?彼氏が勝手に触っちゃまずいのかよ?」
「え!?………くっ………………」

いつもならこの辺で罵倒が飛んでくるのが通例だが、今日は美咲さんに監視されていることもあって、さすがの桐乃も俯きがちにくやしがることしかできない。
ははは、監視されてるってのは嫌なもんだと思ったが中々いいこともあるじゃないか。

「で?何を見てたんだ?」
「………これ」

桐乃が指差した先には、『メルル(ダークウィッチVer.)』が置かれていた。
いつものメルルと違って赤を基調とした衣装から黒い衣装へと変更されている。
髪の色まで変わってしまっているのでパッと見ではメルルだと気付かない。

「確かメルルの3期で新しく出てきたんだっけ?」
「そうなの!3期ではメルルがダークウィッチ化しちゃって…」
「お、おまえのメルルへの愛情はわかった!わかったからそんなにはしゃぐなって」

桐乃は相変わらずアニメのこととなるとテンションが異常に高くなる。
こんだけ夢中になれるもんがあるってのは幸せだよな。

……ふ~ん、『メルル(ダークウィッチVer.)』ね。覚えておくか。
あくまで覚えておくだけで深い意味があるわけじゃないけどね。

「あんまりはしゃぐと、監視してる美咲さんにオタだってばれるぞ?」
「………うん」

実は、今回は俺にも美咲さんの姿が確認できていた。
やっぱりこれって御鏡が嘘をついてたってことなのか?
俺の人を見る目もあてになんねえな。



843 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:40:42.71 ID:.ShKSPso
当の美咲さんはと言うと、帽子を目深にかぶり、サングラスをかけているという尾行するにしてはありきたりすぎる恰好なのだが、そこはさすが元モデルの凄腕デザイナー。
服装が一々お洒落だ。
しかし、新宿や池袋のような所なら目立たない恰好なのだろうが、ここは秋葉原。
そんな恰好では目立つことこのうえない。

美咲さんの姿が、『オタクっ娘あつまれー』のオフ会に初めて参加したときの桐乃の姿とだぶる。
あのとき桐乃は一人孤立しちゃってて…沙織の気遣いによって黒猫と知り合って……
………やべ、なんか涙でてきた。
美咲さん、この雰囲気の中ずっと一人で大丈夫かな?

「…あんた何涙目になってんの?」
「なんでもねえよ」

これ以上美咲さんをこの雰囲気の中ずっと尾行させるのも気が引ける。
美少女フィギュア売り場にたたずむ成人女性……通報こそされないものの、奇異の目で見られていることは間違いない。

あれ?俺達も危なくない?
……ま、まぁ俺達はまだ男の俺がいるからまだいいとしよう。
もっとも、俺達の場合、俺が彼女を変態の道に引き込もうとしている悪役に見えるんだろうけどな。

「まくか」
「えっ?」

桐乃の手を取り一目散に階段に向かって駆け出す。

美咲さんもこれは予想外のできごとだったようで、尾行する側であるにもかかわらず思わず身を乗り出し、追いかけてこようとしていた。
していたのだが……なれない場所のためか、そのヒールの高い靴のせいか一歩目を踏み出した際にバランスを崩し派手に転倒してしまった。

「あっ」

やりすぎたか?とも思ったが、そもそも尾行する方が悪い。
…が、一応は無事を確認しとかないとな。怪我でもされてたらなんだか申し訳ないし

無事だけ確認したらすぐさま逃げ出すつもりだったのだが、結局俺は走り去ることはできなかった。
それは美咲さんが怪我をしていたから…というわけではなく、そこにあったのが見知った顔だったからだ。



844 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:42:32.68 ID:.ShKSPso
「ふぇ…フェイトさん?」
「え、えへ。ばれちゃった。ごめんね」

そう言って舌をぺろっと出したとぼけた表情をするフェイトさん。
え?なんでこの人が美咲さんのかっこしてんの?

「え…桐乃?これは一体……」
「う……こ、これは」

桐乃が言いよどんでいるとフェイトさんが口をはさむ。

「桐乃ちゃん?もういっそ白状したら?」

二人でなにやら企んでいたことを匂わせるフェイトさん。

「…桐乃、一体どういうことだ?」
「…………」

ここへきてだんまりである。
別に怒っているつもりはないんだけどなぁ……

「桐乃?別に怒っちゃいないから正直に言ってくれよ。じゃないと俺もどういう対応したらいいのかわからねえよ」

桐乃とフェイトさんが何を企んでいたのかはわからない。
だが、そのおかげでフェイトさんは派手に転んで危うく怪我するところだった。
それに関しては俺にも責任があるとはいえ、こんなことをした理由は聞いとかないとな。

「………」
「まさか俺をからかいたかったわけじゃないんだろ?」
「……あ……とデ……ったの」
「あぁ?なんだって?」

しまった、桐乃があまりにぼそぼそ喋るもんだからちょっと怒ってるみたいな口調になっちまった。
べ、別に怒ってるわけじゃないんだ……だからそんな泣きそうな顔をしないでくれ。お願いだ。

「あ……兄貴と……デートがしたかったの」

そう告白すると、ついに桐乃の目から涙が溢れた。
あまりの衝撃的な展開に脳みそがついていかない。
デートしたかった?桐乃が?誰と?あ、俺か…えっ?俺?


845 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:43:56.18 ID:.ShKSPso
頭が真っ白になって思考が停止している俺にフェイトさんが事情を説明してくれた。

「あのね、京介くん。桐乃ちゃんはあなたにかまってほしかったのよ」
「えっ?」
「あなた…最近他の女の子とばっかり遊びまわってるって聞いたわよ。それも女の子をとっかえひっかえで」

おい!なんて嘘をつくんだ!!
どこのエロゲの主人公だ……そんなやつがいたら会ってみてえよ。

「いやそれは嘘ですし、そもそもそれとこれと何の関係が……」
「鈍いわねぇ。桐乃ちゃんは超がつくくらいのブラコンなのよ」
「フェ、フェイトさん!」
「あっ……」

桐乃にたしなめられ、ごめんねと舌を出すフェイトさん。
……ちょっと歳考えた方がいいんじゃないかなと思います。

しかし、フェイトさんが言ったことが事実とするなら……

「おまえ、スカウトの話は嘘だったのか?」
「あ、あれはほんとだって!美咲さんは最初にスカウトされたときに断ったらちゃんとわかってくれて……」

最初?ひょっとして桐乃が帰国した直後に受けた電話での話のことか?

「……ってことは…まさか前会った社長もフェイトさんなの!?」
「うん、実はそうなの。どう?さまになってた?」

うそ…だろ…?
桐乃が加奈子がメルルコスをしていることを見抜けなかったことに対して、俺なら知り合いの変装なぞ一発で見抜くと内心思っていただけにこれは悔しい。

しかも、フェイトさんが煽り方が超うっとうしい。

「ねえ?今どんな気持ち?私の変装を見抜けなくて今どんな気持ち?」
「くっ……フェイトさんは就職したんですか?」

苦し紛れにちくりと苦言を呈する俺。

「………」

いきなり無言になり鬱状態に突入するフェイトさん。
あ、あれ?俺何かまずいこと言ったかな?

「私、そろそろ帰るわね。後は将来が希望で満ちている若者同士でやってちょうだい……」

いかん、どうやら押してはいけないスイッチを押してましったようだ。
……まさか自殺なんてしないよねあの人。



846 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:44:27.71 ID:.ShKSPso

ん?じゃあ御鏡が言ってた、美咲さんには兄妹だったことばれてたって言葉の意味は?

あの時の電話の会話内容によれば、本物の美咲さんの方は普通に説得したら納得してくれたんだよな?
なんでそこで彼氏とか兄妹とかの話題が出て来るの?
駄目だ…思考を巡らせても答えは出てきそうにない。

俺が眉間にしわをよせて考え込んでいるところに桐乃から声がかかる。

「ね、ねえ…」

今までのような高圧的な物言いとは違い、こちらの機嫌をうかがうような弱々しい声だった。

「うん?あぁ、すまん、どうした?」
「お、怒ってないの?」

そんなことを気にしてたのか。
俺が女の子とっかえひっかえで遊んでるという嘘を言っていたのは気にかかるが、怯えているような目の桐乃にこれ以上何を責められるだろうか。

はっはっは。もうこうなったらとことんやってやるぜ!
桐乃の真意がどうだったかなんてこの際意識の外に放り出してしまおう!

「怒ってねえよ。今日の俺は桐乃の彼氏だからな。彼女の嫉妬くらい受け入れてやるのは当たり前だろ?」

そう、今はまだ俺がこいつの彼氏役。
もっとも、この役目だけは当分誰にも譲る気はないけどな。

すると桐乃は照れくさそうに微笑んでこう告げた。

「あ、ありがと…きょ、京介。……京介のそういうところ大好き」

俺は大口開いて、目ぇ見開いて唖然とするしかなかったね。
だってよ、幾らなんでもありえねぇだろうが……
自分の目をと感情を盛大に疑いながらこう思ったのさ。
俺の妹がこんなに愛しいわけがない――――ってな。


おわり




847 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/17(金) 21:51:32.85 ID:QIYYVMg0
あれぇ…オチがくると予想してたのに!
乙!面白かっとうわああ


848 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:53:22.41 ID:AyjMZKoo
桐乃かわえええ


849 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 21:57:08.67 ID:.ShKSPso
最後のくだりが書きたくて勢いだけで書いた
次は沙織か黒猫か麻奈実の誰かかな


852 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 22:23:11.57 ID:FglGCaso
投下乙
いいSSでした
素直になる桐乃はかわいいな


853 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/17(金) 22:44:46.64 ID:anVENwAO
乙!
桐乃かわいいよ





854 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 23:22:40.03 ID:zEDCKbEo
この後帰りに駅前であやせに見つかる恒例行事は書かないの?


856 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/17(金) 23:40:09.21 ID:.ShKSPso
>>854そのネタもらった!
ちょっと書いてくる


875 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:18:11.06 ID:pbnclDUo
秋葉デートを終え、俺達が地元の駅まで帰ってきたところで事件は起きた。

「あ、あやせ……違うんだ。これには深いわけがあってな……」
「ふふふ、お兄さんったら。私言いましたよね?桐乃に手を出したらどうなるかって」

今、俺達の目の前にはあやせが立っており、その瞳からは光彩が消失している。

秋葉で桐乃から予期せぬ告白を受けた俺はすっかり舞い上がってしまい、地元に着いても手を繋いだままだった。
で、案の定そのラブラブっぷりをあやせに見られたというわけだ。
くそっ…なんていうお約束……

「ご、誤解なんだ。俺は桐乃に手を出してないし、これからも出すつもりなんてないって」

無駄かもしれないが一応の説得を試みる。
下手をすれば、「海がいいですか?それとも山がいいですか?」という究極の二択を迫られる結果となってしまう。

「そうだよ、あやせ。今日だって普通にデートしてきただけだもん。ねっ?京介」

あうとおおおおおおおお!!
おまえはなんてタイミングでデレてくるんだ!?「デート」もまずいが「京介」はもっとまずい!!

死を覚悟した俺はあやせの方を恐る恐る振り返り、そして……

ドンッ

「えっ?」

胸部に鈍い痛みを感じ、痛みを感じる場所に目をやるとそこからはおびただしい量の血が……



なんてことはなく、その場所にはあやせが顔をうずめるようにして抱き着いてきていた。
え?何これ?新手の死亡イベント?

「ちょ、ちょっとあやせ!?」

困惑する桐乃をよそに、俺の体に抱き着いたまま離れようとしないあやせ。

「あ、あんたも黙ってないでなんとかしなさいよ!」
「い、いや、そうは言うがな……」


876 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:19:54.64 ID:pbnclDUo
さて、これは一体どうしたもんかな。
俺が対応に窮し、棒立ちになっていると、意外にもあやせの方が先に口を開いた。

「お兄さんの馬鹿…どうせ手を出すなら桐乃じゃなくて私に出してほしかったのに……」

えっ?

「お兄さんってば、ほんとに鈍いんですから…私の気持ちわからなかったんですか?」

えっ?桐乃に手をだすなってそういうこと!?桐乃じゃなくて私に手を出せってことなの!?
わかるわけねえだろそんなの!!

目に涙を浮かべながら上目使いで俺のことを責めるあやせ。
瞳にも光彩が戻り、その表情はめまいがしてしまいそうなほどかわいいものだった。
…だったのだが、俺の視界にはその言葉を聞き阿修羅の表情となる桐乃が映る。

あ、あれ?なんだか想像してたのと違うけど死亡フラグが見える。
まさか、こういう作戦なの!?だ、誰か助けて……

「あ、あなた達…こんなところで何をやっているの?」

声がした方を振り返って見ると、いつものゴスロリのかっこに身を包んだ黒猫が呆れるような目でこちらを見ているのを確認できた。

「い、いいところにきてくれた!ちょっと助けてくれ!」
「…まず事情を説明なさい、事情を」
「い、いやそれがな……」

…なんて説明すればいいんだ?
黒猫にこのありえない事態を説明しようとするが、中々うまく言葉にできない。

妹とデートしてたら妹の友達が嫉妬しちゃいました。

端的に言えばこうなのだが、そんなうぬぼれた台詞なんて言えるわけがねえ。



878 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:21:17.59 ID:pbnclDUo
「ちょっと!京介はどっちを選ぶの!?」
「そうです!この際、はっきりしてください!!」

俺が頭を悩ましている間にも事態はさらに進展していたらしい。
どこをどう進んだらそんな会話になるの?

「……もういいわ。事態は把握したから」

黒猫は黒猫で今のやりとりを聞いて納得したようだった。
こいつってほんと空気読むのうまいよな…。

「事態を把握したならちょっと助けてくれないか?」
「………」

無言でこちらに歩み寄る黒猫。黒猫の瞳が赤く、怪しく揺らめいて見える。
今黒猫が何を考えているかはわからないが、こいつはこいつで何か考えがあるようだ。

やれやれ、これで何とかなるかな?

ドンッ

俺が一安心していると、今度は背中に鈍い痛みが走った。
俺が背中の方を肩越しに振り返るとそこには闇の力を解放した黒猫が………



なんてことはなく、そこには俺の背中に抱き着く黒猫の姿があった。

「あなたたちにこの人は渡さない」

黒猫、お前もか!!

黒猫が抱き着いてきたことによって、あやせと黒猫に挟まれた状態となる俺。
前後に感じる柔らかい感触が俺のリヴァイアサンを刺激する。
くっ……ここではまずい。鎮まれ…鎮まるのだ。

「ふぅ…お前ら、ここじゃ目立つし場所変えようぜ」

さながら賢者のごとく妙案を提案する俺。
そしてこの言葉で3人とも我に返ったようで、すぐさま俺から離れていく。



880 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:23:25.88 ID:pbnclDUo
しかし、

「あんたらには絶対負けないから。なんせあたしはもうデートもしちゃったんだし」
「桐乃には悪いけど、私も負けないよ。お兄さんが私にプロポーズしたの知ってる?」
「ふっ…あなたたち、私が先輩と付き合っていること知った上でそんな台詞を吐いているの?」

く、黒猫!それは今言っちゃだめえええええええ!!
こんなところで新たな火種を投下しないで!!

「はっ、当然でしょ!」

えっ?知ってるの?
……まだ桐乃には話してないはずなんだけど?

「残酷なこと言うようですけど、それってお兄さんに遊ばれてるだけですよ?」

あやせ?それって俺に対する悪口になってるのわかってるかな?
俺、ほんとに好かれてるんだよね?

「あれ?きょうちゃん、なにしてるの?」
「麻奈実!いいところに来た!こいつらの喧嘩を止めるの手伝ってくれ!」

こ、今度こそなんとかなる!
慈愛の精神の塊とも言える麻奈実ならばこの場を上手く納める方法も知っていよう。
頼るべきは、おばあちゃんの知恵袋だ。

「あ、桐乃ちゃんに、あやせちゃんに、五更さん。みんな揃ってるんだ~」

こんなときでもいつもの調子を崩さない麻奈実。
相変わらず空気の読めないやつだ。
だが、こいつのこういうぬるま湯みたいなところが、場を和ますのにはちょうどいいんだよなぁ。



881 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:26:49.85 ID:pbnclDUo
「ふぅ…これでなんとか……さぁ、お前らいいかげんに……」
    
「いつも、わ・た・し・の!きょうちゃんがお世話になってまぁす」

えっ?今何て言った?

言葉に意味を問いただすべく振り返って麻奈実を見てみると、いつもののんびりとした雰囲気とは異なり、
大魔王もかくやというような禍々しいオーラを放っていた。

くっ、出たなベルフェゴール。

「お、お前!なんてオーラ出してやがる!?」

見ろ!三人ともすっかり怯えちまってるじゃないか!!

「くっ、ここは一時休戦よ」
「仕方ないですね。まさかお姉さんが一番の強敵だったとは」
「さすがベルフェゴール…私の邪眼をもってしても勝てるかどうか…」

なにやらヒソヒソと相談している様子の3人。
お前らがいつまでも喧嘩してるからいけないんだぞ?

しかし…まさか麻奈実にあんな一面があったとは……
もうこいつのことを変にからかったりするのはやめよう。あやせ以上におっかねぇ…

「さっ、きょうちゃん。一緒にかえろ?」
「えっ?お、おい!?」

麻奈実に右腕をとられ、半ば強引にこの場から連れ去られる。


882 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:28:22.12 ID:pbnclDUo
「あ!待ちなさい!まだ話は終わってないわ!」

黒猫はそう叫ぶと麻奈実とは反対の腕に抱き着いてくる。

「そうですよ!ちゃんと誰を選ぶのかはっきりしてください!」

今度はあやせが俺の背中に抱き着き、俺の歩みを止めさせる。

「あんたら!あたしの京介にさわるなああああああああ!!」

桐乃は悪の帝王にとどめを刺す主人公のごとく叫ぶと、俺の前に回り込み正面から抱き着いてくる。

あ、そこにいらっしゃるのはお隣の奥さんじゃないですか。
ははは、今日はいい天気ですね。

くっそおおおおおおおおおおおおお!


「きょうちゃん?選ぶのはもちろん私だよね?」
「お兄さんのスイートエンジェルこと私ですよね?」
「彼女をさしおいて他の雌をえらぶわけないでしょう?」
「あんたらは京介のシスコンっぷりを知らないからそんなことがいえんのよ!」

へっ、こうなったら…こうなったらとことんやってやるよ。
どうせこのあと4股高校生として噂されるのは間違いないんだ。

えーっと…うろ覚えだが、確かちょっと前に見たアニメではこう言ってたんだっけ?

「よーし、いっそ全員で遊びに行くか!!なんせ……お前たちは俺の翼だからな!!」


おわり




883 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:29:24.73 ID:pbnclDUo
うん、正直いいオチが思いつかなった。許して
また書きにくるよ


884 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:30:12.40 ID:9/ZzMwgo
乙!
オチなんていらんかったんや!
ていうか普通に面白いよww


886 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:32:57.25 ID:2c.JKISO
乙なんだぜ
そらおとENDかと思ったらマクロスかw


887 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:34:48.55 ID:TDIdB.AO
お隣の奥さんでワロタ
次も頼むぜ


889 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21:53:24.60 ID:utE0s2DO
妹と愛人と恋人と嫁だから、何も問題ないんじゃないかな!な!





956 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:28:36.46 ID:J.VqS.6o
書いてる人がこないようなら書いちゃってもいいかな?


957 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:29:42.05 ID:4C4VEE.o
どうぞ


959 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:40:10.29 ID:J.VqS.6o
んじゃ書いちゃいますね
完結してるんで、バンバン行きます
では



あやせ「お兄さん早くしてください」

今日は8月17日、コミケ最終日の2日後だ。

突然だが、俺は今、あやせとふたりきりだ。

ふたりきりで秋葉原に来ている。

大事な事だから二回繰り返しました。

しかしまぁ、状況が状況じゃなければ手放しで喜べたんだけど……

あやせ「ちょっと、お兄さん!
何変な顔してるんですか、気持ち悪い。ちゃんと見てないと見失っちゃうじゃないですか、桐乃のこと」

変な顔で悪かったな。うれしいんだよ、俺はお前といられるだけで。

京介「ああ、悪い。ちょっと考え事だ」

あやせ「ちゃんと見ていてくださいね?じゃないとお兄さんを連れて来た意味がなくなります」

京介「了解。それにしてもあいつらはどこに行くんだろうな」

あやせ「分からないからこうして尾行してるんじゃないですか」

それもそうか。

あやせたんの言葉に頷きつつ、前にいる一組のカップルを見る。

一年前までは冷戦状態だった妹の桐乃となよなよしているけれど、俺と同い年なのにアクセサリーのブランドをひとつ任されている御鏡。



960 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:43:18.36 ID:J.VqS.6o
ことの発端はあの一言にある。

『今度紹介してあげよっか?あたしの彼氏』

この一言について俺はあやせに相談していた。

あやせ『桐乃に彼氏ですか?売り言葉に買い言葉だと想いますが、実際のところどうなのかは私にも分かりません。私も気になる部分があります。何かあったら教えて下さい。』

その言葉に従いコミケでの出来事を報告しておいた。すると

あやせ『御鏡さんはかなり怪しいですね。藤真社長の息もかかってるみたいですし、少し調べてみます。』

これから数分後

あやせ『スケジュールを確認したところ、ふたり揃って休みの日があります。もしかしたらこの日にふたりで出かける可能性があります』

いつだよと問いかけると

あやせ『今週末です。尾行しようと思うのですけど、お兄さんも来てくれますよね?』

もちろん!と即答したよ。

あやせ『なんでそんなに張り切ってんですか。まあ、いいです。その日は私は朝から張り込みますので、桐乃に動きがあったら連絡くださいね?』

図らずも当たってしまったあやせの予想。

なんつー女だよ、とは思うけど、絶対口にしない。

したら絶対殺される。

こうして桐乃を尾行、いや尾行というよりもストーキングに近い形で秋葉原へ来てしまった。

ふたりはコミケで偶然遭遇してお互いがオタクであると知っている。

だからこそのこのデートなのだろうか?

京介「普通デートで秋葉原はありえないだろ。」

思ったことがついこぼれてしまう。

あやせ「同感です。あの桐乃がデートだとしても秋葉原に行くなんて。信じたくありません。なのに桐乃ったらあんなに笑顔で・・・」

認めたくない気持ちはよく分かる。


961 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:47:11.70 ID:J.VqS.6o
京介「でもよ、なんか距離あり過ぎないか?」

俺とのデートの時は腕組んだしな。

あやせ「そうですか?初々しいころはあのような距離じゃないですかね?それに桐乃が男性の方とお付き合いしたという話は聞いたことがありませんし。だから、なおさら距離感がつかめなくて当然じゃありませんか?」

京介「そうかなあ?」

桐乃のこういう面についてはあやせの方が詳しいだろうから、何も言いようがない。

そうこうしているうちに桐乃達は建物の中へ入って行く。

あやせ「お兄さん。私達も入りましょう。」

あやせとともに店内へと入る。

夏なだけあって外はかなり暑かったけど、中はクーラーが効いていてかなり涼しい。

ふと隣に目をやるとあやせが立ち尽くしている。

京介「おい、大丈夫か?」

あやせ「へ、平気です!お、おおお、お兄さんに心配されるようなことはありませんから大丈夫です!」

めちゃくちゃ動揺してるじゃねえか。

ま、あやせたんのレアな姿が拝めたから文句はありません。

あやせ「あっ、こんなところでのんきに話している余裕はありません。急いで追いましょう」

そう言って人混みの中を掻き分けて行くあやせ。

読モをしているだけあって、容姿は半端ないものを持っている。

そんな人間がオタクの集まる店の中をひとりで歩いて行く。

必然的にあやせに周囲の目が集まる。

あやせはその視線には気付いてはいないようだ。

その光景に腹が立った。

こいつらにあやせが視姦されてたまるかよ!

京介「あやせ!そんなに焦るな。桐乃の行きそうな所ぐらいは検討が付く。だから、もう少し自分の心配もした方がいい。周りを見てみろよ」


962 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:51:42.41 ID:J.VqS.6o
俺の言葉に不満の色を丸出しにしつつも、従い、周囲を見回す。

刹那

あやせ「ひぃっ…… 」

こんな声初めて聞いたよ。

本気で怖がってんな。

これは好感度アップが狙えるイベントではないでしょうか。

桐乃から借りたエロゲーの中から似たようなシチュエーションがなかったか思い出す。

あった!

あやせに優しい声をかける。

京介「あやせ。手つなぐか?」

あやせ「な、ななな、なんてこと言うんですか!変態!変態変態変態!最悪です」

京介「あれ?なんで?こういったらうまく行くはずだったのに」

あやせ「何が言いたいんですか?」

光彩の消えた目とドスの効いた低い声で問いかけてくる。

こ、こえぇぇ!

怒ってらっしゃる。

なんで?エロゲーならこの選択肢で間違ってなかったはず!

あやせ「お兄さん。黙ってついて来て下さいね?」

怖い怖い。

反論なんてできやしない。

京介「はい」

これが限界だ。

こんなやりとりをしている間に桐乃達を完全に見失ってしまった。

あやせ「お兄さんのせいですからね。ちゃんと責任とって下さい」



964 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:53:43.66 ID:J.VqS.6o
京介「責任って、どうすりゃいいんだよ?」

あやせ「絶対に桐乃達を見つけて下さい。それで今回の件は不問にしてあげましょう」

お安い御用!

何年俺があいつの兄をやってると思ってんだ。

大体ここに来ると先ずあいつはエロゲーコーナーに来るはず。

京介「じゃ、エロゲーコーナー行くか」

あやせ「な、なな何考えてるんですか!中学生をエロゲーコーナーに連れて行くなんて非常識過ぎます」

京介「いやでも、桐乃なんか直行するんだぜ」

あやせ「桐乃と私は違います!」

京介「いや、そうだけど。そうだけれども。仕方ないだろ。目的は果たさなきゃいけないしな」

あやせ「そう言われると弱ります。仕方ないですね。行きましょう。絶対にゲームの話はしないで下さいね。その時は問答無用で殴りますから。」

京介「へいへい。」

俺は桐乃に押し付けられてただけだっての!

勘違いすんなよ!

あやせ「ついに来てしまいました。い、いかがわしい!」

京介「まだ入ってもないのに決めつけんな。じゃ、行くぞ」

あやせ「はい……」

顔を引きつらせながら恐る恐る足を踏み入れる。

頑張れよ、俺の海綿体(リヴァイアサン)

そこには俺たちを四方から見てくるエロゲーエロゲーエロゲーさらにエロゲー……

当たり前だけど場違い過ぎるだろ!

いつも感じてる空気のあやせの分2倍増ぐらいな……

あやせにいたっては

あやせ「なっ、これは……」

絶句。

顔を真っ赤にして口をパクパクしている。



965 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:55:21.38 ID:J.VqS.6o
おーい、あやせさん。モデルらしからぬ顔になっちゃってますよー

そう言える訳もなく

京介「あ、あやせ行くぞ。絶対ここにいるはずだから」

あやせ「え、あ、はい。それにしても本当にこんな所にいるのでしょうか。」

京介「間違いないと思うけど」

あやせ「ひゃっ! こ、これなんか箱なのに裸じゃないですか!」

言ってる意味がいまいち分かりませんよ、あやせさん。

京介「まあ、エロゲーだしな。仕方ないだろ」

あやせ「やはり、桐乃はこんなものが大好きなんですね。本当にどうにかしないといけない」

京介「それだけはやめてくれ。あいつの生き甲斐でもあるんだよ」

俺の本音でもある。

桐乃がアメリカに行っていた頃、大好きなエロゲーができなくて精神的に来てた。

それくらい本気ですかエロゲーを愛しているんだ。

京介「だからあいつからエロゲーを取ったらどうなるか想像もつかないしよ」

あやせ「ですけど!やっぱりこういうのはいけないと思います!」

前もやったろこのやりとり。

京介「そうだけど、桐乃自体に悪影響を及ぼしてる訳じゃないし。その証拠に俺だって……」

あやせ「お兄さんだって?」

京介「いや、何でもない」

何もされてないなんて

言えない言えない!絶対に言えない。

言ってたら、今ごろ地面にキスしてんだろうな。



966 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:57:45.27 ID:J.VqS.6o
あやせ「すごく怪しいです。何かよからぬことを考えてた目でした」

やばい。やばいよこの子。

なんで分かんの?

地雷だらけじゃねーか。

京介「そ、そんなこと、ねーよ」

あやせ「そんな詰まって言われても説得力ありません。この件についてはまたいづれ追及させてもらいますので、覚悟して下さいね?」

京介「ああ、分かったよ」

情けねーな、俺。

しかし、これだけ見てるのに桐乃の姿がない。

京介「あいつら一体どこ行ったんだ?」

あやせ「私が知る訳ないじゃないですか!」

そうだけど、そうだけども。

京介「とにかく次の所行ってみるか」

渋々俺の言葉に頷くあやせ。

こういう表情も最高だぜ!

京介「じゃ、次はフィギュアかな?いつも違うから分からないけど、行って見よう」

あやせ「はい。次こそは絶対いますよね?」

正直、分かりません。

1番自信のあった所にいないとなるともうどこも似たようなものだ。

エロゲーを抜け、フィギュアのある所へと向かう。

途中、あやせがポスターを見て顔をしかめることがあったが、これは見ない振り。

だって、不用意に突っ込んだらなんて言われるかわかんねーもん。

京介「ここだな」

目の前には大量の美少女フィギュア。

全部が全部俺らを見ているような気がする。


967 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:00:04.10 ID:J.VqS.6o
あやせはというと、再び目を見開いて硬直。

京介「おい、あやせ。行くぞ」

あやせ「はい。でも、これ位ならいいかな……」

京介「いや、そうでもないぜ。そうだな、この女の子を下から覗いて見たらわかる」

そういうとあやせは恐る恐る女の子の頭を指で挟み、自分の目線の高さへと持ってくる。

その光景に俺はにやける顔を抑えられない。

あやせ「お兄さん、その顔やめて下さい。気持ち悪いです」

分かってる、分かってるけど止められない。

あやせ「さては何か怪しいことでも企んでるんですね。いいです。のってあげましょう」

そう言って、女の子の無駄に短いスカートの中を覗く。

すると、また顔を真っ赤にして右腕を振り上げる。

刹那、左頬に乾いた音とともに衝撃。

痛ってぇ!

あやせ「こ、こここ、この子履いてない・・・ 下着はいてないじゃないですか!何てもの見せるんですか!変態!桐乃にもこういうことを強要しているんでしょう?最低です。死んだほうがいいと思います」

みんなが驚いてこっちを見てるじゃねーか。

恥ずかしくないのかよそんな大きな声でまくし立てて。

尾行中の身だから、目立ってはいけない。

京介「あやせ。一旦出るぞ。それからもう一度やり直しだ」

あやせ「うるさいです!変態!話しかけないで下さい」

そう言ってひとりで歩き出すあやせ。

これはまずい。

とにかく説得を!

京介「俺達は桐乃達の尾行をしている訳だろ?お前、ひとりであいつらの行きそうな所分かるのかよ」

あやせ「分かるわけないです。だから、お兄さんを連れて来たんじゃないですか。それなのにあんなことさせて・・・酷すぎます!」

確か最後は自分の意思で行ったよな。



968 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:04:21.83 ID:J.VqS.6o
んー、思ってたよりも遅いかも
もしかしたら次スレかも知れませんね


京介「悪かった!まじですまない」

あやせ「許しません」

えぇー、なんだよ。恥を忍んで頭を下げてんのに。

京介「あー、いい。行くぞ。外に出よう。もう一度考え直しだ」

あやせ「信じられる要素が微塵もありませんが、分かりました」

それで一旦建物の外にいる。

暑い。まじで暑い。

あやせに嫌われるし、

腹も減ってきたし……

京介「あー、もう。最悪だよ」

あやせ「それは私の台詞です」

京介「なあ、あやせ。飯食わねーか?」

あやせ「嫌です」

即答ですか。

京介「腹減ってきついんだけど」

だってもう1時過ぎてるぜ?

健康な男子高校生はとっくにペコペコなんですよ。

あやせ「少なくとも桐乃達を見つけて、桐乃達もご飯を食べたら私達もご飯にしましょう」

京介「先が長いよ」

ここで桐乃を見つけなければ昼飯抜きもあり得ると。

どんだけ鬼畜なんですかあやせさん。

さてどうしたものか。

こんな時頼りになる秋葉原に詳しく、桐乃のことをよく知り尽くしているヤツ……



969 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:07:45.00 ID:J.VqS.6o
沙織か……

電話するか。

京介「ちょっと待っててくれ。知り合いに桐乃の居そうな所を聞いてみる」

あやせ「例のオタク友達ですか?」

京介「ああ、そうなるな」

さて、出てくれるかな。

1コール目、2コール目、3コール目、4回目に入ろうとした所ででた。

京介「出たー!!」

沙織『何事でござるか、京介氏。何故にそのような異常なテンションで?』

京介「お前だけがたよりなんだよ!」

沙織『ふむ。何があったでござるか?』

京介「ああ、そうだった。桐乃が居そうな所を教えて欲しい。コミケの時に会った御鏡っていたろ?あいつと出かけて、尾行してたんだが見失ってしまった」

沙織『ははあ、ようは愛しい愛しい妹がぽっと出のやわ男に連れて行かれて、シスコンの兄が現在ストーキング中だと』

なんでそういう風に捉えるかな!

京介「違げーよ!妹の親友もいるんだよ」

沙織『その子は口実を付けるための保険的な』

京介「断じて違う。そろそろさ、真面目に答えてくれねーかな?」

あやせが怪しい物を見るような目で見て来るのですが……

沙織『そうですな。確か今日はメルルのイベントがあるはずでござる。多分、現在京介氏らがいる所は時間潰しに寄っただけかと』

おー、さすが沙織だ。オタク的なこととなると無類の強さだな。

沙織『まー、もともと拙者がきりりん氏に教えて差し上げたのですが』

さっきの俺の感心を返せ!

京介「それはどこでやってんだ?」

沙織『教えて差し上げましょうぞ。京介氏、現在地はーーー』


970 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:10:24.54 ID:J.VqS.6o
京介「あやせ!分かったぞ。もうここにはいない。メルルのイベントがあるらしくてそこに行ってるらしい」

あやせ「本当ですか?正直なところ信じられません。メルルのイベントなら加奈子やブリジットのところに連絡が来るはずですが」

京介「大丈夫。今電話してたやつは1番信用できる人間だからな」

あやせ「お兄さんがそこまで言うなら信用してみましょう。それでもいなかったらどうなるか、分かりますよね?」

やっぱ怖ぇよあやせさん。

身体が震えあがるぜ。

あやせ「何してるんですか。早くして下さい。急がないとまた分からなくなりますよ」

京介「あぁ、そうだな。急ぐぞ」

秋葉原のとあるホール。

大きいお友達の声が外まで漏れている。

あやせ「何度来ても気持ち悪いですね」

このホールには前にも来たことがある。

一度はメルルEXフィギュアを取りに、もう一度は加奈子の付き添いでだ。

しかし、この空気にはどうしても混じれない。

熱気がな、違うんだよな。

どこにこんなエネルギーがあるんだよってくらい。

あやせ「とにかく桐乃を探しましょう。それから次の事も考えましょうね、お兄さん?」

京介「了解。」

そう言って周りを見渡すものの、桐乃らしき茶髪が見当たらない。

見つけなくていい時は直ぐにみつかるんだけどなぁ。

あやせ「桐乃見つかりましたか?」

京介「いや、まだだ」

なんか前に来た時よりも人が多い気がする。

何?3期決定で人気再上昇なのか?

それはそうと早いとこ桐乃を見つけ出さねーと。



971 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:12:21.94 ID:J.VqS.6o
えーと、茶髪茶髪ー、茶髪の女はどこにいる?

あやせ「早くして下さい」

えっと、あやせさん、なんでそんな怖い声でいうのでしょうか?

ちょうどその時、メルルのOPが流れ始めた。

歌声に合わせて微かに聞こえてくるどこぞの女の猫なで声。

間違いない、この声は桐乃だ。

この間、うちで開いたメルル鑑賞会の時聞いた声と全く同じだ。

京介「声はするんだけど、どこにいるんだか」

あやせ「声が?桐乃の声ですか?」

京介「あぁ、音楽にのって微かにな。もしかしたら結構近いかも」

あやせ「まさかさっきから音源とズレて聞こえて来てるやつですか?どこかで聞いた事あると思ってたら、桐乃だったんですね」

意外と耳がいいんだな。

あやせ「いま、失礼なこと考えてませんでしたか?」

エスパーかっ!?

京介「そんなことねーよ。とにかく曲が終わる前になんとかして方向だけでも特定しねーと」

あやせ「頑張って下さい」

投げやりだな、おい。

京介「やろうって気持ちはないのか?」

あやせ「だって私にはほとんど聞こえてないんです。だから、仕方ないんです」

そう言って、ニコッと微笑む。

この笑顔を見るだけで許したくなってしまう。

女ってさ、ズルいよな……

京介「よし!任せろ!」

そう言ったものの、曲は残りわずか。

そして、数十秒後、終わった。


972 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:15:02.04 ID:J.VqS.6o
聞き取れなかった。

くそっ、英語のリスニングよりも難しいんじゃないか、これ。

あやせ「お兄さん、できました?」

京介「いや、できなーー

“おぉぉぉぉぉぉぉ!!メルル可愛えぇぇぇ!!”

大きいお友達の揃った声に押しつぶされれる。

その声が消えた後、よく響く声で

桐乃「メルル可愛いよー!お持ち帰りしたいよー!あぁぁ!もう、最高!」

恥ずかし過ぎるだろこいつ。

だけど、おかげですぐに位置を確認できた。

ちっ、御鏡のやつまだ桐乃といやがる。

しかも、御鏡までもが桐乃の行為に引いてるし。

あやせ「前回来た時も桐乃はこんな感じでしたね」

京介「家でもそうだよ」

この間なんかエロゲーしながら叫びまくってたしな。

あやせも完璧に桐乃の位置を特定し、監視しやすい位置に移動を開始。

やばい、腹が限界かもしれねぇ。

京介「飯食いたいんだけど」

あやせ「我慢して下さい」

京介「無理だ」

あやせ「ですから、桐乃達が食べたらって言いましたよね?」

いや無理だよ。

おなかとせなかがくっつくよ!

あやせ「我慢して下さいね?」

ニコッと微笑むがもうその笑顔には負けねーぞ。



973 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:17:13.65 ID:J.VqS.6o
京介「早く終わんねーかな」

あやせ「……」

必死なんだな。

ほどなくしてイベントも終わり、桐乃達も会場をあとにする。

あやせ「行きますよ、お兄さん。次は絶対に見失うわけにはいきませんからね?」

京介「分かってる」

あやせ「期待はしてませんけど」

じゃあ、なんでそう言って来たんだよ。

わけ分からん。

まあ、いいけど。

京介「こいつら帰るつもりか?」

あやせ「駅のほうに向かってますね」

このまま帰ってくれればありがたいんだが、せっかくあやせと2人きりなのにもったいない気もする。

あー、もう!やり切れねーよ。

あやせ「もう、完全に帰るようですね」

もったいないもったいない。

あやせ「お兄さん?元気ないですよ?どうしたんですか?」

京介「このままあいつらが帰ったら、あやせとこうして2人きりじゃなくなるじゃんか、それが悲しくて」

あやせ「な、なな、なんでですか!一体何を期待してたんですか!?」

京介「あやせの好感度UP!」

あやせ「絶対に上がりません。お兄さんのことは嫌いですから」

京介「そんなにはっきり言わなくても……」

あやせ「本気で落ち込んでるし……」

そんなこんなで地元の駅に到着。

なんとここまで御鏡がついて来ている。


974 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:19:29.11 ID:J.VqS.6o
ちっ、どうせ

“家まで送りますよ”

なんて言ったんだろうな。

腹が立つ。

あやせ「御鏡さんもここまで来ましたね。どういうつもりでしょうか」

京介「送りに来たんじゃねーの?」

あやせ「彼氏としては当然ですけどね」

京介「あやせ、家まで送って行こうか?」

あやせ「結構です。私はひとりで大丈夫です。逆にお兄さんが隣にいるほうがよっぽど恐ろしいですし」

なんて言いようだよ!

くっそー、なんか本当に傷つくわ!

京介「そこまで言わなくてもいいじゃねーか」

あやせ「お兄さんは私に全く信用されてませんから」

もう、いいよ。

それ以上言わないでくれ。

死にたくなって来るだろ?

京介「はいはい」

自分にメンタルのためにも適当にあしらう。

さてさて、桐乃達はどうしてるか……

ちょうどどこかの店に入って行ったようだ。

あやせ「ケーキ屋さん。私や桐乃が加奈子を連れてよく行く所ですね」

京介「ケーキ屋……だと?」

桐乃の擬似デートの時にきた所だ。

あいつらは何を考えてるんだよ?

あやせ「持ち帰るようですよ」


975 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:21:42.50 ID:J.VqS.6o
京介「なんで分かるの?」

あやせ「私達は常連ですよ?分からないわけ無いじゃないですか」

京介「なるほどな」

あやせ「中に入らないで外で出待ちしましょう」

京介「そうだな。つーか、なんのためにケーキ買うんだよ」

あやせ「お土産とかじゃないですかね?ケーキは生ものですから、近場で買わないとすぐにだめになりますし」

京介「へえ、お前はなんでも知ってるな」

あやせ「なんでもではありません。知ってることだけです」

ん?んん?

このやり取りどこかで聞いたことがあるような?

あやせ「あ、出てきました」

ケーキ屋から出てきた桐乃の手には少し大きめのケーキの箱が握られている。

あいつ、あんなに食うのかよ。

太るぞ。

あやせ「行くようですね。家に着くまでが尾行です!あと一息です」

お前の中じゃ尾行は遠足と同じ括りの中にあるんだな。

京介「なあ、あやせ。もしだぜ、もし御鏡が桐乃と一緒にうちに入って行ったらどうする?」

あやせ「ッ!? そんなこと考えてませんでした。十分にあり得ますよね!」

本気で動揺しているようだ。

あやせ「その時は、その時は……」

そう言ったっきり顔を伏せる。

あやせの表情は隣に立つ俺の目線からは伺えない。

気になるから問いかけてみる。

京介「その時は?」

あやせ「わ、私を、私を……」



976 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:24:28.43 ID:J.VqS.6o
京介「あやせを?」

こんな様子のあやせを俺はいままで見たことがない。

あやせ「やっぱり何でもありません!忘れてください!」

顔を伏せたまま言い放つ。

俺はどうすればいいのか全く分からない。

本当にこんなことは初めてだった。

あ、でも、エロゲーだったらこんな状況があったかもしれない。

しかし、相手はあやせだ。

常識は通じない可能性が高い。

京介「そうか、分かった」

あやせ「聞き分けがいいですね……」

語尾が少し震えている。

理由は全く分からないがとりあえず

京介「無理すんなよな」

これだけ言ってみる。

あやせ「やっぱりお兄さんは優しいです。初めて会った時と同じ……」

あやせ「私と桐乃がケンカした時だって、自分を私の敵にすることで、仲直りさせてくれて……」

京介「あやせ?何を……」

突然のあやせの変調に戸惑ってしまう。

あやせ「聞いて欲しいんです。最後まで聞いていて下さい」

京介「あやせの気がすむまで聞いてやるよ」

あやせ「ありがとうございます。お兄さんはこんなに優しくしてくれるのに……私はお兄さんのこと嫌っているのに、私の相談を受けてくれたり……」

当たり前じゃねーか。

お前も俺の大切な人間なんだ。

あやせ「今だってこんな妹の尾行をするなんて嫌なことを押しつけられてるのに、私のことまで気遣ってくれて……」



977 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:26:40.58 ID:J.VqS.6o
あやせ「本当はお兄さんには感謝してるんですよ。でも、やっぱりいちどとってしまった態度は変えられなくて……」

あやせ「いつまでもお兄さんを気持ち悪い人扱いし続けて……」

あやせ「本当はお兄さんのこと好きなんですよ!お兄さんが思っている以上には」

これまで1番望んでいたはずの言葉なのに俺はあやせの姿にどうしたらいいのか立ち尽くす。

夏の太陽が俺達ふたりをジリジリと照らし続ける。

少し傾いた太陽の影になっている顔からあやせの表情は見て取れない。

しかし、俺にはもう十分だった。

言葉はしっかり伝わった。

京介「もう、いいよ。あやせの気持ちはよく分かった」

あやせ「絶対嘘です。私はずっとお兄さんを騙し続けてたんですよ?いいんですか……?」

京介「いい、それでいい。でもさ、今は先にやることがある。そうだろ?」

あやせ「はい…… 終わったら少しお時間を下さいね…… お兄さんにはやっぱり言っときたいことがあります」

京介「分かった。何でも言ってくれ」

あやせ「はい!」

京介「じゃ、あと一息だ。頑張るか」

あやせ「はい、やりましょう!」

頑張るとは言ったけれども、そもそもこのストーキングもとい尾行は何のために行われたんだ?

桐乃の彼氏にいて、今日はふたりでデート、でその彼氏が御鏡だったと。

こいつは正しいよな?

なのにここまで付いてくる必要はあったのだろうか?

あまり深入りしなくてもいいような気もするけど……

やっぱりふたりの関係ははっきりさせておきたいというところだろうか。

ふたりの関係?

御鏡は擬似カップルになってた俺達兄妹を別れさせるためにあてがわれた可能性がある。

桐乃とはふたりで会ったこともあるし、コミケでの偶然の出会いもある。



979 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:28:34.30 ID:J.VqS.6o
よくよく思い出してみるとあの時の態度はどうも彼氏彼女のそれじゃなかった。

たかが2日空いただけで、そんなに大きく事態が変わるとは思えない。

いやまあ、世の中にはそんな人間もいるかもしれないけど、少なくとも桐乃にはそんな芸当はできない。

長年、あいつの兄貴やってる俺の勘ではあいつらは付き合ってはいない。

こいつを踏まえて今日のふたりの様子を振り返ってみると、確かに付き合ってるようには思えない。

会話こそは自然そうに見えたものの、どうも付き合ってるような距離感というか、親密感というかそういいのが欠けていたような気がする。

京介「なあ、あやせ」

ずっとだんまりと考え込んでいた俺が唐突に話しかけたせいか、あやせは少し驚いたようで

あやせ「な、なんですか?」

と少し声が上擦っている。

京介「今日さ、あいつらを尾行してみて付き合ってるように感じたか?」

あやせ「え?そうですね。少なくとも私には付き合ってるように見えました」

京介「多分、思い込みのせいでそう感じてるんだと思う」

あやせの思い込みの強さは一級品だからな。

京介「聞いてくれ、あやせ。俺の推理を」

あやせ「名探偵気取りですか?いいですよ。お兄さんの名推理、じゃなくて迷推理を聞かせてください」

ん?なんか悪い方に言い換えられたような……

しかし、そんなのはもうどうでもいい。

俺の名推理であやせのハートをがっちりキャッチだぜ!

京介「結論から言う」

京介「あのふたりは付き合ってはいない」

あやせ「分かりましたから、そう判断した理由を聞かせてください」

京介「桐乃と御鏡、このふたりは知り合ってからまだ日が浅い」

あやせ「世の中にはそういう人達もいますよ?」

京介「少なくとも桐乃はそんな人間ではないだろ?これはあやせもよく知ってるはず」



980 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:30:42.82 ID:J.VqS.6o
あやせ「確かにそうだと思います。でも、それだけだとものすごく弱いですよ?」

京介「焦んなって。俺はコミケの最終日に御鏡と会っている。桐乃を交えて会話もした。その時の印象は仲はまあまあいいけれど、そういう関係になるほどは感じなかった。桐乃に引っ張られている、そんな印象しか受けなかった」

あやせ「はい、それで?」

京介「それで今日のふたりの態度だよ。距離はあるし、なんか
か桐乃の表情も好きな人といると言うよりも、同じ趣味を持っているし、自分と同じ世界で仕事をしている人間と一緒にいるという安心感があるようにしかみえないし」

あやせ「それはお兄さんの思い込みのような……」

違うのさ、あやせ。

俺にはとっておきの一言がある。

正直、自分で黒歴史をほじくるのもいやだけど、仕方がない。

よく聞けよ。

京介「俺はあいつとのデートの時は腕を組んだからな!」

どすっ!

あやせの右腕が一瞬で俺の鳩尾に叩きこまれた。

京介「うぐぁっ」

息が、息が出来ねえ。

あやせ「なんてことしてるんですか。桐乃に手を出したらどうなるかってちゃんと言ってたはずですよ?」

京介「でもよ、考えてもみろ。大っ嫌いって言ってる俺と腕組めるのに、なんで大好きな彼氏と腕くめないんだよ」

あやせ「確かにそうですけど、そうですけど……」

まだ、納得がいかないか。

京介「でもよ、桐乃の性格を考えると、好きな人と腕を組めないなんてありえない」

あやせ「そうです。桐乃なら本当に好きになった人には夢中になって、きっとずっとその人から離れようとしないと思います」

納得してもらえたみたいだな。

あやせ「そして、桐乃と御鏡さんが付き合っていないとしてこれからどうするつもりですか?おふたりは家に入って行ったようですよ?」

なにっ!?家にだと!

俺が推理を垂れている間に、家の前だよ。

くそっ、想定し得る最悪のパターンじゃねえか。


981 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:32:22.04 ID:J.VqS.6o
あやせ「どうしましょう?さすがに家に入られると私は手が出せません」

さて、どうしたものか。

さっきの推理のせいで何も対策を考えていなかった。

京介「俺の彼女としてうちに入って……」

あやせ「却下です」

京介「なら、あやせが桐乃を説得するとか」

あやせ「なんで私に丸投げするんですか?お兄さんがしてください」

お前は俺に丸投げしたじゃん。

京介「分かった。じゃあ、お前は俺の部屋で待っていてくれ。まじでヤバそうな時には助けに来てくれるとありがたい」

あやせ「分かりました。そうしましょう。それとお兄さんの部屋にいる上で触って欲しくない所とかありますか?」

京介「棚の1番上の引き出しの……」

はっ!しまった。

つい普通に答えてしまった。

移したばかりのエロ本の隠し場所!

慌ててあやせを見ると、ニヤニヤした顔で

あやせ「単純ですね、お兄さん?」

と一言。

死にてえ。

少し緊張がほぐれたところで、あやせを部屋に招きいれ、待機させる。

あやせ「じゃあ、お兄さん、安心して行って来て下さい」

少し不安にさせるセリフを聞いて自室を出る。

あやせを連れて部屋に来た時はお袋の声が聞こえていたが、今は聞こえない。

買い物に行ったのだろうか、桐乃と御鏡の声しか聞こえない。

しばし、リビング前に立ち止まって、心を落ち着かせる。

京介「ふぅっー」



983 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:34:33.76 ID:J.VqS.6o
大きく息を吐き、リビングのドアに手をかける。

刹那、ドアが開いて御鏡が現れる。

トイレにでも行くつもりだったのか? 知ったこっちゃねーけどな。

御鏡「あっ、京介くん、お久しぶりです。」

京介「ああ、そうだな」

なんで俺戦う相手と普通に挨拶してんの?

御鏡の声に反応してか、桐乃が出てくる。

桐乃「ちっ、あんた、帰って来てたんだ。どうせ今日も地味子と図書館行ってたんでしょ?」

尾行してたのはばれてないみたいだ。

京介「まあ、そんなところだ」

しまった!

とっさに嘘をついてしまった。

京介「いや、違う」

桐乃「はあ?じゃ、何してったて言うの?」

京介「お前達ふたりについて話がある」

桐乃「なんなのいきなり、会話を混ぜないで欲しいんですケド。あたしはあんたなんかに話はないし。彼氏が来てんのに野暮ったいことしないでよね」

彼氏って言い張るか。

本当はそうじゃないだろ。

いつまでもそう言い続けるんなら

その幻想を俺がぶち[ピーーー]!

ふっ……このフレーズもどこかで聞いたことがある気がするぜ。

京介「御鏡、お前達今日、どこか行ったのか?」

桐乃「そんなことあんたには関係ないでしょ!」

京介「お前には聞いてない。どうなんだ御鏡?」

桐乃「ちっ」



985 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:36:36.84 ID:J.VqS.6o
桐乃は面倒臭そうに顔をしかめる。

御鏡「まあまあ、桐乃さん、落ち着いて。確かに僕達は今日出かけましたよ。」

京介「どこに?」

御鏡「秋葉原です!」

ここまで全く矛盾点がない。

つまり、突っ込みどころがないのだ。

御鏡「秋葉原ってすごいですね!初めて行ったんですけど、たくさん物があって、すごく興奮しました!」

そんなに力説されてもこちらのイライラが募るだけなんだが。

御鏡「他にもメルルのイベントにも行って来ました。あの熱気はすごかったです。あと桐乃さんのテンションにもびっくりさせられました」

あー、うぜえうぜえ。

落としやすそうだからって、御鏡を標的に選んだのは失敗だったか。

やはり、感情的になりやすい桐乃を狙うべきだったな。

京介「桐乃、お前はどうだったんだ?」

桐乃「別に。いつも通りだし」

なんでこんな時に限って、こんなに冷静なんだよ。

こんな流れでは切り札さえ切れない。

どうにかして会話で引き寄せなければ。

この会話だとどうしてもオタトークで終わってしまう。

そこで俺は本題を切り出すことにする。

京介「お前らはさ、その、付き合ってんのか?」

桐乃「当たり前じゃん。つーか、そんなことわざわざ聞かなくたって分かるでしょ、ふつー」

うっぜー、まじで腹立つわこの女。


986 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:38:13.65 ID:J.VqS.6o
京介「御鏡、本当か?」

御鏡「ええ、そうです。僕は桐乃さんとお付き合いさせてもらってますよ」

崩れねーな。

どんだけ忠実なんだよ、こいつは!

京介「どうもさ、ふたりが付き合ってるようには見えねーんだよ」

桐乃「はあ?何言ってんのあんた?人の恋に口出ししないでよね、このシスコン!シスコンが重症化して、妹に彼氏ができるわけないなんて思っちゃってるんでしょ?あー、キモいキモい。さっさとどこか行ってくんない?」

京介「シスコンじゃねーよ!」

耐えろ、俺!

桐乃「だってあんたこの間、昼間から『俺はシスコンだぁぁぁ!!』って叫んでたじゃん」

京介「そ、それは違ーよ」

桐乃「どこがどう違うのよ?」

反論の余地がねえ。

くそっ、こうなったら仕方ない。

京介「付き合ってるって証拠でもあるのかよ?」

絶対に言いたくなかった一言。

一歩間違えれば、全てが終わりになってしまう一言。

桐乃「あるよ。前にも言った通り手も繋いだしキスもした。だから簡単」

そう言って桐乃は御鏡を見上げ、そっと顔を近づけて行く。

俺はそれを止めることが出来ずにただ見つめることしか出来ない。

顔と顔が近付き……

ちゅっ

中学生らしい初々しい触れるだけのキス。

余韻を楽しむように見つめ合う桐乃と御鏡。

それをただ驚いた表情で見つめる俺。

しばし、静寂が続くと思っていた矢先



987 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:40:03.28 ID:J.VqS.6o
あやせ「桐乃!何してるの?なんでキスなんかしちゃうの」

お前、見てたのか!?

2階からあやせが降りて来る。

途端に桐乃の顔が蒼ざめる。

桐乃「え、あ、あやせ?なんでうちに?まさか全部聞いてた?」

あやせ「当たり前じゃない。どういうことなの?本当に御鏡と付き合ってて、桐乃の意思でキスをしたの?嘘だよね?嘘だと言ってよ!ねえ、桐乃!」

去年のコミケに帰りに出会った時よりも怖い。

あやせ「嘘、嘘嘘嘘嘘嘘!桐乃がこんなに簡単に人前で恥じらいもなしにキスするわけない!私の前にいる桐乃は桐乃じゃない!」

桐乃「そんなことない!私は御鏡の事が好きだもん!一緒にいたいってそう思うもん!私の趣味にも理解あるし、それに、それに……」

あやせ「それに、何?」

桐乃「すっごく優しいの」

あやせ「桐乃は去年から、お兄さんの優しいところが好きだって言ってたじゃない!それでも、それでも、桐乃は御鏡さんんを選ぶの!?」

桐乃「当たり前じゃん!あたしの彼氏、そう!彼氏なんだし!」

あやせ「そう、じゃあ、お兄さんは私が貰うから!私だってお兄さんの事好きだった。だけど、桐乃も好きだったでしょ?だから、遠慮してたんだよ。でも、桐乃は御鏡さんを選んだ。だったら、お兄さんは私が貰っていっても文句はないよね?」

桐乃「……や…… いやだ。絶対にいや、いやいやいやいやいや!」

あやせ「何?ふたりとも欲しいの?そんなこと許されるはずないでしょ?分かってるよね、ねえ、桐乃?」

あやせ「お兄さんか御鏡さんかのうちで桐乃は御鏡さんを選んだ。だったら、私がお兄さんと付き合う権利はあるよね?」

桐乃「そんなの、いやだ……いやだよ、ねえ、あやせ。なんで?なんでこんなことするの?」

あやせ「桐乃のことが心配だからに決まってるでしょ!」

そう言って、辛そうな目をして俺を見つめて来る。

前髪のかかった双眸にはうっすらと涙が溜まっているようだった。

桐乃「あたしがいつまでもあんたの保護下にいる必要はないでしょ!」

あやせの表情がくもる。

あやせ「そう、だけど……やっぱり桐乃には……」

桐乃「あー、もう!うざいうざい。ちょっとかわいいからって、馬鹿兄貴から言い寄られてるからって、調子乗りすぎなの、あんた!出てって、早く出てって!二度とうちに来んな!」



988 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:41:40.77 ID:J.VqS.6o
あやせ「そう、じゃあもう私達は赤の他人なんだよね?だったら、この家のモデルしてる女の子の部屋の棚の中には、大量のいかがわしいものがあると言ってもなんの問題もないってことで。仮にそれが他人に知られても、情報を漏らしたのは赤の他人ってこと」

そう言って、俺の腕をとるあやせ。

京介「ちょっ、あやせ……」

言葉が出ない。

なんて言っていいのか分からなかった。

こんなことになる予定じゃなかったはず。

あやせ「お兄さん、行きましょう。私の家に来てください。こんな女がいると嫌でしょう?これからはずっと私が一緒にいますから。何があっても絶対に私だけはお兄さんのそばにいますから。だから、私と来てください。お願いします!」

あやせが俺の手を引く。

しかし、俺は動けない。

あやせが必死な目で俺を見つめて来る。

ふたりとも俺の大切な人間だ。

桐乃は俺のたったひとりの妹。

あやせはそんな妹の大親友。

そんな大切なふたりの仲を引き裂いてしまった。

あやせ「さ、お兄さん早く行きましょう。こんな忌々しい場所から早く立ち去らないと……」

あやせは俺ではなく、桐乃を見ながら言う。

しかし、桐乃はその視線に気付くわけでもなく、顔を背けている。

御鏡もどうしていいのか分からずに、ただ桐乃の肩を抱くだけ。

俺は半ば引きずられるようにあやせの家へと連れていかれる。

家を出た時

あやせ「じゃあね、桐乃」

消え入りそうな声でつぶやいた。

あやせ「ごめんなさい、辛い思いをさせて」

京介「いや、あれは俺のミスだよ。あの時あんなことさえ言わなければ……」

あやせ「いいえ、お兄さんは悪くないです。悪いのはあの女ですから」


990 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:43:24.28 ID:J.VqS.6o [28/29]
あやせ「さ、私の家に急ぎましょう」

あやせの部屋に入る。

ついこの間、ここに来た時はかなり嬉しかったのに、今日はそんな気持ちではない。

変わらないであるのは石鹸のような淡い香り。

俺は床に座り、あやせは部屋の中央に俺に背を向けて立っている。

おもむろにあやせは棚の上に飾られているあるひとつの写真立てを手に取り、見つめ、辛そうに表情を歪めたと思うと、意を決したようにそれを投げた。

部屋のドアに当たり、ガラスが砕け、音をたてて床に落ちる。

音とともに聞こえてくるすすり泣く声。

それがあやせのものだと直ぐに分かる。

あやせ「お兄さん……辛い思いをさせて本当にごめんなさい……」

これはあやせの本心であろう。

しかし、俺は桐乃のことが心配でならない。

あやせ「安心して下さい。どうせあの女は海外に逃げるでしょうから、これからはあの女の分まで、いや、それ以上にお兄さんの事を想い、お兄さんのためだけに生きて行きますから、ずっと私と一緒にいてくれますよね?絶対に離れませんからね。これからもずっと一緒です。私はお兄さんのことが大好きですよ。お兄さんはどうですか?もちろん好きですよね?『結婚してくれ』なんて言って来てた位ですしね。それに『愛のこもちゃプロポーズだ』とも言ってましたし。答えはもちろんOKです。あの時は断ってしまいましたが、そう言うしかなかったんです。でも、もう失ってしまったものがある以上、また得るものがあってもいいですよね?」

間髪いれずに話して来る。

あやせの気持ちも分かるけど、俺はやっぱり……

あやせ「……だから、お兄さん、私と一緒にずっと一緒に、生きてください」

これ以降しばらくは家には帰らなかった。

いや、帰れなかった。

あやせが“あの女がいる家に行かせるわけにはいきません”との姿勢を崩すことがなかったからだ。

その後、俺が初めて家に帰ったのは家に帰ったのは桐乃が海外に行ったという知らせを受けてからであった。



終わち!!




991 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:45:45.93 ID:qMvRBoMo
おいwwwwwwwwwwwwwwww


992 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:46:11.59 ID:Kuyxod20 [2/3]
乙~
あの女好きだけど
あの女はブチコ○スべきだったww


993 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:47:35.48 ID:J.VqS.6o [29/29]
終わちってなんだよ…

とりあえず以上です
ひたすら投下するだけでしたが、読んでくださった方ありがとうございました
レス入れてくれた方、励みになりました

今回は初投下ということで、拙い部分も多かったでしょうが、楽しめていただけたのなら幸いです


994 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:48:56.59 ID:ZxWnMPQo [11/12]
力作乙でした
桐乃とあやせが仲違いするのは読んでてつらいな…

次も頼むぜ


995 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 21:49:26.11 ID:Kuyxod20 [3/3]
そして誰も救われなかったww


998 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 21:50:34.76 ID:jQ4VEoAO
あやせ「計画通り…」


999 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 21:50:45.55 ID:40plp8s0 [3/3]
おつ
SS初か、頑張ったな
結構時間かかったろうに


6 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 22:02:35.08 ID:J.VqS.6o
前スレ
>>991様
思いつきで書いたらこうなりました すいません
自分でも欝展開になるとは思ってませんでした

>>992様
続きかければやってみたいですが、自信がないのです

>>994様
私も辛かったです ほんと、はい、すいません
ネタがありません 時間がありません 意欲はあります

>>995
みんなが不幸になっちゃいました

>>998
あやせ「桐乃さえいなければ」
で企画建てたのですよ、もともと

>>999
3日間 計10時間程かかりました

いいネタがあったら、またここに投下しようと思います
ネタ提供待ってたりします
では、またいづれ……





116 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/21(火) 00:00:15.71 ID:3EgTNmAo [1/6]
じゃあ、もしもあやせが2巻で桐乃の趣味を知ることなく、
京介とあやせの仲が進展していき、
桐乃がそれにやきもきする話とか


121 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/21(火) 00:19:17.25 ID:A.Uem6AO [1/3]
些細なことで口論になって桐乃と口をきかなくなり
その解決策を黒猫に相談したらまた口論になって
黒猫とも口をきかなくなるも限界に達した黒猫が泣きデレて
京介とイチャイチャモードになったところを見かけてしまった
桐乃が大号泣デレ


142 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/21(火) 19:32:16.38 ID:1k.48b.o [1/3]
>>116と>>121を混ぜてのんびり書き溜めるよ


249 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:01:44.24 ID:K/Nzm0co [4/16]
>>142の話を書いてたわけだけど、ちょっと長くなりそうなので前後半わけて投下していい?
今日前半投下して、明日後半投下する形で
一応前半だけでも完結っぽくはなってる


250 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:02:27.31 ID:j9W4tGEo [3/4]
まったく問題ありません!


251 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:33:59.20 ID:K/Nzm0co [5/16]
じゃあお言葉に甘えて投下開始してくよ



252 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:35:33.33 ID:K/Nzm0co [6/16]
「ふぅ…なんとかバレずにすんだな」
「うん。あやせにばれたら取り返しのつかないことになるとこだった…」

コミケからの帰り道、俺達はあやせに遭遇してしまった。
しかし、運よくこちらが先にあやせの姿を発見できたこともあり、黒猫達に荷物を預けることで桐乃のオタバレを回避できたってわけだ。

もし、あやせに先に見つけられてたらと思うとぞっとするよ。

「後で、あいつらにもお礼言っとかないとな」
「いちいち言われなくてもわかってるっての。後で電話しとくから」
「さいですか」

――――――――――――――――――

夏休みも終わろうかとしている頃、唐突に俺の携帯が鳴った。
画面を見てみるとそこには『あやせ』の文字。
届いたメールを開き内容を確認すると、そこには『13時に○×公園に来てください』と書かれていた。

なんだろう…猛烈に嫌な予感がする。
あのお人好しそうな少女がこんな事務的な文章のメール送ってくるってことは……

「……………まさか桐乃のオタク趣味がばれたのか?」

一見完璧に見える桐乃だが、たまにとんでもないドジをやらかすことがある。
追い詰められるとテンパってしまって間抜けな発言をしてしまうことも少なくない。
何かの拍子にオタク趣味がバレてしまったことも十分考えられた。

「そういえば桐乃のやつ、昨日どっか出掛けてたな…まさかその時に何かやらかしたか?」

そもそも俺や親父にオタク趣味がばれてしまった原因も、遊びに行くついでにメルルのDVD持ち出したのが原因だからな…

あやせに鞄の中身を見られて……

「ち、違うのあやせ!これは…そう!あ、兄貴がどうしても行ってこいって!」

テンパってしまって思わずこんな言い訳をしてしまう姿が容易に想像できてしまう。

「はぁ…仕方ないか……今何時だ?」

ぼやきながら時計を見つめ、覚悟を決めるための残り時間を確認する。

「げ…あと30分しかねえじゃねえか」

結局覚悟を決めるための猶予も与えられないまま、俺は桐乃のドジの尻拭いへと出向くのだった。



253 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:36:44.73 ID:K/Nzm0co [7/16]
俺が公園に到着する頃にはあやせはすでに到着しており、俺の姿を見とめると手を振りつつこちらに駆け寄ってきた。
あれ?なんか上機嫌っぽいな。俺の心配は的外れだったかな?

「急に呼び出しちゃってごめんなさい。忙しくなかったですか?」
「大丈夫だ、暇だったから気にすんなって」

どうやら上機嫌なのは俺の気のせいではないようだった。

ん?じゃあなんで俺を呼び出したんだ?
まさか、こんな美少女が俺なんかにデートのお誘いってこともないだろうし。

俺がありもしない妄想に考えを巡らせていると、あやせがその件に関して語りだした。

「お兄さん、人生相談があります」
「え?俺に?説教じゃなくて?」
「説教ってなんですか。あんまり失礼なこと考えてると怒りますよ?」

そう言うと頬を少し膨らませて不機嫌をアピールするあやせ。
やばい、この子超かわいい。

3つも年下の中学生相手だというのに不覚にもドギマギしてしまう。
桐乃や黒猫も確かにかわいいが、この子はまた違ったかわいさがある。
お、落ち着け俺。ここは年上らしく頼れるって所をアピールするんだ。

「悪い悪い。でも…なんでまた俺なんだ?」

冷静になって考えてみれば、知り合ったばかりの俺に人生相談する理由が見当たらない。
人生相談であれば人生経験豊富な両親等の大人や、悩みを共感してくれそうな桐乃のような同級生に頼むのが普通だろう。

じゃあなんで俺に?少し年上の男性じゃないとまずい理由でもあるんだろうか?

「実は桐乃がお兄さんのこと話してるのを聞いて……それで」
「桐乃が?」

いやいや、ちょっと待ってくれ。
あいつが俺の話?その時点でもうやばいじゃないですか!?

『あの駄目兄貴が最近またセクハラしてきてさぁ…』
『あいつの変態っぷりも堂に入ってきてて…』

こんな会話がなされていたかと思うと泣きたくなってくるな。

「……その理由を聞いて増々わからなくなったよ」
「えっ?なんでですか?桐乃ってば最近はいっつもお兄さんの話ばっかりですよ?」

うおおお!もうこれ以上俺の心を痛めつけるのはやめてくれ!!
このままじゃ俺のイメージが変態で固定されちゃう!!



254 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:37:58.33 ID:K/Nzm0co [8/16]
「お、お兄さん!?なんで涙目になってるんですか!?」

くそっ…桐乃め……俺になんの恨みがあって……

「……ちなみに普段桐乃は俺のことなんて言ってるか教えてもらってもいいか?」

ここまで来たら確認せざるを得ない。
怖いもの見たさってやつもあるが、このままモヤモヤし続けるよりはいっそのことバッサリいってくれた方がよっぽどいいからだ。

「そうですね…お兄さんが最近妙に優しくて世話焼いてくれるとか……変なところで頼りになるとか……」

え?嘘でしょ?

「嘘じゃないですよ?さすがにさっきの通りの言葉じゃないですけど、伝えようとしていることは合ってると思います」

まさか…そんな……
だって…あいつは口を開けば憎まれ口ばっかりで、不満ばっかりぶつけてくるあの桐乃が?

「だから、私もお兄さんに相談しようって思ったんです」
「そうだったのか…そっか……あの桐乃が」

くっ…不覚にも感動してしまった。
ずりいよ、こんな不意打ち。

「で、私の相談内容なんですけど……わ、私の彼氏になってくれませんか?」
「えっ?」
「あ、あの…ダメですか?」

心配そうな表情で俺を見つめてくるあやせ。
その顔はうっすらと上気しており、目は少し潤んでいる。

「ダ、ダメというか…その、俺達知り合ってまだ間もないし……そういうのってやっぱりもっとお互いを知り合ってから……」
「え…あ!ち、違うんです!こ、これはには理由が!理由があるんです!!付き合って欲しいとかじゃなくって!」

両手を振って全力で否定するあやせ。
なにもそんな力の限り否定することなくね?

そもそもさっきの言い方で勘違いするなって方が無理だよ。

「じゃあ、一体どういうことなんだ?」
「それはですね……」


255 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:39:29.49 ID:K/Nzm0co [9/16]
「つまり、俺に彼氏のフリをしてあやせの友達に会えと?」
「その通りです」
「一体何がどうなったらそんな事態になるんだよ……」

今どきの女子中学生の考えることはわからん。
いや、今どきでなくてもわからないし、女子高校生の考えることだってわからないけどさ。

「じ、実は……」



あやせの話によると、昨日モデル友達に彼氏がいないことをからかわれたそうだ。
なんでも、あやせは前々から彼氏はいないと宣言していたようなのだが、

「モデルやってて彼氏できないとかありえなくない?」

とか言われちまったらしい。
で、売り言葉に買い言葉で、

「わ、私だってもう彼氏くらいできたって!」

なんてことをついつい言っちまったそうだ。

誰だよ、俺のあやせたんにそんなビッチ思想を植え付けようとしている奴は。
それにあやせの場合できないというよりは作らないといった方が正しいだろう。

「事情はわかった。でもほんとに俺でいいのか?あやせならもっとかっこいい知り合いだっているだろ?」
「私はお兄さんがいいんです。あ……ひょっとしてもう誰かとお付き合いされてたりとか?」
「いや、それはない。まぁ、あやせがいいのなら喜んで協力させてもらうよ」
「ありがとうございます!じゃあ詳しい日時ですけど……」



「わかった。じゃあその時間に」
「はい、お願いしますね」

さて今後の予定も決まったところで、俺はあやせに確認しておかねばならないことがある。
桐乃はこのことを知っているのかって事と、例のモデル友達は俺を桐乃の兄と知っているのかって事の二点だ。

あやせのモデル友達であるならば、読モである桐乃とも知り合いである可能性が高い。
口裏合わせはしっかりやっておかないとね。



256 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:41:00.63 ID:K/Nzm0co [10/16]
「桐乃は知ってますよ。お兄さんを一日借りたいって言ったらすごい渋い表情になってましたけど。
 お兄さんを取られるのが相当嫌みたいですね」

その時の桐乃の表情を思い出したのかクスクスと笑うあやせ。
残念だったなあやせ。悪いがそれは勘違いってやつだ。
桐乃が渋い表情をした原因は、間違いなくおまえのことが心配だからだろう。
俺がおまえに手を出しやしないだろうかと心配になってるのさ。

…親父に殴られてまで桐乃のオタクグッズを死守したってのに、未だに信用されてないってのも少し悲しいけどな。
まぁ、それと友達のことを心配するのとは別の話か。

「もうひとつの方ですけど、そちらに関してはまだ何も言ってないですからどうとでもなります」

そっか、そりゃ好都合だ。

「でもどうしてですか?」
「ん?何がだ?」
「桐乃が知ってるのかって方はわかります。でももう一つの方をお兄さんが気にする理由が今ひとつわからないんですけど」
「あぁ、簡単なことだよ」

今回はあくまで彼氏のフリなんだから、当然いつかは『あの彼氏とは別れたんだ』と切り出す必要がある。
友人の兄と付き合っててそれで別れたとなると、周りも気を遣ったり色々噂したりするんじゃないかと思ってな。
こんなことが原因で変に気を遣われたりするのも嫌だろ?

「あははは、今どきそんなの気にする女の子の方が珍しいですよ?」
「えっ?そうなの?」
「そうですよ。お兄さんって、なんというか古風ですね」

う、うっせ!ほっとけ!
くっ……まじか……今どきの子は誰が誰と付き合おうと構わないってスタンスなのか。
…ふーん、そっかそっか。

「じゃあ、あやせと俺が実際に付き合うことになっても問題ないわけだ」
「は、話が飛躍しすぎですよ!?」
「はっはっは、冗談だって」

さっき笑われたお返しだよ。

「むぅ……でも、お兄さんってやっぱり想像通りの人でした」
「えっ?」
「一番最初にお会いしたときから、なんだか優しそうな人だと思ってたんです」



257 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:42:59.56 ID:K/Nzm0co [11/16]
一番最初というと……あぁ、沙織がえらいもんを送ってよこした時か。

……あの時のどこに『優しそう』と感じるポイントがあったんだ?
下手したら『妹を襲う変態鬼畜兄貴』のレッテルを貼られてもおかしくない事件すらあったわけだが。

「ふふふ、わからないならいいんです。わからないってことはその優しさが計算じゃないって証拠ですから」

天使のような笑顔で微笑みかけてくるあやせ。
ぐ…自分でも顔が赤くなっていくのがわかる。
俺は照れるのをごまかすようにあやせから顔をそむけ、

「じゃ、じゃあ時間と場所はさっきのでいいんだな」
「はい!よろしくお願いしますね、お兄さん」

まったく、これで中学2年生だっていうんだから末恐ろしい。




「人生相談があります」
「はぁ?あんたがあたしに?めんどくさっ!」

どうよこの態度。
これが日頃お世話になっている兄に対する態度か?
あやせはあんなこと言ってたが、絶対そんなことないと思うんだよね。

「き、聞くだけ聞いてくれませんかね?」

くそっ…なんで相談する俺が下手に出なきゃならんのだ……

……違う!それであってるんだよ!
間違ってるのは、超偉そうにふんぞりかえって相談を持ちかけてくる桐乃の方だって!
危ない危ない…もうちょっとで桐乃の思想が伝染するとこだったぜ。

「チッ…いつまでもそこにいられても迷惑だし、聞くだけ聞いたげるからさっさと話したら?」

忌々しげに舌打ちをし、俺を見下ろす桐乃。
俺は当然のように床に正座し、ベッドに腰掛ける桐乃様を見上げる体勢となっている。

「い、いや…実は明後日のことなんすけど」

あやせとの約束の日が明後日と迫ったので自室で着て行く服を選んでいたのだが、どうもどれもピンとこない。
ひとしきり悩んだ挙句、俺にそんなセンスは存在しないし悩むだけ無駄だろうという結論に至り
大人しく高坂家が誇る読モ翌様、桐乃に相談を持ちかけたというわけだ。

「……」

あ、あれ?桐乃、なんか不機嫌になってないか?
俺、気に障るようなこと言ってないよね?



258 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/22(水) 20:43:44.17 ID:K/Nzm0co [12/16]
「チッ…………あやせが恥かいても困るし、一応見てあげる」
「ほんとか!?助かるよ、ありがとな桐乃」

俺の部屋に移動し、今俺が持っている服を並べると、

「ん~~………これとこれと、これ」

さすが読モというべきか、桐乃はあっというまに服を選び終えてしまった。
しかも素人目に見ても、俺があんなに悩んで考えた候補よりお洒落っぽくなているのが悔しい。

「さすがはモデルだな」
「ふん、あんただって元はそんなに悪くないんだから、気さえ遣えばもっとましに……」
「えっ?」

今、俺を褒めてくれたの?

「な、なんでもない!い、今のは忘れて!!」

首を思い切り左右に振り全力で否定する桐乃。
モデルとしてのプライドのせいか、こいつはファッション等に関しては嘘がつけない奴なのだ。

「にやにやすんな!キモイから!!」

普段なら罵倒にしか聞こえないこの言葉も、さっきの言葉の後だと意味がまるで違って聞こえるから不思議だ。
要は照れ隠しなんだよな。こういうところも黒猫と一緒だ。
おまえ達が仲良くなれたのも頷けるよ。だって似た者同士なんだもの。

「ははは、ありがとな桐乃」

感謝の意を込めて桐乃の頭に手を置き撫でてやるが、すぐさまバシッと払いのけられてしまう。
あ、あれ?照れ隠しってのは俺の気のせいか?

「…一応忠告しとくけど、あやせに手を出したらぶっ[ピーーー]からね。あくまでも他に適当な奴がいなかったからあんたに頼んだだけであって、調子に乗ったらダメだから」
「わ、わかってるよ」

さっきまでの浮かれ気分も吹っ飛ぶような厳しい現実を突き付けてくださる桐乃。
俺も半分わかっちゃいたけど、それは言っちゃ駄目だろ……。


259 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/22(水) 20:46:07.92 ID:K/Nzm0co [13/16]
「この用件が終わったらもうあやせには近づかないこと」

いや、さすがに俺もそこまで言われる筋合いはないぞ?
親友が心配なのはわかるけど、もうちょっと兄を信用してくれたっていいだろ。

まぁ、実際あやせと俺がどうにかなるなんてことは万が一にもありえないだろうし、ここは大人しく従っといた方が得策か。

「へいへい、わかってるよ」
「ふ、ふん、ならいいケド」




そしてあやせとの約束の日がやってきた。
俺は桐乃が選んでくれた服に身を包み、待ち合わせ場所であやせの到着を待っていたのだが、

「いかん、早く着きすぎた」

待ち合わせの時刻までゆうに30分はある。
俺、いくらなんでも楽しみにしすぎだろ。

「お待たせしました、お兄さん」

予定の時刻の10分前にはあやせも到着し、無事合流することができた。

「全然待ってねえよ、じゃあ行くか」
「はい」

適当に歩き出そうかと思ったところで、今日の予定を全く聞いていないことを思い出す。

「そういえば今日の予定は?例のモデル友達とはいつ会うんだ?」

ひょっとして今から会って紹介して即解散とかじゃないよね?
せっかく彼氏役なんて美味しいイベントが発生しているというのに……

「実はすぐそこのお店で待ち合わせしてるんです。さっきもう着いたってメールが来ましたから早速行きましょうか」

ジーザス……なんてこった。
まさか、ほんとになんの派生イベントもなく終了してしまうのか?
それだけは避けたい…避けたいが……、

『あやせに手を出したらぶっ殺すからね』

チッ…わざわざそんなこと言わなくても、チキンハート京介さんは妹の親友に手を出すための勇気なんて持ち合わせてねえよ。
残念ながらな。



260 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/22(水) 20:48:39.97 ID:K/Nzm0co [14/16]
店に入ると女の子の二人組が座っている席へと通される。

やはりモデルというだけあってどちらの子も確かにかわいい。

「へ~、この人があやせの彼氏さん?優しそうな人でよかったじゃん」
「うんうん、ちゃらくなくていい感じ」
「そ、そう?えへへ、ありがとう」

お、意外と好評なのか?
いや、友人の彼氏を本人を目の前にして酷評する奴なんてあんまりいないだろう。
さっきの言葉も額面通りに受け取っていいものかと悩んでしまう。
う~ん、我ながらなんというネガティブ思考。

「でもさ、やっぱり付き合うなら年上だよね」
「あ~、わかる。同い年の男子連中って子供っぽすぎるよね~」

なるほど、そういう補正も働いてるってことかな?
……ひょっとしてあやせもそう思ってたりするのかな……。
気になる。



「今日はご馳走様でした」

二人の思わぬ褒め殺しに気をよくした俺は結局飯を奢ることになってしまった。

ひょっとして乗せられた?
…まぁ、褒めてもらって悪い気はしなかったし、これくらいは気にしないさ。

「じゃあお邪魔虫はこれで帰るとしますか」
「じゃあ、おふたりともお幸せにね~」

そう言い残して二人は駅の方へと歩いて行ってしまう。
それにしても、お邪魔虫って…おまえほんとに中学生か?

俺の隣で手を振っていたあやせがふぅ…と息をついたのがわかった。

「これでよかったか?」
「はい、ありがとうございました。なんとかごまかせたみたいですね」

そうだな。
悲しいけどこれで俺もお役御免ってわけだ。

「あ、あのお兄さん?」


261 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/22(水) 20:49:30.37 ID:K/Nzm0co [15/16]
俺が彼氏役の余韻を楽しんでいると、不意にあやせが声をかけてくる。
あやせの方に視線を移すと、うつむき加減でもじもじと自分の手を体の前で絡ませていた。

「あ、あの…もしよかったらこの後……デートしたりしませんか?」

顎がはずれるかと思ったね。
まさかあやせの方から誘ってくれるなんて夢にも思わなかったぜ。

「え……俺とか?……一体なんでだ?用事は終わった……よな?」
「だ、だってせっかく桐乃から一日お兄さんを借りたのに、このまま帰っちゃったらもったいないじゃないですか…だ、だからその……ダメですか?」

両手を組み、上目使いでお願いしてくるあやせ。
その顔はどこか心配そうな表情をしている。

あぁ、なんでこの子の仕草はこんなにもかわいいのか。
きっとあれだ。天使だからだな。

「駄目なわけがないだろ?あやせとならどこへでも行くさ」

できる限りキリッとした表情を作り、爽やかに答える俺。

「ふふっ、ありがとうございます」

こうして俺達は二人でデートに出掛けたのだった。



つづく予定


262 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/22(水) 20:51:32.34 ID:K/Nzm0co [16/16]
以上前半でした。後半はまた明日


333 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:22:01.08 ID:F86hgQUo [4/13]
「そういえばあんた…最近あやせとちょくちょく出掛けてるらしいじゃん」
「えっ?」

間違いなく俺の人生の中で最も濃かった夏休みも明け、秋も深まり少し肌寒さを感じるようになってきた頃、
いつもの4人組で我が家に集まって遊んでいると突然桐乃がそう呟いた。

「いきなり何を言い出すんだおまえは」

確かに最近はあやせと二人で出掛けることも珍しくはなくなったけどさ。

「へ、へぇ…その話私も詳しく聞きたいわ」
「拙者も是非!そのあやせ氏がどんな方なのかは存じませんが…いや~、京介氏もすみに置けませんなぁ」

カラカラと声をあげて快活に笑う沙織とは対照的に黒猫は若干顔が引きつっている。

「あんたどういうつもり?あたし、あやせに手をだしたらぶっ殺すって言ったよね?」

眉間にしわを寄せ、今にも噛みつかんとばかりに詰問してくる桐乃。

「どういうつもりもねえよ。あやせの方から誘ってくれたから遊んだ。それだけだ」

あれ以来、俺とあやせは人生相談の名目でたびたび出掛けるようになっていた。
正直かなり仲良くなれたし、そろそろ何かしらのイベントが発生してもおかしくないと思ってるんだよね。

「ほほう!京介氏モテモテですな!ただでさえこんな美女3人に囲まれているというのに…それでは飽き足らずまだ追加なさるおつもりで?」

追加ってなんだ!?おまえの中で俺はどんな評価なの?
……俺ってそんな軽薄そうに見えるかな。

あと沙織の奴、さりげなく自分も美女としてカウントしてやがる。
まぁ素顔は見たことないし、ひょっとしたらすごい美人なのかもしれないけどよ。
だとしたらその眼鏡のせいで台無しだよ。今度俺のおススメの眼鏡教えてやろうか?

「……とんだ変態ね」

ぐっ…黒猫までそんな言い草を!



334 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:24:23.89 ID:F86hgQUo [5/13]
…桐乃の腹が読めたぞ。
わざわざ4人集まった時に話すことで、こいつらにも俺を糾弾させようってことだな。
まずい…今の所桐乃の計画通りじゃないか。
沙織のは糾弾とはちょっと違うが、変態扱いされてるのには変わりない。

「そのあやせって子、この子の同級生なんでしょう?ふっ…とんだロリコンもいたものね」

黒猫はそう言って、嘲るような視線をこちらに寄越す。

「俺はロリコンじゃねえし、それにあやせにしたって3つ年下なだけじゃねえか」
「口答えすんな!とにかく、もうあやせには近づかないこと!あんたみたいな変態といたらあやせがおかしくなるでしょ!!わかった!?」

なんでおまえにそこまで言われなきゃならんのだ。
っていうか変態度でいえばおまえの方が圧倒的に上じゃねえか。

「チッ…俺が誰と仲良くなろうがおまえには関係ないだろ。それに、俺といたらおかしくなっるてどういう意味だよ」
「そのまんまの意味でしょ!」

売り言葉に買い言葉。

いや、確かに下心がなかったとは言わないよ?
あやせみたいな美少女ともっと仲良くなれたらなぁなんて思ってましたよ。

でもだからって、なんで有害指定図書みたいな扱いを受けなければならないんだ。
いくらなんでも理不尽すぎるだろ。黒猫まで一緒になって小馬鹿にしてくる理由もわかんねえしよ。
桐乃にしても、いくらあやせのことが心配だからって言い方ってもんがあるだろ。

…もう我慢の限界だ。付き合ってられるか。

「おまえら……いい加減にしとけよ」

普段の会話する時とは違う一段低くした声でそう呟き、桐乃と黒猫をじろりと睨みつける。

「さっきから言いたい放題言いやがって……おまえらの勝手な妄想で馬鹿にされる俺の気持ち少しでも考えたことがあんのか?」

あるわけないよな?もしあったなら、あそこまでひどい事言えるわけがねえもんな!

「あ…」

黒猫は俺が本格的にキレたのを悟ったのか、一瞬目を見開いたかと思うと膝の上で手を握り、そのまま俯いてしまう。
普段の俺なら多少の罪悪感を感じることもあったんだろうけど、ここまで馬鹿にされて今さら相手のことを気遣う気になどなれない。
それに、俯くより謝る方が先なんじゃねえの?

「きょ、京介氏落ち着いてくだされ!お二人とも悪気があってあのような……」
「じゃあどういうつもりだってんだよ」



335 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:25:21.28 ID:F86hgQUo [6/13]
沙織があわててフォローに回るがもう遅い。
ひとたび露わにしてしまった怒りは中々消えてはくれない。

しかし、泣きそうな表情になっている黒猫が視界に入り胸がチクリと痛んだのも事実で…

「……後はおまえらだけでやってくれ」

結局俺は怒りを発散させることもできず、腹の底に沈殿させたまま自宅から出ていくことになった。




今、俺の感情は怒りと罪悪感と少しの後悔とがないまぜになっていて、これからどうしたいのか自分でもよくわからない。

「仕方ねぇ…公園でも行ってのんびりするか」

勢い込んで出てきたせいで財布は忘れてきてしまったし、なにより今は落ち着ける場所に行きたかった。
俺が最も落ち着ける場所といえば田村家なのだが、さすがにこんな気分のまま麻奈実に会うことなんてできないしな。

とりあえず公園で一息ついて……それから怒りが多少まぎれたら家に戻って一応あいつらに謝って……。
チッ……なんで俺が謝らなきゃいけないんだ。

……だけど仕方がない。
一応俺は年長者で、年下の女の子相手に怒りをぶつけてしまったことは確かなのだ。

出ていく際に見た黒猫の表情が頭をよぎる。

「あの態度はさすがにまずかったかなぁ…………はぁ、なんにしてもまずは落ち着こう」



公園のベンチに腰掛け足を放り出して空を見上げる。

「……のど…渇いたな」

このベンチの裏手、目と鼻の先に自販機はあるのだがいかんせん財布がない。

「はぁ……どうしたもんかな」
「はいっ、これどうぞ」
「ひいっ!?」

ぼーっとしてると急に首筋に暖かいものを押し付けられた。
バッと背後を振り向いてみると、

「あやせ!?なんでこんなとこに…それにこれは……?」
「公園の近くを通りがかったらお兄さんの姿が見えたので、びっくりさせようと思って後ろから近付いたんです。そしたら今にも死にそうな声で『のど…渇いたな……』なんて聞こえてきて…」

あぁ、それで気を遣ってくれたってわけか。
さすがマイスイートエンジェルあやせたん。あぁ……俺の荒んだ心に一陣の癒しの風が……。



336 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:27:26.53 ID:F86hgQUo [7/13]
「そっか、じゃあ有難く頂くよ。ははは、俺そんな死にそうな声してたか?」
「はい、あるいはこの世の終わりを悟ったみたいな声と言ってもいいかもしれません」

まじかよ。俺もそんなに沈んでた気はないんだが……

「何かあったんですか?」
「いや、なんもねえよ。大丈夫だ」

あやせにもらった紅茶の缶を開け、そのまま一口二口と喉に流し込む。

素直に白状してしまってもよかったのだが、喧嘩の原因にあやせが無関係ではないこともありそれはためらわれた。
素直に言って『じゃあしばらく遊びに行くのはやめましょう』と言われてしまうのが嫌だったってのもあるけどさ。

「……私ってそんなに頼りになりませんか?」
「えっ?」

そう言われてあやせに視線を移すと、あやせは唇をとがらせて不満を露わにしていた。

「何かあったのは、今のお兄さんを見れば簡単にわかります。……いつも私ばっかり人生相談してもらってて……
だから私もたまにはお兄さんのお役に立ちたいんです!」

そんな風に思ってたのか……。
でもそんなこと気にしなくてもよかったんだぜ?
俺だってあやせの人生相談に付き合うのはすげえ楽しかったしさ。

「う…で、でもたまには私だって」
「ははは、いいんだ。こうやってあやせと話してるだけで悩みもふっとんじまったよ」

今までの鬱屈した気分もすっかり消え去り、俺はいつのまにか笑顔になってしまっていた。

「ありがとな、あやせ。ちょっと今から悩みの原因解決してくるわ」
「……よくわからないですけど、私お役に立てました?」
「おう!じゃあまたな。あ、そうだ。これありがとな」

あやせに貰った紅茶を飲み干し、空き缶をゴミ箱へと放り込む。

「はい、ではまた」

あやせに別れを告げ自宅へと帰ろうとすると、公園の入り口に意外な人物を発見した。

「黒猫!?」
「あ…」

黒猫はこちらを見て固まってしまっているようだった。



337 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:28:55.18 ID:F86hgQUo [8/13]
「お知り合いですか?」

不思議そうな声であやせが俺に問いかける。
そりゃそうだろうな。ゴスロリファッションに身を包んだ女の子と俺との接点など想像もつくまい。

「あぁ、俺の友達だよ」

何が原因で桐乃のオタク趣味がばれるとも限らないので、あやせには俺の友達とだけ伝えておく。

俺があやせに説明している間、黒猫は誰かに電話をかけているようだった。
そして通話を終えるとこちらへゆっくりと歩きだし、俺達の前で歩みを止めた。

「あ…黒猫…さっきは俺が……」
「さっきはごめんなさい!」

「え?」
「え?」

いきなり大きな声で謝罪の言葉を述べる黒猫。俺だけでなくあやせまで面喰ってしまっている。
っていうかおまえ、アニメの話以外でこんな大きな声出せたのかよ。

「く、黒猫?」
「さっきはごめんなさい……あなたの気持ちも考えずにひどい事言ってしまって……私もあの子も無意識にあなたの優しさに甘えてしまっていて……」

顔をあげた黒猫はその瞳にうっすらと涙をにじませていた。

「これは言い訳になってしまうのだけれど、あなたを馬鹿にするつもりではなくって……その……」

そこまで言いかけると、黒猫はこちらへ一歩踏み出してくる。
手を伸ばせば簡単に手が届く距離。

黒猫はスッと手を前に差し出し、俺の袖の裾を握り、

「あ、あなたがどこかへ行ってしまうのが嫌だったの」

え?い、一体どういう意味だ?
そ、そんな顔して見つめてくるんじゃない!照れちゃうだろ!

「お兄さん?これは一体どういうことですか?」

話の流れに全くついていけないあやせは頭の上に疑問符を浮かべて………いなかった。
あれ?ひょっとしてご機嫌斜めですか?目から光彩が消えてて超怖いんですけど。



338 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:31:07.38 ID:F86hgQUo [9/13]
俺があやせに怯えていると一際大きな声が響いた。

「見つけた!」

一々声のした方を確認しなくてもわかる。この声は桐乃だ。
てっきりこいつも反省して俺を探していたものだと思っていたわけだが、

「ちょっとあんた何勝手にいなくなってんの!?探すのちょーめんどくさかったんだから!」

ちょっと期待した俺が馬鹿だったよ。
くっそう……どうしてもこいつには謝る気にはなれん。だが…しかし……。

桐乃はズンズンとこちらに歩み寄り、あろうことか俺の胸倉を掴みあげる。

こいつ…いい加減にしろよ、と喉元まで出かかった言葉は結局発することはできなかった。

「あ、あたしがあの後……どんな気持ちで……うぅ……」

何故なら桐乃が泣いていたからだ。

「桐乃……おまえ………」
「う……ごめん…なさい……あたしが悪かったの。だから……だからどこにも行かないで。
う……うぅ……あたしを嫌いにならないでよぉ………」

俺の襟元を掴みあげた両手にすでに力は入っておらず、振りほどけば簡単に離してしまいそうだった。

「ごめんな」
「え…?」

桐乃の頭に手を置いてそのまま撫でてやる。

俺は兄貴失格だ。
妹を泣かせちまった。しかも黒猫まで巻き添えにして。
だから、ごめんな。


339 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:34:35.74 ID:F86hgQUo [10/13]
「そ、そんなことない!悪いのはあたしじゃん!」
「私達、でしょ?一人で責任を負おうとしないで。私も同罪よ」

黒猫がすかさず桐乃の言葉を訂正する。

おまえらはそう言うけどな、そうじゃない。そうじゃないんだ。
兄貴ってのは妹を守ってやらなきゃならないんだよ。
妹が泣いていたらあやし、落ち込んでたら慰める。
そんな存在でなきゃいけなかったってのに……こんなことになって初めてそれに気付くなんてな。

「黒猫も…悪かったな嫌な思いさせちまって」

黒猫は無言で首を横に振る。気にしていないという意味だろう。
ふっ、なんにしてもこれで一件落着というわけだ。

「お兄さん?一体どういうことか説明していただけますか?」

……やべぇ、完全に忘れてた。後ろ振り返るのが怖いんですけど。

「あ、あやせさん?これにはちょっとした事情がありまして」
「……一体どんな事情があったらこんなことになるんですか」



「…そうだったんですか。すいませんでした。まさかこんなことになるなんて思わなくって」
「気にすんなよ。俺だって思わなかったさ」

4人でベンチに腰掛け、あやせに事のあらましを説明する。
どうやらあやせも分かってくれたみたいだな。

……気になるのは説明している間も、桐乃が俺の傍を離れようとしなかったってことだ。
離れるどころか、俺の左腕を力いっぱい抱きしめていて離す気配すらない。

「桐乃?なんでお兄さんにずっとくっついてるの?」
「あやせ、一応忠告しとくけど、うちの兄貴に手だしたら怒るからね」

えっ?突然何を言い出してんの?

「……お兄さん?確かに以前桐乃のことをお願いしますとは言いましたが、あれはそういう意味でお願いしたんじゃないですよ?」

俺だってそのつもりだったよ!
だからその目で俺を見つめないで!お願いします!!



340 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:37:47.25 ID:F86hgQUo [11/13]
「ふっ、とんだブラコンもいたものね」

うん、そうだよね。これは桐乃が度を超えたブラコンだっただけだよね。
心によぎる一抹の不安は今は見て見ぬふりをしよう。

「そ、そうだ!沙織はどうしたんだ?」

この異常な状況を少しでもごまかそうと、頭に浮かんだ疑問をすぐさま口にする。

とっさの思いつきだったとはいえ、考えてみれば確かに気になる。
まさかあいつだけ家で待機ってことはないだろう。
沙織の性格上帰ったってことはありえないし。

「よく気づいてくれました!」
「うおおおおおおおう!?」

突如ベンチの裏から現れる沙織。
どこに潜んでたんだおまえは!

「このまま忘れられてしまうのかと思いました…」

しょぼーんと肩を落とす沙織。

「そもそも隠れなきゃよかっただけだろ…」
「そういう突っ込みは野暮というものですぞ。まぁ、何はともあれ一件落着のようですな」

この状況が果たして一件落着と言えるのかは微妙だけどな。

未だに俺の左腕を離そうとしない桐乃に視線を移すと、ちょうど桐乃もこちらも見ていたようでお互いの視線が交差する。

「ふっ…」
「?」

大丈夫。おまえのことはとても嫌いになんかなれねえよ。
左腕に可愛い我が妹の暖かさと女の子特有の柔らかさを感じつつ、俺は内心そう思ったのだった。




おわり



341 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 21:39:07.48 ID:F86hgQUo [12/13]
以上後半でした
また書きに来るよ


343 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/23(木) 21:53:47.09 ID:nizbbeY0
おつ
桐乃かわいいじゃないか…

つか、俺妹SS@wiki見たら◆qPOxbu9P76氏はSSたくさん書いてるんだな
ちょっとやそっとの文量じゃないぞあれは


344 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/12/23(木) 22:03:48.33 ID:F86hgQUo [13/13]
>>343
自分は◆kuVWl/Rxusさんみたいに文章が上手いわけでもないから、質より量ってことで。

あとはみんなのネタ援助があってこそです
大半はもらったアイディアそのまま書いてるだけだったりするから


345 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/23(木) 22:06:24.30 ID:pn1bYTE0

こういうのを待っていたんだ

桐乃+黒猫+あやせがデレるのがもう
しんぼうたまらん





391 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:51:51.31 ID:Ns1UbIoo [3/13]
ヒャッハー!ちょっと早いけど俺からのクリスマスプレゼントだぁ!!
というわけで投下


392 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:53:46.16 ID:Ns1UbIoo [4/13]
ピンポーン

京介「お、きたか」

ガチャ

京介「いらっしゃい、上がれよ」

沙織「はい!お邪魔するでござる」

黒猫「…お邪魔するわ」

今日は12月24日。
世間じゃクリスマスイブとか言われていて、街がにわかに騒がしくなる日である。

沙織の提案で、今日はいつもの4人でクリスマスパーティーをやろうってことになった。
で、こいつらがわざわざ俺の家までやってきたってわけだ。

沙織「本当に申し訳ござらん。適当な場所の確保に失敗してしまいまして…」

京介「気にすんなよ。ちょうど親父もお袋も出掛ける用事があったみたいだからさ」

沙織「そう言っていただけると助かります。それと、急にお誘いして申し訳ない。他に予定とかありませんでしたか?」

京介「それは気にしなくていいって言ったろ?」

黒猫「そうよ沙織。どうせ先輩にイブの予定などありはしないのだから」

く…なんてひどい言い草だ。だが事実だけに反論することもできない。
でもそういうおまえも、イブの予定はなかったんだろ?

…それにな俺だって出来ることなら甘々なイブを過ごしてみてえよ。
そりゃ、こいつらはそろいもそろって美少女ばかりだけどさ、甘々な出来事が起きそうかと言えば答えはノーだ。
こいつらと俺がどうにかなっちまう未来なんて想像もつかねえ。

黒猫「…そういえばあの子の姿が見えないようだけど?」

京介「あぁ、桐乃ならリビングでパーティーの準備してるよ。今日は親父もお袋もいないし、リビングでやろうと思ってさ」

沙織「なら拙者たちも手伝うでござる。行きましょう瑠璃ちゃん」

黒猫「その名で呼ぶのはやめてちょうだい」

玄関での立ち話を終えリビングに向かう。
しかし、準備はすでに終わっていたようで桐乃はソファに腰掛け天井を仰いでいた。



393 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:54:21.88 ID:Ns1UbIoo [5/13]
京介「なんだ、もう終わったのか?」

桐乃「当たり前でしょ、あんたとは作業効率が違うの」

おまえ、隙あらば俺に毒を吐くのやめてくれないかな?
こいつは妙なところで黒猫の影響を受けている気がする。
それに準備と言ってもお菓子やジュース用意しただけだろうが。

沙織「ふふふ、準備の方はすでに完了しているご様子。では早速!『京介氏専属ハーレムで送るクリスマスパーティー』を開始しましょう!」

その設定、まだ生きてたんすね。

沙織「当たり前でござろう!ふっふっふ、むしろ今日はその設定ありきで計画したと言っても過言ではござらん!」

京介「どういうことだ?」

沙織「さきほど黒猫氏が申されたように、イブに予定のあるはずのない京介氏を我々で元気づけてあげようという魂胆でござる!」

おまえ…さっきまで俺にイブの予定がなかったか気にしてたじゃねえか。
それがないとわかるやこの扱いはなんなの?ちょっとショックなんだけど。

沙織「もちろん京介氏への日頃の感謝の意もこめております。……ですからぁ、今日はぁ、拙者たちが一肌も二肌も脱いで差し上げようかとぉ」

京介「気色の悪い声を出すんじゃない!一肌すら脱がなくて結構だ!」

沙織「ふっふっふ、これを見てもまだそんな口がきけますかな?」

沙織は手持ちの鞄を開くとバッと何かを取り出す。

京介「げ…そ、それは!?」

沙織「クリスマスといえばサンタ。というわけ3人分のサンタっ娘の衣装でござる!」

なんだよサンタっ娘って…
しかし、この衣装…パッと見でわかるくらい露出が多い。
上下で分かれていてお腹周りは丸見え。
その上スカートは短いし、上半分に関しては隠れているのは胸回りだけで肩から鎖骨にかけては露出する形になっている。

桐乃「げ!?そんなデザインだなんて聞いてないんですけど!?」

黒猫「き、着れるわけがないでしょ!?そんな衣装!!」

いいぞおまえら、もっと言ってやれ。
さすがにあんなのを着られてたら俺も落ち着かねえよ。

沙織「う……だめ…ですか?今日のためにせっかく作ったのですが……」


394 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 22:58:06.44 ID:Ns1UbIoo [6/13]
ぐ……胸が痛い!

京介「あ~なんだ。桐乃、黒猫。少しだけなら着てみてもいいんじゃないか?な?」

あ、あくまでも沙織がかわいそうであったからで、別に見てみたいとかそんなんじゃないんだから勘違いしないでよね。

桐乃「このど痴漢がっ!」

いてぇ!本気で脛を蹴るんじゃない!

黒猫「……せ、先輩がそういうのなら着てあげないこともないわ」

桐乃「ちょ、ちょっとあんた正気!?」

黒猫「正気よ。それにせっかく沙織が用意してくれたものを無駄にするのも悪いでしょう」

桐乃「ぐぅ……わかったって!着ればいいんでしょ着れば!!」

さすがに沙織に悪いと思ったのかついに桐乃まで折れちまった。
そっか、最初からそういう風にいえば脛を蹴られずにすんだのか。

沙織「では皆の衆!早速着替えましょう!!」

そしておまえは立ち直り早いな!!



女性陣の着替えが終わるまでリビングの外に出て待っているわけだが…

京介「寒い」

リビングから一歩外に出ると、もはやそこは別世界だ。
床は冷たいし、吐く息は白くなる。家の中で息が白くなるってどんだけ……

沙織「お待たせしました京介氏!」

部屋の中から沙織の声が響く。
どうやら着替えが終わったようだな。

京介「う…お……おまえら……」


396 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:01:25.60 ID:Ns1UbIoo [7/13]
沙織「どうですか?拙者のサンタコスは?これでもスタイルには自信がありまして」

胸元を見せつけるように前かがみになる沙織。
…惜しい。あとはその眼鏡さえなかったら……

黒猫「違うのよ……」

両手で自身を抱くようにして体を隠している黒猫。
こんなかっこでもしっかりと猫耳と尻尾を装備している。
コスプレイヤーとしてのプライドでもあるんだろうか。。

桐乃「ふん。別にあんたのためじゃないから。あくまでコスプレに興味があっただけだから」

妹ということを除いて見るならばこいつが一番似合っている。
出るとこはきっちりと出ているし、いつぞやのゴスロリと違ってライトブラウンの茶髪もこの衣装には似合ってるしな。

しかし、これは目のやり場に困ってしまうな。
これ以上顔がにやけてしまうのを抑える自信がねえぞ。

沙織「ふふふ、今日はこれだけではありませんぞ?」

京介「えっ?」

沙織「クリスマスといえばプレゼント!というわけで我々から京介氏にプレゼントがあります!」

京介「お、おまえら……そんな、なんでまた」

黒猫「沙織がこのパーティーはあなたへの日頃の感謝もこめていると言ったでしょう?」

京介「だ、だからって俺はおまえらには何も……」

桐乃「もう、じれったい!あんたは大人しく受け取っとけばいいの!」

京介「……そうか。ありがとなおまえら」

沙織「では早速拙者から!拙者からのプレゼントはこれでござる!」

京介「………漆黒の衣装?」

沙織「はい!以前着ていただいた時あまりにお似合いだったものですから、是非また着ていただきたい!」

なんでクリスマスのプレゼントがコスプレ衣装なの?
でも……

京介「この脈絡のなさがお前らしいよ。ありがとな」



397 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:02:13.81 ID:Ns1UbIoo [8/13]
黒猫「……次は私ね………これ」

京介「……漆黒の仮面だよな?これ」

これ、まさか俺をコスプレイヤーに改造する企画じゃないよね?

黒猫「そうよ。薄いプラ版を使って作ってみたの。沙織のプレゼントと若干被ったのは偶然だけど、ちょうどよかったわ」

京介「偶然なのか……ふっ、おまえはほんとに器用だな。ありがたく貰っとくよ」

桐乃「……あたしからはこれだから」

京介「……これは…………」

桐乃「それまじ神ゲーだからやっといた方がいいよ!」

なんでこんなときまでエロゲなんだよ、おまえは。

京介「まぁ、これも俺達兄妹らしい…か?ありがとな桐乃」

桐乃「ふん」

甘々なイブを過ごしたいと思っていたがこんなのも悪くない。
俺はこんないいやつらに囲まれてイブを過ごせるんだから幸せ者だよ。

京介「実はな、俺からもおまえらにプレゼントがあるんだ」

「「えっ?」」

皆一様に目を丸くして驚いている。
いや、沙織に関しては眼鏡のせいでわからないけども。

沙織「そんな!京介氏は気を遣っていただかなくてもよかったのに」

京介「いいんだよ。俺だっておまえらに感謝してるんだぜ?じゃあ、取ってくるからちょっと待っててくれ」

俺は自分の部屋に戻り、予め用意しておいたプレゼントを持ちリビングへと戻る。



398 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:02:59.82 ID:Ns1UbIoo [9/13]
京介「まずは沙織からな。いつも世話焼いてくれて助かってる。ほんとありがとう」

沙織「きょ、恐縮です」

京介「沙織にはこれだ」

沙織「……眼鏡でござるか?」

京介「おう、度は入ってないけどな。そのぐるぐる眼鏡もいいが、たまには普通の眼鏡もかけてみないか?勿論気が向いたらでいいからさ」

沙織「ふふっ、考えておきますわ」

恥ずかしがりの沙織にぐるぐる眼鏡以外をかけてくれっていうのは少し心配だったんだが、
思ったより喜んでもらえたようだ。
個人的な趣味じゃないからそこは勘違いすんなよ?

京介「次は黒猫な。正直おまえに助けられたことも多かった、ありがとな。そんなおまえにはこれ」

黒猫「…髪留め……」

京介「おう、お前の好きなキャラのに似てたのを見つけてな。おまえに似合うんじゃねえかと思ったんだ」

受け取った髪留めをまじまじと見つめる黒猫。
喜んでもらえたかな?こいつはあんまり感情を表に出さない奴だからなぁ…

黒猫「あ、ありがとう。……嬉しいわ」

そっか、そりゃよかった。

京介「最後は桐乃な。おまえの人生相談のおかげでこいつらとも知り合えたし、俺の人生には楽しいことが増えた。ほんとうにありがとう」

桐乃「…ふん」

京介「ん、おまえにはこれ」

桐乃「…………………エロゲ?」

京介「それ超面白かったから是非やった方がいいぞ!」

沙織「……なんというかすごい兄妹ですな」

黒猫「あぁなったらお終いね。いろいろと」

あ、あれ?エロゲは駄目だったか?
いや、実際超面白かったし何の問題もないと思うんだけど…

桐乃「あははは、ありがとね兄貴!これ兄貴だと思って大事にするから!」

ほらな。こいつはこれが一番喜ぶと思ったんだ。
ただ、エロゲを俺だと思うのはやめてくれないかな?


399 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:06:32.47 ID:Ns1UbIoo [10/13]
沙織「困りましたね、京介さんにプレゼントを頂いて終了したのではこのパーティーの意味がありません」

京介「えっ?」

沙織「このパーティーは京介さんのためのものなのですから、私達からのプレゼントで終わるのが筋というものでしょう」

どんな筋だよ。
それにそんなこと気にしなくてもいいんだぜ。さっきも言ったけど俺だって感謝してるんだからよ。
っていうかいつのまにかお嬢様口調になってんな。眼鏡かけたままだってのに。

沙織「ふふふ、いいんです。私の気分の問題ですから」

京介「そうなのか?まぁそう言われちゃ俺はどうしようもないけどさ」

すると、沙織は突然眼鏡をはずし髪をおろした。
そして……

京介「えっ?さ、沙織?」

沙織「似合いますか?」

俺があげた眼鏡をかけ微笑む沙織。
やはり恥ずかしいのだろう。顔はすでに赤くなってしまっている。

く……正直ど真ん中のストライクです。

沙織「よかった!では私からのプレゼント受け取っていただけますか?」

京介「え?プレゼントってまだ何かあるのか?」

沙織「ふふふ」

チュッ

京介「!!」
黒猫「!!」
桐乃「!!」

沙織「いつもありがとうござます、京介さん」

桐乃「ちょ、ちょっと沙織なにズルしてんの!!」

黒猫「抜け駆けはなしとあれほど言っておいたでしょう!!」


400 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:08:19.56 ID:Ns1UbIoo [11/13]
京介「??」

え?プレゼント?今のが??
何をされたのかもわからなければ、桐乃と黒猫が怒ってる理由もわからない。

沙織「ふふ、ごめんなさい。京介さんがあまりにかわいらしかったものでつい」

てへ、と舌をだして謝る沙織。

黒猫「わ、わ、私だってそれくらい……」

桐乃「あ、あんたまで何しようとしてんの!」

黒猫「なにってナニよ!わかったらその手を放しなさい!」

桐乃「これ以上は許せるか!兄貴は渡さないから!!」

京介「お、おまえら……ちょっとは落ち着けよ」

こえーよ。暴走しすぎだろ。



402 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:11:38.90 ID:Ns1UbIoo [12/13]
桐乃「兄貴がしたいのはあたしとに決まってるでしょ!」

ちょ!その衣装で擦り寄ってくるんじゃない!
目のやり場とか荒ぶるリヴァイアサンとかいろいろ困るだろ!

黒猫「あなたはあくまでも妹なのよ?少しは現実をみたらどうかしら?」

そういうおまえは、見えてはいけないものが見えかかってるよ!

沙織「では現実的に見て京介さんのストライクゾーンど真ん中の私がもう一度……」

桐乃「あんたは駄目!」
黒猫「あなたは駄目!」

桐乃「で、兄貴は誰がいいの?」

黒猫「当然私よね?」

沙織「いいえ私です。まさか、京介さんから頂いた眼鏡がこんなところで役に立つとは」

京介「おまえらちょっと落ち着け!こんな状況で選べるか!!」

黒猫「…そうそれがあなたの答えなのね」

沙織「京介さんがそういうのなら……」

あ、あれ?ひょっとしてわかってくれたか?
エロゲなんかだとこういう場が上手く収まるわけがないんだが。

桐乃「あ、兄貴が全員がいいって言うなら…あ、あたしもいいよ?」

京介「」



おわり




403 名前: ◆qPOxbu9P76[sage saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:14:51.70 ID:Ns1UbIoo [13/13]
サンタコス参考画像。最初のスレで書いてくれた人がいたので利用させていただきました

uproda182691.jpg

正直勢いだけで書いた
見直しとかしてないからおかしなところがあっても気にしない


404 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:15:54.31 ID:dA2KpoDO [2/2]

素晴らしい



405 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:17:09.63 ID:svjccXwo [3/3]俺が京介だ


406 名前:370[sage] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 23:19:12.47 ID:JmsjvO2o [1/2]
投下乙だが
なんか死にたくなった
京介一刻も早く爆発しろよ






357 名前:前スレ36[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 01:16:59.85 ID:i/KcYSEo [1/4]
流れをぶった切って電波が通りますよ?

本命のSSが長くなっちゃいそうな勢いなのでww先に短めのクリスマスSS前編です。


358 名前:X& ◆EODlYtIP4E[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 01:18:04.94 ID:i/KcYSEo [2/4]
きりりん@X'masメルル特番は19:30から(*^ー゚)b ネッ!!:えっ!アイツまだ誘ってないの?何やってんのよあのバカ!
†千葉の堕天聖黒猫†:……私に聞かないで頂戴
き:でもクリスマスだよクリスマス!彼女誘わないでどうしろっつーの!!
黒:大方、私達でパーティーをやると思い込んでいるのではないかしら
沙織(管理人):申し訳ありません。本当はそのつもりだったのですけど、予定がどうしても……。・゚・(ノД`)・゚・。
黒:貴女のせいじゃないのだから、気にしないで?
き:そうそう!甲斐性なしのあのバカのせいなんだから!だいたいそんなの確認しろっての!ヽ(`Д´)ノ
沙:ま、まあどちらにせよ、冬コミの後に忘年会を兼ねて計画はしていますから……
黒:そうね……
き:チッ!そんなの遅すぎじゃん!もうあたし黙ってらんない!!
黒:あ、ちょっと!!

****

 ドタタタタ!バン!
 桐乃がいつもの事ながらノックもせず俺の部屋に走りこんできた。もう注意するのも疲れちまったがな。
 入ってくるなり腕を組んで仁王立ち。なんか怒ってるみたいだが、俺なんかしたっけか?

「ちょっとあんた!どういうつもり!!」
「は?何がだよ?」
「黒いののことよ!なんでクリスマスにまだ誘ってないわけ?」

 はい?俺はまたてっきりいつもの4人でパーティーでもやるのかと思っていたんだが……
 しかし妹のこの様子、どうやら違ったらしいな。

「え、沙織がなんかやるんだと思ってたんだけど……無いんすかね?」
「それ以前に確認しろっての!アンタ何ズボラかましてるワケ?!」

 あ、そ、そうっすね。確かにそれは俺が悪いな。

「悪い……じゃあ電話するわ」
「もう!手間掛けさせないでよね!!」

 ご立腹の妹様の剣幕に内心ビビリながらも、俺は携帯を手に取った。

 Trrrr!Trrrr!

『……はい。何かしら?』
「おう、夜分遅く悪い。今いいか?」
『ええ、大丈夫だけれど』
「そっか。あのさ、クリスマスなんだけど」
『……っ………………ク、クリスマスなら、もう予定を入れてしまったわ』
「えっ……」
『御免なさい。でも断りきれなくて……』
「そ、そっすか……ははは、じゃ、じゃあしょうがないよな……じゃあいいや。またな?」
『え、ええ……お休みなさい』

 Pi!


359 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 01:18:44.28 ID:i/KcYSEo [3/4]
 多分情けない顔をしていたんだろう。俺が桐乃の方に向き直ると、桐乃は唖然とした様子で暫く呆けていたが、
やがて先にも増してヒートアップしたようだった。

「ちょ、ちょっと、ナニソレ?アンタもアンタなら、アイツもアイツよ。あ、あのクソ猫……!!!」

 そう言うと、来たときと同じように大きい音を立てながら自室へと戻っていった。

 はぁ……

****

「ちょっと!このバカ猫!アンタ何考えてるワケ!嘘つくんじゃないっつーの!」
『う、嘘じゃないわ?妹達とクリスマスする約束になっているのよ』
「そんなのちょっとケーキ食べて終わりじゃん!アンタ何?兄貴とクリスマス過ごすの嫌なワケ?!」
『そ、そんなことは言ってないじゃないの……』
「じゃあなんで断わんのよ!」
『………………だって、貴女が先輩に話したから電話してきたのでしょう?』
「それが何?」
『………それじゃ嬉しくない』
「はぁ?!アンタ何贅沢言っちゃってんの!あのバカにはちゃんと言ってやんないと気付きもしないじゃん?」
『それでも……自分で気付いて欲しかったの……』
「チッ……あーあ、めんどいったら!じゃあアンタ、あ……あ、あたしがあいつとクリスマス過ごしても、
怒らないよね?」
『………………………………………………好きにすればいいじゃないの』

 Pi!

「あ………………ったく!めんどくさいヤツ!大体、あたしがなんでこんなに気を揉まなくちゃいけないワケ?
もう知らないっつの」

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

「あ、もしもし、ちょっと頼みがあるんだけどさ……?」



360 名前:前スレ36[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 01:20:08.11 ID:i/KcYSEo [4/4]
名前欄ミスった/(^o^)\
続きは明日でww


416 名前:前スレ36[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:05:00.53 ID:ZN5AloAo [1/7]
続々と来てて嬉しい限りだwwいいぞもっとやれwwww

なわけで>>359の続き。ちょっとあっさり風味になってしまったww


417 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:05:43.19 ID:ZN5AloAo [2/7]
 23日。俺は一人で渋谷まで出ていた。
 沙織に聞いたところ、冬コミの打ち上げでクリスマス兼忘年会のパーティーをするらしい。ま、まあ何も
無いよりはマシ……だよな?
 そんなわけで、プレゼントを買いに出てきたって訳だ。
 渋谷なのは、去年のクリスマスに桐乃のお供で出てきたときに入った109を思い出したからだ。
 彼女に渡すプレゼントだし、やっぱ流石に地元のデパートって訳にもいかないだろ?

「う……やっぱり一人で入るのはキツイなここ」

 渋谷系の女の子がひしめき合い、たまに男を見かけても明らかにカップルって場所だ。前回は桐乃と一緒に
来てたにも関わらず肩身の狭い思いをしたっけ。
 しかし来てしまったものは仕方が無い。さっさと目的を達して脱出するか。

 前回と同じく地下2Fへと降り、桐乃が欲しがったアクセサリーの置いてある店に直行した。妹様のセンスに
かなう店だから、ここのなら黒猫も喜んでくれるだろう。……多少安くてもさ。
 と言ってもいざ選ぶとなるとこれが結構難しい。どんなのなら喜ぶだろうなあいつは。

 ……と、色々とアクセサリーを眺めていると、俺の肩を叩くやつがいた。
 誰だ?訝しげに振り返り、

「……お、お前?!」

****

 コンコン。俺は桐乃の部屋をノックした。部屋の薄い壁を通して隣からメルルらしきTVの音がしていたから、
今ならいいだろう。
 ゆっくりとドアが開き、俺の顔を認めた桐乃はちょっと嬉しそうな顔をした気がしたが、すぐそっぽを向いて
しまった。

「な、なに?今いいところなんだけど?」
「すまん、あんま時間は取らせないからよ」

 そう言って俺は持っていた包みを見せる。それを見て、桐乃は驚いたあと、得心のいった顔をした。

「これ、サンキューな?」
「……あいつから連絡無いなと思ってたら、やっぱそういうことだったわけね」

****

「……お、お前?!」
「お久しぶり、京介くん」

 109で俺の肩を叩いたのは、以前桐乃の偽彼氏として登場した男版桐乃のキモオタ、御鏡光輝だった。


418 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:06:13.77 ID:ZN5AloAo [3/7]
「こんなところで何をしてるんです?」
「え、あ、い、いや」

 別に悪いことをしていたわけでも無いのについ不審な態度を取ってしまう俺。ここは慣れて無いんだよ!

「お、お前こそ何してるんだよ?」
「僕は兄の手伝いですよ」

 そう言って御鏡は少し離れた一角を指差した。あ、「エタナー」の店舗がある。全然気付かなかった!

「たまたま京介くんを見かけたので、声を掛けてみたんですけどね」
「そ、そうか……」

 や、やべぇ、すげぇ気まずい……こんな場違いなところで知り合いに出くわすなんて。
 俺はつい焦って、そそくさと退散しようとした。

「あ、それじゃまたな?」
「ちょっとちょっと、何処へ行くんです?」
「え、いや、ちょっと向こうへ」
「そんなに慌てて逃げなくてもいいじゃないですか」
「逃げてねぇよ!」

 説得力の無い俺の発言を華麗にスルーして、御鏡はにこにことしながら俺の手を引いた。

「僕の方は少し用事があるんです。ちょっとこちらへ来て貰いたいんですけど」

 「エタナー」に連れて行かれた俺の前に、小さな包みが出された。

「いやあ、丁度いいところで京介くんに会えましたね。これ、持って帰ってください」
「なにこれ?」
「桐乃さんからご注文のあった品ですよ」

 桐乃の?包みを手に取ってみるが、ほとんど重さは感じなかった。

「本来でしたら桐乃さんに直接お渡しするところなんですが、京介くんなら同じことだと思いますので」
「え?どういう意味だよ?」
「……お話は伺ってますよ。彼女さんと喧嘩してるそうじゃないですか」

 え、喧嘩?俺と黒猫が?

「喧嘩なんかしてないが……」
「そうですか?そう聞いたので……それで、桐乃さんがそれを作ってやってくれと」
「はぁ……なんなのこれ?」
「勿論アクセサリーですよ」


419 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:06:47.74 ID:ZN5AloAo [4/7]
 アクセサリー?桐乃が?俺に?

「ちょっと怒ってらっしゃったので正確には僕にも良く判らないんですが、桐乃さんが心配されていましたよ」
「え……?」

 心配……俺と黒猫のことでってことか?
 喧嘩をした覚えはなかったが、今の話とその前のいきさつを総合すると……。
 俺はここに至ってやっと状況を把握した。黒猫、怒ってあんなこと言ったのか……。
 
「良く判らないですが、お分かりになられたようですね?」
「ああ、悪い。手間取らせちまったみたいだな」
「いえいえ、お気になさらず」
「あ、それじゃ金払うよ。いくら?」
「んー、別に。差し上げるつもりだったんですがね」

 え?おいおい、お前それは太っ腹なんてもんじゃないだろ。

「まあ、京介くんには先日の騒動の借りもありますしね」
「ええ?でもそれとこれとは別だろ流石に」

 そういうと御鏡は、んーと指を顎に当ててなにやら考えていたが、

「じゃあ、500円だけいただいておきましょうか?」
「は、はぁ?それ安すぎねぇ?」
「いやいや、実はそれ今度の冬コミに出店するアクセの材料を流用しているので、実はそんなに高くないんですよ。
冬コミでは前回同様500円で出す予定だったので、それ以上は逆に貰えないんです」

 それにしたってブランドとかなんとかあるだろう、と言おうとしたが、御鏡が「さあ、どうします?」といった
表情でにこにこしているのを見て、俺もそれ以上は言う気が失せちまった。
 仕方なく俺は、肩をすくめて降参したって訳だ。こいつと、桐乃にさ。

****

「それで?どうするワケ?」

 桐乃が問う。俺は迷うこと無く答えた。

「今から行ってくるわ」
「そ?」

 時間も夜9時を少し過ぎた辺りだ。まだ黒猫も起きてるだろうさ。



420 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:07:23.73 ID:ZN5AloAo [5/7]
「それで、なんだけど」
「なに?まだなんかあるワケ?」

 桐乃が不機嫌そうに返してくる。こいつもTVの続きが見たいんだろう。用事だけ済ませて行くとするか。

「これ……メリークリスマス」
「……え?」

 桐乃にもうひとつ持っていた包みを手渡した。

「あ、アンタこれ?!」
「まあ、礼も込みでな?」

 桐乃は包みを慌てて開ける。そこには、以前桐乃が俺に買わせようとした、シルバーアクセサリーのセットの
ケースが入っていた。ま、サプライズプレゼントってやつだ。
 桐乃は俺の顔とアクセサリーを交互に見返していて、その顔は赤く、そしてちょっとだけ、嬉しそうだった。

「い、いいの?」
「一度やったもんはお前のもん、だろ?」
「……あ、アリガト」

 珍しく素直に礼を言われて、ちょっと俺が驚いていると、ハッとした桐乃は慌てて部屋の中に引っ込み、乱暴にドアを閉めた。


 そして、黒猫の家の前。
 そこに着くと、何故か黒猫が家の前に出ていた。

「お前、そこで何やってんの?」
「……べ、別に、何でもないわ」

 そういって黒猫はそっぽを向く。部屋着らしきジャージに身を包み、手には携帯を持っていた。

「電話か?」
「……あなたの妹とよ」

 やれやれ、どうも今回ばかりは桐乃にやられっぱなしだな。

「それで、何の用かしら?ちなみに、クリスマスパーティーはもう終わってしまったけれど?」
「そうか?でも、サンタが来るにはまだ早い時間だろ?」

 俺は手に持った包みを黒猫に差し出した。
 それを、黒猫は両手で大事そうに受け取った。


421 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:07:50.04 ID:ZN5AloAo [6/7]
「悪かったな黒猫。全然何にも考えて無くてさ」
「……それはある程度諦めているわ」

 辛辣なのはいつもどおりだったが、表情は柔らかく、喜んでくれているようだった。

「私こそごめんなさい。あの時はつい……」
「いやー、正直あの時はこの世の終わりみたいに落ち込んじまったよ」
「……ふん」

 仕返ししてやると頬を膨らませる黒猫。う、ちょっと可愛いぞ。

「開けてもいいかしら?」
「ああ」

 黒猫は丁寧に包みを開け始める。そこから出てきたのは……

「猫……」

 それは2匹の猫が寄り添う意匠の付いたシルバーネックレスだった。
 つか、俺も今初めてみたんだけどな。
 黒猫はそれを首に掛けた。胸元を飾るそれは、家の明かりと月明かりとどちらのものか判らなかったが、光を
受けてきらりと輝いたように見えた。

「似合ってるな」
「……ありがとう」

 少しはにかみながらも、幸せそうに微笑む黒猫。
 桐乃のチョイスなんだが、それは黙っておくことにしよう。

「ま、まあ、それだけだから。寒いから早く戻れよ?」

 笑顔に俺も少し照れて、慌てて踵を返そうとする。
 その手を黒猫はしっかりと両手で握ってきた。

「渡しっぱなしで帰らないで頂戴。ずるい雄ね」
「え?」

 黒猫はくいっと俺の手を引いた。
 思わず引き寄せられた俺の顔を真っ直ぐに捉えて、黒猫は赤くしながらも、その顔を近づけた。

 chu!



422 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:09:04.14 ID:nnyxji.o [1/2]
うああああああああああああ
地球爆発しろおおおおおおおおおおお


423 名前:前スレ36[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:09:08.69 ID:ZN5AloAo [7/7]
終わりwwww

しかし一人でケーキとチューハイ飲みながらなんでリア充SS書かなきゃならんのかとwwww


424 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:14:15.18 ID:sM32joDO

リア充爆発しろ
だが黒猫も桐乃もかわいい


425 名前:MerryChristmas!![] 投稿日:2010/12/25(クリスマス) 01:25:18.31 ID:7ZZUHmo0 [2/2]
>>423
おつ

おいおい仲間仲間!
俺もカップル尻目に一人用のケーキと紅茶、スパイシーチキン
買ってきたんだぜwwwwwwwwww


436 名前:MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)[sage] 投稿日:2010/12/25(クリスマス) 07:46:44.12 ID:y1hDeQDO
昨日のSSまとめ読みした
みんな面白かった乙乙

最近SSスレに影響されて原作ラノベ買ってしまう





俺妹SSスレには面白い作品がたくさんありました。
最初の「くんかくんか」と「おおかみかくし」を混ぜ合わせた作品には爆笑しましたw
qPOxbu9P76 さんの作品はどれも面白いし。
あやせがメインなものは最高です。
クリスマスでもSSスレは盛り上がっていました。

俺の妹がこんなに可愛いわけがないSS in VIP@WIKI - トップページ
ここに俺妹SSがまとめられています。

今回は避難所のスレなので、まとめツールが上手く作動せず手作業での編集でした。見づらいところがあったかもしれません。

関連記事
スポンサーサイト

2010-12-26 01:36 : SS : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

Profile

ジュンク

Author:ジュンク
「放置したり 忘れられたり あとは時々更新したり」

Calendar

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

Search

Counter

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。