アニメ とらドラ 第21話 「どうしたって」 感想


舞台は雪山,修学旅行です。
大きなターニングポイントになる重要な回です。心の中で押さえていたことが表面に出てきます。
原作を読んだ時に衝撃を受けたエピソードを,アニメでも見事に表現してくれていました。
どいて,どいて,どいてぇ~!! うぐぅ
ソリにのった大河に轢かれます。
原作では竜児はみのりんと一緒に滑ったりしていい感じなのですが,行動を起こせていないことになっています。
木原は北村と一緒にリフトに乗るために工作を。
それなのに怒らない大河を見て,「お前,北村と何かあったのか?」
「なっ,何も・・・ないわよ」。照れる大河。何かあったのは明白です。
大河は正月に北村とあって一緒にお茶したことを話します。
「何で言わなかったんだ」。言えるわけがありません。竜児に関することだし。それで逆ギレです。
そして始まる最初のバトル。
木原の工作を能登が妨害したことから始まります。
能登は親友の幸せを祈っています。少し前のファミレスでの勉強の時もそうでした。
みのりんは喧嘩はやめてみんなで仲良くやろうと仲裁に入りますが,それが亜美には気に入りません。
「祐作のそういう鈍さって,天然?それとも,わかっててやってんの?」
ここで注目なのは北村の隣にいるみのりんの表情です。みのりんはそれが自分に向けられた言葉でもあることに気がついています。
食事から離脱した竜児。北村も大河とのことを黙っていたことを気にします。言えるわけがないですが・・・
そこにみのりんが現われます。ずっと機会をうかがっていたと。
しかし,みのりんの相談は先ほどの喧嘩のことでした。
喧嘩の原因は,大河が北村のことを好きだと誤解しているからだと。だから木原の接近を妨害していると。
「・・・別に誤解じゃねえんじゃねえの」
みのりんは大河のことは全部わかっていると。好きな人が北村ではないことを良く知っています。
そこでみのりんが取り出すヘアピン。竜児がみのりんにプレゼントするために買ったものです。
「大河がくれたんだ。宝物だから,絶対,絶対大事にしてくれって」
それを聞いた竜児は「ごめん,大河・・・いくら頑張ってもだめだ・・・」とつぶやきます。
なぜここで竜児があきらめたのかを説明すると・・
みのりんはクリスマスのことをすべてなかったことにしています。
しかし,竜児は自分のプレゼントを身に着けているみのりんを見て,自分はあれをなかったことになんかできない。そうしてまでこのままの関係,何もなかったかのようにして振舞うことは自分にはできない。自分の告白を頑なになかったことにしようとするみのりんにこれ以上合わせることができないことに気づいてしまいます。そして落胆して布団にもぐりこみます。
そこを起こされた竜児。みのりんに告白したことを語り始めます。
「1年以上もずっと好きだった」。過去形になっています。竜児はみのりんをもうあきらめています。
なんで櫛枝は高須を振ったんだ?「わかんねぇよ,俺が聞きてぇよ」
竜児はみのりんが頑なに拒む理由をわかっていませんが,北村はここで真相に気がつきます。
例のお正月の大河との一件が関係しています。
そこで動く北村。直接聞きに行こうと。さすが北村,そこにしびれます。全校生徒の前で会長に告白できる男です。
俺たちは赤穂浪士だ。櫛枝は吉良だ。JOJOのではありません。
しかし,女子の部屋には誰もいません。
キャミやタオルや靴下を見つけて興奮しています。
そこに大河が帰ってきます。慌てて押入れに隠れます。それは死亡フラグです。
案の定,大河に気配を悟られ,扉を開けようと。
そして,そこに帰ってくる他の女子たち。
竜児は大河を押入れの中に引き入れます。バッドエンド確定です。
ここでアイキャッチ。
中心にあるのが亜美の文字で回転しています。今回のキーパーソンです。
女子たちの生々しいトークを押入れで聞いてしまうことに。
話は大河が北村狙いなのかということに。
「櫛枝,そのへんどうなの。大河って北村と高須どちらが本命?」
「そのへんって聞かれても困るべ。大河に自家に聞いてよ」
そのみのりんを見つめる亜美。
木原の「高須くん,大河をばしっとゲットしてくれないかなぁ」に反応するみのりん。
「あいたたたた。そこで黙り込むみのりちゃんなのでした」。亜美が口を挟みます。
みのりんがあまりにもとぼけているので余計なことを言ってしまったと。
ここで亜美はみのりんがクリスマスに高須くんをふったことを明かします。
「高須くんは大河じゃなくてみのりんのことが好きなんだよね~」
「でもみのりんは高須くんをふったんだよね。でもってそんなの忘れたふりして,超天然なふりをしてみんな仲良くだの,ずっとこのままだの・・・」
「・・・平気な面なんていつ見たわけ。わたしの何がわかるの。関係ないからほっといて」
「関係ないか。じゃあ罪悪感も関係ないんだ。誰かさんへの罪悪感から高須くんをふったと思ってた」
「純粋に高須くんのことが嫌いでふったのか。じゃあ,亜美ちゃんがそのことを高須くんに明日伝えてあげる。半端な言葉で生殺しにするより,はっきりとどめさしてあげるのが親切というものだよね」
ここでのみのりんの表情の変化が見所です。
竜児をはっきりとあきらめることができないみのりんの心境を描いています。
そして,「好きにすれば!!!」とキレるみのりん。2番目のバトルです。
ここまで追い詰めても本心を出さないみのりんに「・・・ほんと,いい面の皮している・・・」
亜美はみのりんが絶対に言わないと決めている,竜児への恋心を言わせようと煽っていました。
気まずい雰囲気になったため,大河を探しに行こうと話題を変えます。
その隙に脱出ですが,とんでもないことを聞いてしまうことに。
翌日,さすがに昨日のことがあって亜美も落ち込んでいます。
「高須くんに懺悔しなければいけないことがあるんだ」
「高須くんがみのりちゃんいふられたのって,わたしのせいかも」
「前に高須くんの知らないところで,わたし,みのりちゃんに嫌味を言った」
「なんであんなこと言ったのか自分にもわからない・・・」
周りのことが良く見えている亜美は,良かれと思ってやったことが逆効果になってしまい後悔しています。
残念なのは亜美の「ずっと高須くんと付き合いたいと思っていた。好きだから。・・・って言ったらどうする」がカットされていたことです。次回にも関係してくるところなので・・・8巻はみのりんの巻,9巻は亜美の巻なので。
そこにソリで突っ込む大河とみのりん。そして3回目のバトルが始まります。
「絶対わざとだ。昨日のこと怒っているからなんでしょ。わたしと高須くんが喋っていたから。邪魔しにきたんでしょ」。その言葉を聞いてみのりんは自分が心のそこではそう思っていたことに気づかされます。みのりんそれを否定したいがゆえに亜美に突っかかりバトルが。
亜美のパンチを受けて宙を舞うヘアピン。
それを見た大河はあれは大事なものだからと追いかけます。
大河は足を滑らせて転落!!しかし皆はバトルに気を取られて気がつきません。
大河,行方不明。
外は激しい吹雪です。
罪悪感を感じているみのりんはじっとしてられません。大河を探しに行くと。
そこで「俺も行く」と竜児。このときみのりんがうれしさ半分,悲しさ半分な顔をしたことに注目です。
竜児は雪の中で光るものを見つけます。
「あれは・・・」
竜児はその光るものが何か。そして大河がなぜいなくなったのかを理解します。
大河はそこにいる。大河の気持ちがわかるからこそ竜児は,みのりんをとどめ,自分が下に降りて大河を救出しようとします。
「また,あいつを一人にしてしまった。そばにいたのに気づいてやれなかった。今度つかんだら絶対話してやらないからな」
ED曲が流れる中,大河のところにゆく竜児。
ヘアピンを回収します。
大河を発見して担いでゆきます。
スタッフロールが流れる中,竜児に背負われる大河。
大河は自分を助けてくれたのが北村だと勘違いします。
「竜児かと思った・・・こんな時・・・絶対助けに来てくれるのは・・・竜児だって」
「ごめんね,北村くん・・・ご利益ないね・・・失恋大明神」
「お願いしたこと・・・全然かなわないんだもん」
「・・・この気持ち全部消して・・・わたしを強くしてって・・・」
「だめだよ・・・どうしたって・・・竜児のことが・・・スキなんだもん・・・」
ついに明かされる大河の本音。この最後の台詞から今回のタイトルが取られています。
そして大河の本当の気持ちを知ってしまう竜児。
しかし,北村だと勘違いしてでの言葉なので,竜児は苦悩することに。
スタッフさん,とらドラをよくわかっています。
亜美とみのりんの心の動きを表情や視線でうまく描いています。
原作を読んでいるのに,アニメで初めて気がついたこともあったし。
次回の注目点は,みのりんは助けに行ったのが竜児であることを知っているけど,現場にいなかった亜美はそのことを知らないということです。
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