坂道のアポロン 第9話 「ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー」
Nina Simone - Love Me Or Leave Me
ここに来て初めて知らない曲が。弾いてみたくなりますね。
Miles Davis - Four
セッションでの曲。Tony Williams の高速ドラムが最高です。
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淳兄に届いた手紙。
学生運動の仲間が出版社を立ち上げるので力を貸してほしいと。
事実,学生運動の活動家の多くが出版界に流れています。中核派が作った出版社があるくらいです。他には教育界や報道機関にも流れていることもあってこれらの業界は今でも左よりです。
Love Me Or Leave Me ということで,律子が愛してくれないから,自分から離れてほしいと思っている薫。
最初はオリンポスのクリスマス・パーティーの出席を断りますが,律子が教会のクリスマス会に行くということで,パーティーの出席を決める薫。
律子と距離を置こうとしています。
オリンポスということで,古代ギリシャ風の衣装の星児。
凄くリア充しています
「アイツなにしているのかな。教会でりっちゃんと話したりしているのかな」
でも,教会での様子が気になる薫。
二人のことが気になってパーティーを楽しめません。
この離れて座る距離感がいいですね。
あみものは千太郎へのプレゼントだと決めつけている薫。
自分の気持ちに気がつかない薫に怒り,その場から逃げ出す律子。Love Me Or Leave Me です。
薫としては自分は振られたので,律子の気持ちも行動も理解できていません。
振った後で律子が薫のことを好きになってゆく経緯が少し説明不足に感じます。尺の影響でしょうか。
Leave には「捨てる,置いてくる,手放す」といった意味もあります。
百合香の猫の名前は「チェット」
4話でチェット・ベイカーの曲を淳兄が演奏していました。昨年のクリスマスでした。その時に淳兄に惚れた百合香の姿が。
好きな人をイメージしてつけられた猫の名前ですが,その猫は百合香から去って(Leave) いき,今後の二人の関係を暗示しています。
と思ったら,猫は淳兄のところへ。原作では遊んであげたことでもあるのでしょうか。
律子の気持ちに気がついていなかったことを謝る千太郎。
でも,それは違う,勘違いだと律子。家族のようなものだと。
「今の話を聞いたのが少し前の自分でなくてよかった」と律子。
ちょっとしたタイミングの違いで Love と Leave が分かれます。
このすれ違い感がいいですね。
淳兄にいなくなってほしくないという気持ちと,やっと前に進もうとしているのを止めたくないという気持ちがせめぎあう百合香。
そこで会うのが捨てたあみものを捜すためにゴミを漁っている律子。
「大事なものをうっかり捨ててしまった」と説明する律子。
自分のことは気にしないで行ってくれ(Leave)という律子ですが,腕まくりしてゴミに手を突っ込む百合香。
なにもしないのではなく,自分から行動を起こそうとする百合香です。
淳兄を自分の手で取り戻そうとする決意が象徴されています。何も言わないで終わりにしたくはないという律子に共感します。
千太郎は淳兄にはたし状を送っていました。
そういえば,手紙を配達するも Leave でした。
喧嘩も仲直りもセッションでという実にこの作品らしい展開。
マイルズ・デイヴィズの曲ということで,有名な喧嘩セッションを思い起こさせます。
まだこの二人の熱い演奏とは対等にはなれない薫。
東京へ出発(Leave)する淳兄を待ち構えていた百合香。
「なぜ,キスまでしかしてくれなかったの?」
……えっ?! ここで明かされる驚愕の事実!! 前回の流れを見る限り絶対に(ry
一緒に連れて行ってほしい……。その気持ちをぶつける百合香。
でも立ち去る淳兄。
「わたしは,わたしの世界に戻るわ」
旅行鞄を持ってきていたように,一緒に東京に行く覚悟を決めていた百合香。
そんな百合花を置いて出発しようとする淳兄。
それも愛しているゆえの行動。Love ならではの Leave です。
しかし,百合花が見合いを抜け出して見送りに来ていたことを知る淳兄。
百合香の戻る「世界」とは好きな人とではなく見合い相手と結婚させられてしまう世界。
扉一枚で隔てられていますが,その二つの世界が今後交差しなくなることを示しています。
百合花を自分の世界に引っ張り込む淳兄。
百合花を置いてゆく(Leave)するのではなく,二人で出発&故郷を去る(Leave)することに。
「まず着いたら部屋に行って,この伸びた髪でも切ってもらおうかな」
前回,新しい自分に生まれ変わるために髪を切った百合香。
今度は淳兄が新しい自分に。これで完全に立ち直ることができそうです。
そして,ピアノの鍵盤の上に薫へのプレゼントが!
最高の回でした。見所多すぎです。
いつもレベル高いのですが,今回は格別でした。
薫と律子,淳兄と百合香の関係,Love と Leave を綺麗に描いてくれていました。
でも,千太郎にとっては律子も百合香も Leave なのですが……
律子と百合香の気持ちの伝え方の見せ方が実にいいです。
淳兄は百合香の気持ちを受け入れいましたが,薫はどうするのか?
次回は「イン・ア・センチメンタル・ムード」
デューク・エリントンですね。
駆け落ちは Elope というのですが,なんかエロいですよね。
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