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1Q84 感想

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上春樹

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1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上春樹

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上下巻合わせて1000ページを超える量ですが,2日で読むほど引き込まれました。
ハードカバーで場所を取りますし,上下巻合わせて3600円しますがそれだけの価値がある作品です。
以降ネタバレありです。
村上さんが全く前情報を出さなかったように,レビューや感想を読むことなく1Q84を読むことをお勧めします。



村上さんの作品は長編,短編,エッセイ,旅行記などほとんど読んでいます。
村上さんについては多くのことが語られ,研究されたくさんの論評が出ています。
1Q84も反響を呼ぶ内容なので,国内だけではなく海外でも多くのことが語られ,論考されることになるのは確実です。なので簡単に感想を。
1ファンとして語っています。最近はラノベ読みになっています。

評価ですが,ねじまき鳥以降の村上作品の中では一番いい出来だと思います。

1995年の阪神神戸大震災,オウム真理教事件が村上さんに与えた影響は大きく,ターニングポイントになっています。

本に入っていたチラシでは,
1985年 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
1994年 「ねじまき鳥クロニクル」
2002年 「海辺のカフカ」
そして今年,待望の最新作。
と書かれていました。

「世界の終わり」と「カフカ」は2人の主人公がいて章ごとに交互の視点から語られてゆき,終盤でその二つがクロスするというスタイルなのですが,1Q84にも二人の主人公,青豆と天吾がいます。
そして「ねじまき鳥」で暴力がテーマとして取り入れられ,作風の変化を与えています。

それまでの村上さんは社会的なことにたいしては傍観者の位置にいる,社会と関わらないようにしている主人公が多かったのですが,ねじまき鳥で暴力や戦争をテーマとして扱い,阪神大震災やオウム真理教事件を通して社会的な問題にコミットする,積極的に関わるようになってきました。
(地震をテーマにした連作,「神の子供たちはみな踊る」,オウム事件の被害者をインタビューした「アンダーグラウンド」オウム信者をインタビューした「約束された場所で」を書いています)

その流れを1Q84も引き継いでいます。
「証人会」としてエホバの証人,「さきがけ」としてヤマギシ会,山梨県の山奥の教団としてオウム真理教のことを取り上げています。

主人公の一人である青豆は証人会の家庭で育ったことがトラウマになっています。
もう一人の主人公の天吾は父親のことがトラウマになっているのですが,証人会の日曜日の伝道活動に同伴されたこと,天吾は父親のNHKの集金に日曜日も付き合わされたことが二人の共通点となっていて,小学校4年生の時に二人の間にフラグが立ちます。

二人とも翌年に日曜日の活動から離れるために行動を起こすのですが,二人は離れ離れになってしまいます。

1Q84の舞台である1984年には天吾は作家の卵,青豆はインストラクター兼殺し屋になっていて,全くクロスしないように見えながらも,天吾がさきがけから脱出してきた少女が書いた小説のリライトをすること,青豆の最後のターゲットとしてその少女の父親である教団のリーダーを暗殺しようとすることになり,次第に距離が近づいてゆきます。

非常に引き込まれる内容だったのですが,ラストについては多くの意見が飛び交うことになると思います。

スーパーナチュラルなものが登場するのが村上作品の特徴なので,リトル・ピープルが何か。空気さなぎとは何か,天吾が空気さなぎの中から見つけたものは,青豆は結局最後どうなったのか,読者の判断に任される結末になっています。
主要人物である小松のことも途中から全く語られなくなりますし,重要人物であると思われたアザミも結局登場しませんでした。

わたしは1Q84はテーマとして信仰が取り入れられたという点が新しいと思います。
青豆は伝道活動,天吾は集金活動に親によってほとんど無理やり参加させられることになるのですが,一軒一軒を回るというその活動が宗教的行為,巡礼を連想させるものとなっています。

二人ともそのことを毛嫌いし,離れますが,青豆は暗殺というプレッシャーのかかる仕事をする時,無意識ながら,過去のものとしたはずのお祈りを唱えていますし,天吾も父と和解し理解することができるようになります。
そのことが物語の結末に関係してきています。

ねじまき鳥で出てきた牛河が1Q84でも登場します。
ここらへんの関係などは詳しい方が解説してくれると思いますが,ねじまき鳥の世界とシンクロしているところも感じられました。
マルタとタマルもアナグラムだし。

タイトルの1Q84ですが,これは青豆が名づけた,いまの1984年のことですが,SF小説1984とシンクロしています。
この1984と1Q84の違いについても論じると非常に興味深いものがあると思います。

普通に読んでも面白く考えさせられる内容ですが,色々と考えたり深読みしても面白い作品です。
いろいろと語ったり考察することができる内容の作品なので,これからこの作品について書かれることにも注目です。

少し時間を置いて考えてみたら,1Q84にはさらに続巻があるような気が。
ねじまき鳥もまず1部だけ出して,その後,2部,3部が出ました。
ねじまき鳥も1部の時点ではその終わり方のゆえに叩く人も多くいました。
しかし2部,3部と進むうちに評価が高まってゆきました。

1Q84も2巻の終わり方は唐突な感じがします。
明かされていない謎も多いです。
最後まで読み終わっても釈然としないところがあると多くの人が感じるのではないでしょうか。

ねじまき鳥が1年半のペースで続巻が出されていったように1Q84も続きが出されて行くのではないでしょうか。
2巻終了の時点では良作ですが,村上さんの最高傑作ではないという評価になると思いますが,続きの巻が出るこによってその評価が変わってくるかもしれません。


村上作品ですが,一番好きな作品はと聞かれたときには「羊をめぐる冒険」と答えています。最高傑作はと聞かれると「ねじまき鳥クロニクル」と答えています。
1Q84はこの2つの作品には及ばないですが,十分に楽しめる,深く引き込まれる作品です。

今の時代ともシンクロした作品ともなっているので最初の村上作品として読むのも間違いではありません。

読みやさという点では,少年が主人公である「海辺のカフカ」もお勧めです。
一般的に評価が高いのは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」です。CLANNADもこの作品をモチーフにしているところが見うけられます。

わたしのお気に入りの「羊」は「風の歌を聴け」,「1973年のピンボール」に続く作品になっているので,「風の歌」から読むことがお勧めです。「ねじまき鳥」は難解なところも多くあります。
最も売れた作品である「ノルウェイの森」は少々エロいですが,面白いです。わたしは村上さんらしくない作品だと思っているのですが・・・

わたしは村上さんの作品では長編以外の仕事が好きな人です。(村上さん自身は長編をメインとしています)
短編集はどれも面白いですし,シドニーや遠い太鼓のような旅行記も非常に面白いです。村上朝日堂シリーズのエッセイは大変面白いです。
レイモンド・カーバーなどの翻訳作品でも素晴らしい仕事をしています。

1Q84は売り上げ好調ですし,話題になると思うのでこの機会に村上作品を読んでみるのもいいかもしれません。

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2009-06-05 09:40 : Book : コメント : 0 : トラックバック : 0
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