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ラノベ さよならピアノソナタ 4巻 感想

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)
(2008/12/05)
杉井 光

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さよならピアノソナタが終わってしまった・・・読み終えて感動と寂しさが混ざり合い,複雑な気持ちです。
ありがとう,さよならピアノソナタ!!4巻も最高でした。自分の大好きな作品になりました。

3巻で自分の真冬に対する気持ちに気づきそれを真冬に伝えようとするナオ。

しかし,簡単にはゆきません。
ナオを手に入れるために響子は得意の策略を巡らせます。
そして,鈍感さゆえに女心がわからないナオはとんでもないミスをするし,肝心なことを伝えられないし・・・

そうした中,さよならピアノソナタはフィナーレを迎えます。読み出したら止まらなくなります。
3巻と続けて一気に読んでしまいました。

ナオは真冬の誕生日にプレゼントをしようと。
何をプレゼントしたらいいか,それをよりにもよって千晶に聞きます。
当然,激怒する千晶。

結局,ナオは文化祭のイベントでも自分の気持ちを真冬に伝えることができていません。
いまだに真冬が自分のことをどう思っているのかがわかっていません・・・

激怒する千晶をみてナオは自分が真冬だけに誕生日プレゼントを上げようとしていて,千晶には何もあげてないからだ・・・と思い,千晶に前から欲しがっていたサージェント・ペパーズのLPをプレゼントします。

プレゼントの理由を知って,当然,千晶は激怒します。
しかし,ナオからのプレゼントなので受け取ります。
千晶の心の動きを考えるとカワイソすぎます・・・

ナオはクリスマスのコンサートに真冬を誘おうと。そして自分の気持ちを伝えようと。
しかし,ナオがクリスマスの計画を立てているのを見た響子はそれを妨害します。
ナオが真冬と行こうとしていたコンサートに出場することを決めます。

ナオと真冬が結ばれないようにするために動く響子。
ナオに行動を起こさせないために,自分がナオを好きなことを告白します。
結果,響子とのことを整理できないままでは真冬に告白することができない・・・ナオはジレンマに。

真冬は誕生日にナオを自宅に招待します。
そしてナオのためにピアノを弾きます。
そしてナオは真冬にサージェント・ペパーズのLPをプレゼントを渡します。

そうです,千晶にプレゼントしたのと同じものです。
ナオはLiveをすると終わるのが悲しい,ずっと演奏していたいという真冬の言葉を聞いて,最後にエンドレスリピートがあるサージェント・ペパーズのLPをプレゼントしたのですが,鈍すぎです。同じものをプレゼントしたことが明らかになったらどうなるかまで思いが回らないなんて・・・

さらに響子の計算され尽くされた妨害によって,ナオは気持ちを伝えることができないまま,真冬の家を後にすることに。

クリスマスのコンサートのために練習をするバンドですが。
ナオのエフェクターの効果もあって最高のサウンドを作り出すことができるようになります。

しかしナオは真冬から渡されたいま録音中の演奏のテープを聞いて真冬の異変に気がつきます。
手首の力が・・・手首に無理をさせているため長い曲になると後半でタッチが弱くなっている・・・
ナオは真冬のギターが手首に負担をかける演奏であることを思い出します。
ギターが真冬の手首に負担をかけ,それがピアノの演奏に表われている・・・

しかし,そのことを認めてしまうと,真冬と一緒にバンドで演奏することができなくなってしまいます。
しかし,手首の故障は重大な問題です。結局そのことを真冬の父のエビチリに伝えることに。

結果,真冬は治療に専念することに。
学校も止め,アメリカに行くことに。

しかし,真冬はナオと一緒に演奏をしたいので,どんなことがあってもLiveには出ると。
真冬はギターもピアノもナオのために弾いていることを告げます。
それなのに,なにがそこまで真冬を動かしているかまだナオはわかっていません。

そこに千晶が新しくできたバンドの衣装を持ってきます。
それはナオのプレゼントのサージェント・ペパーズをモチーフにしたデザインのTシャツでした・・・

ここで同じものをプレゼントしたことが明らかになってしまいます。
ショックを受ける真冬。
自分は手首の故障でステージは立てないことを告げて逃げ出します。

響子もこうなってしまったのが自分の策略の結果だったことを明かします。
ナオが真冬に告白できないように,先に自分がナオに告白し,ナオからの回答を突き放すことによって,ほとんど真冬に固まっているナオからの大逆転を狙っていたのです。

しかし,そのことがバンド,そしてナオと真冬の関係を壊してしまうことに・・・

千晶はサージェント・ペパーズのLPのジャケットだけをナオに返します。
中身は宝物だから返せないけど,表紙を見ていると真冬との関係を壊すことになったTシャツのことを思い出すからと。

真冬とのことをあきらめようと思い,真冬からもらったテープを壊そうかと思うナオ。
しかし,真冬がくれたこのテープは宝物だ,壊せるわけがない・・・

ここで初めてナオは千晶の気持ちに気がつきます。
LPを宝物だと言った千晶の言葉から,千晶がどれだけ自分のことを思っていてくれたのかに気づきます。

千晶の気持ちに気がついたナオは3人でもライブに出ることを決めます。
ライブへの練習を続けている時にユーリが突然ナオのもとにやってきます。

そこで真冬がリハビリをするのは手首を治すだけではなく,ギターの正しいトレーニング,手首に負担をかけない正しい演奏をマスターするつもりでいることを聞きます。
真冬はバンドに戻ってこようとしている。
だからこそバンドのためにいま頑張る必要がある。
そう考えたナオは真冬に会いに行くことよりも練習の方を優先させます。

真冬に逢いたい,でも真冬が帰ることができる場所を残しておきたい。ナオの心は揺れます。
そのため,Liveのことを知ったエビチリがそれに出れないようにするために,その日にアメリカに旅立つことを決めます。

そのことをユーリから知らされたナオは真冬を追いかけることよりもバンドを選びます。
真冬の居場所のためにひたすら演奏とバンドに集中するナオ。
しかし,その日は雪で,フライトが遅れます。
今から空港に行けば真冬に会えるかも。
哲朗はナオのためにバイクで待機して空港まで送り届けます。
そして旅立つ直前の真冬に今日の演奏のテープを渡すことが。
「待っているから!」「戻ってこなかったらまた探しに行くから!!」

そして時は過ぎ卒業式。
結局,ナオと真冬はすれ違ったままです。

真冬はアルバムを出しコンサートをして有名になってゆきます。
そんな真冬にナオは会いに行くことができません。

すれ違う2人・・・
そんな時,ナオは真冬のCDについてきたコンサートの予定表を目にします。
その中にはSOLD OUTの並ぶ文字の中に一つだけ,4/4PRIVATEの文字が。
演奏場所は「泥棒市場」
それを見たナオはこれが真冬からのメッセージではないかと。

泥棒市場は前にナオが真冬に2人が出合った場所を「心からの願いの百貨店」と名づけたことを説明した時に,その言葉が出てくる本のことを話していました。
その泥棒市場にある店が「心からの願いの百貨店」と呼ばれていたのでした。

これは2人だけがわかるメッセージだったのです。
ナオは4/4のコンサートの開始時間に2人が出会った「心からの願いの百貨店」,粗大ゴミ捨て場に向かいます。

そして2人の再会・・・
ついにナオは自分の気持ちを真冬に伝えることができます。
その上空を飛び交う鳥の群れ・・・

素晴らしいフィナーレでした。
Happy Endに終わってよかったです。

二人の気持ち,愛が伝わる終わり方でした。
4巻で完結なのがもったいなさすぎます。
この2人の物語をもっと読みたい,そう感じさせてくれる作品でした。

真冬という天才的な演奏ができる少女。
音楽評論家の父を持つゆえに音楽の知識が豊富なナオ。

同じような背景を持ちながらも違いがある2人ですが,その2人を結びつけ,その違いを感じさせたのも音楽でした。
そうした中でお互いを支えあい,不器用ながらも絆を深めてゆく2人。
ナオのために演奏する。真冬の隣に立つ。その強い思いによって結びつくことができました。

音楽が重要なテーマになっている作品ですが,その取り上げ方も見事でした。
3巻でのBorn to Run,Bobby Jean,4巻でのクロイツェル。見事に二人の気持ちと状況を表現していました。

最初から真冬が正ヒロインの立ち位置にいてそれが揺らぐことはありませんでしたが,響子と千晶の存在も,この作品にとって重要なものでした。この4人が揃ってこそのバンドです。
千晶と響子のナオに対する想い,それでもナオと真冬のことを気遣う・・・
4人が再会したフェケトリコの姿も見てみたいですが,幕引きとしてはこれでよかったと思います。

さよならピアノソナタという素晴らしい作品に出会えたことを心から感謝します。

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2009-02-28 07:48 : Book : コメント : 0 : トラックバック : 0
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