トラドラ 9巻 感想
切ないです。泣けます。海に向かって叫びたくなります。
![]() | とらドラ 9 (9) (電撃文庫 た 20-12) (2008/10/10) 竹宮 ゆゆこ 商品詳細を見る |
とらドラは次の10巻が最終巻になるのではないでしょうか。
それを感じさせたのが表紙の人物でした。
これまでとらドラは奇数巻が大河が表紙,偶数巻はその他のヒロインが表紙でした。
1. 大河 2.亜美 3.大河 4.実乃梨 5.大河 6.会長 7.大河 8.実乃梨
順番からゆくと9巻は大河になるはずなのに9巻の表紙は亜美でした。
6-8巻はは中心的なヒロインが表紙になり,9巻でも亜美が裏ボス的な立場にいます。
これは続く10巻で,メインヒロインの大河のエンドになり,表紙も大河になるのではと予想するわけなのです。
感想ですがネタばれになると思うので,追記の形で投稿します。
ネタばれOKな方は「続きを読む」をクリックしてください。長文です。
9巻ですが「超ど級ラブコメ」というとらドラのキャッチフレーズを超えるものになってきています。
特に7巻からはラブコメとかラノベというジャンルを超えて文学作品としても通用する内容になってきている気がします。
今回の中心となるストーリーは,8巻エンドで,大河が遭難した自分を助けてくれたのが北村だと勘違いし,北村には自分の恋愛のことを相談していていたので,竜児はみのりんとうまくいって欲しいと思っているのに,どうしても竜児のことが好き,自分で何とかしたいのに,今回のように助けを待つばかりだと,助けに来て自分のことを背負ってくれているのは竜児なのに,その本人に知らずして告白してしまいます。
竜児は大河が自分に本当の気持ちを伝える気持ちがないのに,本心を知ってしまったため苦悩します。忘れたことにしたいのに忘れることができません。
これまではシリアス展開になりそうになりながらも,クリスマスイベントや修学旅行といったコメディーパートと共にストーリーが進んでゆくので,重苦しい雰囲気になるのを防ぐことができていました。
しかし,今回はもう一つのストーリーの柱となるのが,竜児の進路で,そのことで母やっちゃんと向き合うことになります。
やっちゃんは進学を望みながらも,母子家庭という現状を考えると進学は無理だと竜児は考え,現実世界と向き合うことが求められてきます。
そうした不安定な精神状態にある竜児にラスボスだと思われていた実乃梨が自分の本当の気持ちを明らかにしはじめます。
なぜ7巻エンドで竜児の告白を断ったのか,バイトを掛け持ちしている理由などが明かされます。
実乃梨は大河の本当の気持ちに気づいてしまったため,竜児のことを好きなのに,それを受け入れることができなかったのです。
これで8巻でなぜ実乃梨が竜児のことをかたくなに拒んだのかが明らかになります。
続いて裏ボスである亜美も苦悩している竜児を見て,自分が考えてきたこと,しようとしてきたこと,これまで隠してきていた自分の本当の気持ちを竜児に伝え始めます。
どうやら亜美は大河と竜児が一緒になるのが一番うまくゆくと考え,そのことを実乃梨に告げていたようです。
そのため,実乃梨は竜児をかたくなに拒み,亜美と8巻で壮絶なバトルを繰り広げることになります。
この二人の助けもあって竜児も自分が何をすべきなのか,自分の本当の気持ちと向き合うようになります。
もうこの当たりからあまりの切なさに泣けてきてしまいます。
シリアス展開全開です。
もう一つのストーリーの軸である竜児と母の関係ですが,竜児は母から自立することを決意します。
自分が就職すること,母の言うようにすべて物事はうまくゆき何とかなるということはないのだ,自分が何とかしなくてはいけないと考えます。
やっちゃんは経済問題が竜児が進学を渋っている理由だとわかり,夜の仕事のほかに,昼はケーキ屋さんの仕事をします。
しかし,過労からやっちゃんは倒れてしまいます。
それをみて竜児は自分が母の気体にそむくことになったとしても,母を助ける決意を強めます。
それでケーキ屋に行き母がバイトをやめること,代わりに自分が手伝うことを伝えます。
9巻エンドでは大河はこれまでお世話になった人たちに手作りのチョコレートを渡すため,主要メンバーを呼び出します。
そこで北村に遭難したときは助けてくれてありがとうと一番大きなチョコを渡しますが,それを聴いたみのりんは大河を救出するとき共にいたので,それが竜児がついたうそであることに気づき,大河に本当のことを告げ,本当の気持ちを伝えるように促します。
竜児はその場から逃げ出した大河を追いかけ探しに行きます。
大河を見つけ,大河が自分の本当の気持ちを伝えることを決意したときに,やっちゃんと大河の母が表われ,二人を引き離します。
やっちゃんは竜児が嘘をついていたこと,自分から自立しようとしていたことに気づきショックを受けます。
これまでは母のことを第一に考えていた竜児は母よりも大河を選ぶことを決意し,大河の手を取って逃げ出したところで9巻エンドです。
怒涛の展開でした。
竜児の心の動き精神状態の動きが今回の見所です。
母と向き合い,みのりんや亜美の言葉を聞いて,成長して行きます。
とらドラの人間関係が明らかになり,トゥルーエンドに向けて物事が動き始めている感じがします。
ようやく大河と気持ちが通じ合ったのに,今度は母と気持ちがすれ違い,大河もこれまで出てこなかった母との関係,本人はうまくいってると言っていますが,現状は正反対のようなきがします。
大河がお嬢さまでありながらなぜ一人暮らしをし,放置されていたのかその辺も明らかになるのではないでしょうか。
これまで大河はツンが9.9 デレが0.1ぐらいだったのですが,7巻あたりから少しずつデレ度が増してきています。
10巻ではデレ大河が見られるでしょうか。
とらドラは7巻からファイナルに向けて物語が動き始めています。
はたして10巻はどうなるのか,見逃すことができません。
早く続きが読みたいのと,もうすぐ終わってしまいそうな切なさがせめぎあいます。
書きたいことはたくさんあるのですが,読んだ直後ということもあってうまくまとめることができません。
もう一度7,8巻もチェックしてみたいです。
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