氷菓 第6話 「大罪を犯す」

「もう聖えるって感じよね」
「チタンダエルって,なんか天使にいそうじゃない」
「ウリエル,ガブリエル,チタンダエルって?」
「大罪を犯す」は原作では6月の話。
アニメでは黒板が7/3(火)。アニメでは2012年が舞台なので近未来に。
授業も戦国時代から元老院の話になっていました。
時系列的には千反田から喫茶店で叔父の話を聞く前と理解していたのですが,7月になっているということはその後なのか。
隣のクラスから聞こえてくる声。
尾道先生の怒る声と黒板を叩く音が。キレやすい先生です。
そこに,千反田の声も聞こえてきます。
ちなみに千反田はA組,奉太郎はB組,里志はD組です。
放課後,部室では怒れる摩耶花が。摩耶花の胸を盛り過ぎな気がするのですが……
何とかなだめようとする千反田です。
「怒ることも満足にできない,人間として寂しい奴だから」
省エネ主義者ということで酷い言われようです。原作ではこう言われても怒っていなかったのに,ここではしっかりと怒っていました。
里志は怒らないように見えても怒ることがあると。
怒らないのは美徳,憤怒は重大な罪だと温厚な千反田を褒めます。
七つの大罪のことですが,キリスト教の用語ですが,実は聖書には登場しません。
七つの大罪を題材にした映画,「セブン」は大好きな映画です。
これでえっちではないと……
天使扱いされてふくれる千反田が可愛い。
千反田さんに叱られたいです。
大罪と言っても程度の問題,傲慢,強欲,嫉妬もある程度はないとそれはそれで困ると語る千反田。
大罪には「怠惰」も入るということで,それに聞き入る奉太郎。
おまけに「疲れることはしたくない」と奉太郎的発言も。
奉太郎の目にも千反田が天使に。
うっかり隣の教室で怒っていたのは千反田ではなかったかと話を振ってしまいます。
ちびっこ天使にまとわりつかれることに。
怒った千反田ですが,何が起こっていたので自分が怒ることになったのかその理由を知りたいと。
千反田が持っていたのはアルファベットクッキーの缶でした。
なるほど,これは上手な小道具の使い方です。
尾道先生はまだ習っていない授業を。授業進度を勘違いしています。
それで怒る先生に進み具合を確認してもらうよう怒る千反田。
なぜ千反田の脳内劇場の登場人物がマネキンなのか。クラスメイトには余り関心が無いのか。
なぜ先生は授業の進み具合を間違えたのか?
それが気になる千反田。
今回も迫りすぎです。
何で千反田は怒ったのか?
先生の暴言,先生の間違いを指摘しないクラスメイトたち,答えられない生徒が可哀相だから……
でも自分がどうして怒ったのかよくわからない千反田。
千反田が何に喜び何に怒るのかまだ千反田のことがよくわからない奉太郎。
とりあえず自分にできること,なぜ先生が間違えたのかその理由を推理します。
数学教諭ならクラスを小文字で書く。
既に進んでいる里志のd組と千反田のa組とを間違えたと。
先生が勘違いしていたことがわかり,先生に言い過ぎたかもしれないと千反田。
その発言から,千反田は怒ることは悪くはないとは言いながらも,本当は怒りたくはない,怒ったのは自分のミスだったと思いたいから,自分の怒った理由を知りたかったと,千反田の内面を推理します。
千反田の行動は読めても,心の内まで読み切れると考えては……これは大罪を犯している。傲慢という奴だ」
Littele birds can remenber が。
文庫版での遠まわりする雛の英語タイトルです。
次回は「正体見たり」
これも遠まわりする雛の中の話。
氷菓事件が解決して温泉へ!
これはアニメで映える話なので楽しみです。
この話は千反田と喫茶店で話す前のエピソードだと思っていたのですが,7月に改変したことからその後のように見えてしまいます。
5月に摩耶花が里志を追って古典部に入部しているので,千反田はまだ里志と摩耶花の関係をよく理解していなくて,喧嘩の時におろおろするのですが,摩耶花入部アニメ内では1ヶ月遅れているのか。
摩耶花入部のエピソードについては書かれていませんし,どこのクラスかも明らかにされていないので,作者はあまり重要視していないのか。
追記:
アニメでは6月に氷菓事件は解決しているようです。その後に大罪のエピソードと時系列の流れを少し変えています。
6月:氷菓,7月:大罪,8月:正体,9月:愚者,10月:クド,11月:心当たりという流れか。
氷菓事件の後にこの話を持ってくることによって,5話での I Scream をここで千反田にさせるという結びつけが考えられます。そう考えると良い改変といえるのではないでしょうか。
古典部が四人になって間もない頃の出来事なので,お互いのことをまだよく理解できていません。
でも,今日の放課後で色々と理解を深めることができていました。
これまでは千反田の行動,好奇心が旺盛なお嬢様ということから行動を読むことをしていた奉太郎ですが,千反田がなぜ怒ったのかということから,その内面に注目することになります。
古典部シリーズの事件は犯人やトリックを推理するのではなく,何が起きていたのか,なぜそうなったのかということを推理するパターンが使われているのですが,奉太郎は事件だけではなく,千反田の内面,なぜ,どうして怒ったのかということに注目するようになります。
いつもなら千反田が納得する答えを出して手短に済ませようとするのですが,なぜ先生が間違えたのかということよりも,なぜ千反田が怒ったのかを知りたいと思うようになり,千反田視点を意識するようになってきます。特に次の「愚者のエンドロール」で再認識するのですが……
これまでは千反田の好奇心から火の粉が自分にかからないように回避しようとしていた奉太郎ですが,意外な一面を見て,千反田に興味を抱くようになります。
アニメでは奉太郎が千反田に惚れているかのような描写が初期から見られていたのですが,意識するようになるのはこの頃からではないでしょうか。
原作的には見所が少ない話を1話つかって面白く見せてくれていました。
他のアニメ会社ならまず間違いなくカットしそうな話なのに。
この感じだと「遠まわりする雛」がアニメの最終エピソードになりそうです。
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