ラノベ とらドラ 10巻 (最終巻) 感想
![]() | とらドラ〈10!〉 (電撃文庫) (2009/03/10) 竹宮 ゆゆこ 商品詳細を見る |
帯にあるように感動の完結です。泣けます。
大河と竜児の幸せな世界。それを手に入れるために大河が竜児が,やっちゃんが,ゆりちゃんが,北村,亜美,みのりんが行動し,信じます。
9巻で竜児は母,やっちゃんから自立していようとしていました。
しかし,母の期待に背くことになったとしても母の代わりにバイトをして助けようとします。
一方,大河は雪山で自分を助けたのが竜児であることを知り,逃げ出します。竜児は大河を追いかけ,自分の気持ちを伝えようとしたところ,やっちゃんと大河の母が現われ,2人を引き離そうとします。しかし,竜児は大河の手を取り逃げ出します。
そんな中で始まった最終巻。2人で逃げても行くところがありません。
川を渡って隣町に行きバスに乗ろうとしてもお金がありません。
橋の上で大河は手持ちのお金がないだけでなく,父の仕事が失敗し,マンションも売り払われていることを告げます。
そんな大河に自分の居場所はお前であることを竜児は告げます。そしてKiss
自分のしたことにうろたえるのと不運が重なって隆二は川に落ちてしまいます。
竜児が身投げしたと思った大河は橋の上から叫びます。
「死ぬなんて許さない。自分が生きているのは,あんたがいるから!好きなんだもん!」
竜児も川の中で叫びます。
「俺は17だ。もう少しで18になる。だから嫁に来い!一緒に暮らそう,これからずっと」
ついに気持ちが通じ合う2人。
大河も川の中に飛び込み抱き合い,愛を叫びます。冬の真っ暗な川の中で・・・
そんな2人の姿を亜美が見つけます。
北村から連絡を受けた亜美とみのりんは2人を探していました。
2人を救出し,亜美の家で暖めます。
そして今後どうするのか話し合います。
亜美はこのまま逃げても限界があると。
でも竜児は自分の母がそうやって逃げ,自分を育ててくれたことを知っています。
北村も全力でサポートすると。みのりんもこのままだと引き離されるのでとりあえず逃亡することに賛成します。
結局亜美は別荘の鍵を竜児に渡します。
しかし,竜児は自分たちで何とかしようとしても,結局は友達に頼ってしまっているし,親のことも心配なのでとりあえず今日は家に帰るようにと大河に言います。
明日,学校で会おうと。
亜美の家の外で待っていた母に大河は連れ去られます。
家に帰った竜児は母の不在に気がつきます。
テーブルには書置きが。
竜児は自分が母を捨てたのではなく,母が自分を捨てたことを悟ります。
竜児が願うのは家族,友人みんなが祝福してくれるハッピーエンドです。
期待が裏切られ,親子の関係が崩れることを望んでいません。
大河もこれまで自分が望むことはすべてはじかれ手にすることができないできました。
それゆえに竜児のことも自分が望んだらすべて崩壊してしまうのではないか。
竜児がみのりんを好き,みのりんも竜児を好きということよりも,そっちの方が心配だったので,竜児を望もうとはしなかったのです。
次の朝,竜児はお前から前向きになる気持ちをもらった。俺たちは逃げてそして帰ってくると告げます。
しかし,教室には大河の姿はありません。
おまけにゆりちゃんまで。昨日の別れが最後の別れになるのではと不安に感じます。
そこに涙ぐむゆりちゃんと大河が。大河が転校することになったことを告げます。
そこを春田の名演技で気をそらされた隙に2人は逃げ出します。
ゆりちゃんは明日までに必ず連絡を入れるという竜児を信じ,教師生命をかけて二人を守ります。
大河と竜児は逃げて二人が幸せになったとしても,その輪の中にはやっちゃんはいない。
それで別荘に行くのではなく,やっちゃんの実家に向かいます。
やっちゃんは俺がいたからこの家に戻れなくなった。でも自分は愛する人たちのために何とかしたい,谷ッチャンがここに帰ってこれるようにしたいと,高須家に訴えます。
そのための作戦として大河は竜児が大怪我をしたとやっちゃんに偽メールを送ります。
竜児のもとに駆けつけるやっちゃん・・・
やっちゃんも自分が親を捨てたように,竜児も自分を捨てていってしまうことを恐れていたのでした。
そして竜児が大河と一緒に行ってしまうのを見て,やっちゃんは逃げ出してしまったのでした。
「俺はここにいる。生まれてきて生きているから。他には何が欲しい」
やっちゃんが望んでいたのは幸せが続くことだけでした。
「じゃあ,続く。続けようぜ。こいつもいるけど。ずっと。一生」
この家族が和解するところには泣けてきます。
竜児と大河はお互いの親と和解することを決めます。
それで大河を親のもとに帰します。
大河がいなくなることを認められない仲間たち。
しかし竜児は大河は必ず帰ってくる。これでいいんだと納得させます。
そして迎える再会の日・・・
ゆゆこ今までありがとう。
ハッピィーエンドで終わってくれました。
デレる大河が可愛すぎます。
逃げてつかむ幸せではなく,みんなが幸せになる。そのことを選びます。
そうした結果,大河も竜児もやっちゃんも家族と和解することができ,その幸せの輪の中に入ることができるようになります。
学校で2人と再会する友人たちもその輪の中に入ることができます。
素晴らしいエンディングでした。
人気作なのでもっと続けることもできたはずです。
しかし,10巻でハッピーエンド幕切れにしたのはいい終わりかたです。
とらドラは出てくる人が不器用でうまく立ち回ったり,上手に説明することができないです。
でも,まっすぐに自分の道を通したり,言いたいことを言うべき時にははっきりと言う,そういう熱さ,青臭さが最大の魅力でした。恋の行方も甘酸っぱかったです。
一番可哀想なのは亜美ですけど。大人に立ち回ることができるからこそ損をする役になってしまいました。
とらドラは5巻からリアルタイムで読んでいました。
田村くんでゆゆこファンになり,最新作のとらドラに。ハルヒ,シャナに続いて読み始めたラノベでした。
そして,すぐに大ファンになりました。
ブログを始めたのもとらドラのことを書くのがきっかけだったし,多くの人に宣伝もしてきました。
自分の大好きな作品が終わってしまうのは悲しいことなのですが,ファンにとっても納得のいく素晴らしい終わり方でした。
あとがきでは短編の予定があると。これも楽しみです。
そして次回作にも期待しています。
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