花咲くいろは 第26話 「花咲くいつか」


「綺麗だね」
「あそこにわたしたちがいたんだね」
「いたとか過去形で言うな」
「いるよ、きっと」
「うん、いるよね」
「いるよ」
「きっといつかの未来にいるはずだよ」
ついに始まるぼんぼり祭り。
みんな望み札を持ってきています。
巴さんの願いは貯金みたいですが……
「わたしは何になりたい」
1話の頃の自分を思い出して自問する緒花。
1話では特にやりたいこともなく現実的で将来に対して夢見ることもできない状態でした。
でも今は違います。やりたいことを見つけています。
若旦那の望み札には「喜翠荘再建」
皐月さんが見た望み札「500万欲しい」は巴さんなのか。「足首が細くなりたい」はなこちとか……
「四十万スイになりたい」これが緒花の望み札。
喜翠荘に来て女将さんに会うことによってやりたいことを見つけることができています。
それを見て「負けた」とつぶやく皐月さん。
1話で反面教師と言われながらも、なんだかんだいいながら良い母親していた皐月さんですが、緒花が目標としたのは四十万スイでした。
「色んな人のぼんぼりが照らしてくれたから」
みんなと出会うことによって夢を見つけることができます。
ぼんぼる→ぼんぼりまつりでのお願い→願いをかなえるために自分でがんばる。
と緒花は言っていましたが、自分で頑張るだけでなく、みんなが照らしてくれることによって、かなえたい願い、夢を見つけることができました。
願い札を見られて赤面するみんち。
震災での復興、世界平和の望み札も。
「徹さんにいつか 追いつけますように」というのがみんちの願い。
「板前として。もっと上へ駆け抜けていきたい」という徹さん。
それを見てみんちを認める徹さん。
ぼんぼりが考ちゃんをも照らしてくれます。
23,24話の歩道橋のシーンの対比となっています。
その時は何も言えなかった緒花。
「考ちゃんが好きです! 大好きです!」
ついにはっきりと言えることが。
1話での考ちゃんからの「好き」に対する返答がついに。
火がつけられ天に届けられる願い。
ここで「花咲くいつか」の最終話タイトルカードが。
願いが届けられることによって「花咲くいつか」が現実になる可能性が開かれることになります。
まずは引退するマメ爺。
そして若旦那による喜翠荘再開宣言。
一旦閉じても、もっと勉強して、また「いつか」旅館を再開したいと。その時は喜翠荘の名前を受け継ぎます。
女将さんが後継者のいない旅館を引き継いだように、若旦那も旅館を引き継いで喜翠荘を再開させるフラグが立ちます。2期をやるとしたらこの展開ですね。
皐月さんから東京に来ることを勧められる女将ですが、こっちに残って仲居として働くと。
「わたしもぼんぼるよ。憎たらしい母親で居続けやるよ。あんたのためにもね」
これが「四十万スイになりたい」という緒花の願いに対する女将の返答。
そして、それを見て「負けた」とつぶやいた皐月さんに対する返答でもあります。
女将さんは隠居することを考えていたと思いますが、緒花が目指す四十万スイであり続けるために、まだぼんぼることを決めます。
「ありがとうございます。お母様」
その気持ちがよくわかっている皐月さん。だからこそこの感謝の言葉が胸を打ちます。
「勝ち負けじゃないの。いろいろ」
いまだに徹さんと緒花のことを引きずっているみんちですが、これでようやく素直になれるか。
コンビニの帰りに三人で喜翠荘を眺めるシーンが印象的でした。
3人の夢は喜翠荘にあります。
きっと「いつか」の未来にいるはずだよ。
3人が喜翠荘で再開するという夢が叶う時がいつか来るはずです
学校を去る緒花に向けられる声援。
ピンドラみたいに消しゴムが飛んでくるのではとヒヤヒヤしましたw
ついに閉じられることになる喜翠荘。
最後に一人で誰もいない旅館を回る女将。
そこに見えるのは積み重ねてきた夢のような時間。
旅館に別れを告げた女将の目には亡き旦那が。
スイを喜ばせるための舞台だったこの旅館。
その夢は十分に叶えることができました。
次はみんなの夢を叶える番です。
そこに聞こえてくる怪しい叫び声。
雑巾がけをしている緒花の声でした。
これが喜翠荘に対する緒花流のお別れ。
喜翠荘に来て最初にさせられた仕事が雑巾がけでした。
その時はここに仕事しに来たわけではないと愚痴をこぼしていた緒花でしたが、今では自分から。
仕事に対する認識も変化していますし、まだ緒花の中で喜翠荘は過去の場所にはなっていません。
旅立つ緒花に渡される業務日誌。
「待ってるよ」
女将さんに認められる緒花です。
緒花帰還&喜翠荘再開フラグです。
若旦那夫婦はふくやで修行中。
結菜はフランス語の勉強。これが旅館のこととどう繋がるのかは謎ですが、夢のために頑張っています。
結菜の鞄にはみんなで撮ったプリクラが。思いはゆのさぎにしっかりと向いています。
マメ爺は孫やひ孫に囲まれての幸せな生活。
次郎さんは「官能ノベル大賞」に応募中。怪しげな映画館で働いているようです。
連さんは新たな場所で板前。
巴さんは声がかかっていたという小料理屋か。婚期はまだ遠そうですが……
みんちは新たな修業先を探して。
徹さんは自分とセットでとお願いしているみたいです。
自分を追いかけるものとしてみんちのことをしっかりと認めています。
なこちはスイミングスクールで子どもたちを教えて。この胸は反則過ぎる。
緒花が持っているのは「心が温まる和のおもてなし」
夢に向かって勉強中です。
映画風のEDがカッコイイ
ここまでの26話が走馬燈状態です。
「いまはまだきっとつぼみ。だけどだからこそ、高く高い太陽を見上げる。喉を鳴らして水を飲む。わたしはこれから咲こうとしているんだ!」
最後にこちらに向かって走ってきてジャンプしての「おわり」
見ている方も夢に向かって頑張りたい、花咲かせたいと前向きな気持ちにさせてくれる終わり方でした。
素晴らしい最終回です。
どこを見ても名シーン、すべてが名台詞です。
作画も演出も素晴らしいです。流石P.A.WORKSです。
京アニのAirやハルヒといった素晴らしい最終回がありましたが、それらと肩を並べる、いや超えると言ってもいいほどの出来でした。
マリーの脚本も見事でした。
シナリオに関してはttの最終話をはるかに超えています
2クール目の最初の方は少しダレていましたが(結菜の扱いはもう少し何とかならなかったのか。見せ場があの修学旅行編だけでは……愛ちゃんのほうがまだ……)しっかりと物語を描いてくれていました。作中の季節も春から秋ということで、リアルタイムで見てこれてよかったです。
ドラマチックな人生を期待していた緒花。
喜翠荘に来ることによって、やりたいこと、夢を見つけることができます。
みんなの夢を場所を産むところとしての喜翠荘の描き方が上手でしたし、そこで働き、ぼんぼるみんなにしっかりとスポットを当てていました。
花咲くいろはは連続ドラマみたいだと言われていたのですが、事件がおきてみんなが巻き込まれドラマ展開になると言うのではなく、みんながぼんぼっているから物語が生まれていました。テンプレ的な展開ではなくしっかりと人物に目を向けたストーリー構成が実によかったです。
タイトルは「花咲くいろは」でしたが、26話かけて描かれたのは「花を咲かせるためのいろは」。夢をいつか実現させるためのステップでした。
1話のタイトルは「十六歳、春、まだつぼみ」
そこから26話の「花咲くいつか」へ。
花を咲かせるためのいろは、人生における入門編みたいなものを喜翠荘とそこで働く人たちが担っていました。
喜翠荘再開という形で花を咲かせて欲しいので、是非2期をやって欲しいです。
まずは1月からの「Another」を期待です。PAに作ってもらえる作品は幸せだと思います。
いろはの2期も楽しみですが、ttみたいなラブストーリーもやって欲しいし……
とにかく素晴らしい最終回すぎて書きたいことはたくさんあるのですが、時間の関係でここまでにします。
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ぼんぼり祭りが毎年のように来客数が増えているのは好材料かも。