アニメ CANAAN 第12話 「忌殺劣者」 感想
「わたし,カナンと一緒なら」


カナンには異変が。
「なぜみんな,わたしを責めるんだ」
「なぜ,死ぬんだ」
カナンには,みんなの責める声,ハッコーやサンタナの死者の声が聞こえてきます。
そのカナンの心の支えになっているのがマリアです。
車はエンジンがかからないので,マリア,カナン,ユンユンは電車で帰ることに。
みのさんはサンタナの車ということで,捨て置くことができません。
突然止まる列車。検問のようですが,そこに響く銃声。
列車の中で,過去のシャムとアルファルドのことを思い出します。
列車の中にはなんとシャムが!!
「ここで俺は死んだ」
「俺たちは誰に殺されたんだろうな」
ハッコーやサンタナの姿も。カナンが殺した敵の姿も。
ということはこれはカナンが見ている幻ということですね。
声が聞こえるだけでなく,姿も見えるようになってきたのか。
マリアのところにはアルファルドが。
「カナンは守るべき光がある時が最も強く,そして恐ろしい」
「自分のすべてを理解し,愛してくれる者の存在があって初めてアイツは真の力を発揮する」
ここでファクトリーから戻ってきたカナンが,自分の知らない顔であったことに気がつくマリア。
「迷いも,憎しみも,怯えも,苦痛も,懺悔も,すべて持ち合わせた……」
カナンが普通の女の子になっていたことに気がつきます。
「お前の役目はただ一つだ。カナンの本当の力を目覚めさせる起爆剤となる」
マリアが人質になったときもこの理由で生かされていたわけですね。
明敏な感覚のゆえに,古びた列車,血の香りゆえに全く別の物がカナンには見えています。
それゆえ,シンプルに真実を見ることができなくなっています。
本当に大切な物が見えていると語るカナン。
「あの日も見えていたか」と問いかけるシャム。
マリアは自分が起爆剤になることを承諾します。
その条件として,写真を撮らせてくださいと。
マリアは写真という自分の目,大沢マリアの目を通して,アルファルドを見つめようと。
それが逃げずに,カナンに頼らずに歩いて行くことだと考えるマリア。
シャッター音とともに響く銃声……
それを聞くカナン。
「あの日,わたしはシャムから,光から離れた」
過去においてシャムという光をカナンから奪ったアルファルド。
今度はいまの光であるマリアを奪おうとしています。
光を守ろうとマリアの所に走り出すカナン。
シャムの言葉を思い出し,シンプルに真実を見ようとします。
「ただ,そのまま,ありのままを,見つめろ!!」
シャムとマリアの言葉が重なり掴んだ物は
マリアとユンユンの姿はありません。
撃たれたマリア。
自分がいつもカナンに守られていた,そのことを求めていたことに気がつきます。
二人を閉じ込めた車輌には時限爆弾が!!
守るべきものがある,最も強く恐ろしいカナンとの勝負を望むアルファルド。
「カナンはわたしだ!!」
その腕にはカナン,シャムと同じ刺青が。
「わたしとシャムは同じものだ。だから刻んだ」
シャムの理想通りに強くなり,復讐を糧にどこまでも舞い上がる空を舞う蛇となったアルファルド。
復讐からは何も生まれないと語るカナン。
「お前が現れなければ,シャムはあの場で死ぬことはなかった」
カナンの存在はシャムを否定するもの,それゆえに殺したと語るアルファルド。
カナンとしてシャムが求めるものを求め続けたアルファルド。
その能力が戦争にピタリと適合する超人のような兵士がいると語るシャム。
戦場で会ってしまったら絶望するしかないと。
シャムはカナンを絶望と見ていました。アルファルドのことは「極限」だと。
それでアルファルドはカナンのことを「絶望」と呼びます。
カナンはマリアにとっても光ですが,その光に照らされることによって心の片隅に影,絶望が生まれてしまいます。カナンのように輝きたいと願いながらも,カナンのようにはなれないことを認めています。
「わたしが殺したいのはお前ではない。絶望を殺して,わたしはシャムの亡霊を撃ち抜く」
マリアのお願いを聞き入れて,列車の連結を外すユンユン。
マリアは爆弾と一緒です。
わたしはカナンを照らすことができない,ごめんねカナンと涙するマリア。
次回は最終話,「キボウノチ」
カナンは聖書に出てくる約束の地の名前です。
4話で語られていましたが,シャムによって拾われ戦闘訓練を受け,「希望の地」という意味のカナンという名前をもらいます。
そのカナンを希望ではなく絶望と見ているアルファルド。
カナンの高い能力のゆえにシャムは絶望を感じた。自分もシャムにとっての希望になれなかったと感じているアルファルド。
いまの光であるマリアを守りたいと願っているカナン,自分はカナンを照らす光になれない,隣を歩くことはできないと考えているマリア。
すれ違ったままで最終回に。
この辺の行き違いというか考え違いはどのように解決されてゆくのでしょうか。
ファクトリーで多くの登場人物がお亡くなりになられましたが,そのことによってカナンとアルファルドという本来の物語にスポットがあたることになりました。
というか5話以降,リャン様が輝きすぎていました。
その黒い光がマリア&カナンの光と対照的なものとして描かれていると思うのですが。
キボウノチ,希望の地と希望後という二つの意味がありそうですが,どのような結末を迎えるのか楽しみです。絶望ではなくて希望なのでハッピーエンドにはなると思うのですが。あの爆弾は3話の時と同じように偽物なのか。連結器が外されたのでカナンは助けにいけないし,みのさんも追いつけていないと思うし。アレが爆発してマリアを失ったらBADENDだし。
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